僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

赤坂山登山その2~粟柄峠-山頂-明王の禿のピストン~

2024-06-12 05:55:55 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 快晴の赤坂山登山も約半分くらいの位置になる粟柄峠までやってきました。
ここからは気持ちの良い稜線歩きになるものの、風が強いのでこの季節にも関わらず寒くなってきてウインドブレーカーを着て帽子をリュックに入れます。

粟柄峠から先に続く赤坂山の稜線は日本海側と琵琶湖側の分水嶺にあたり、風を遮るものは何もありませんから、逃げようのない風に吹きつけられます。
粟柄峠の分岐は、麓のマキノ高原・赤坂山・福井県美浜町に分かれており、寒風や大谷山へのルートの分岐にも近い場所にあります。



かつて粟柄峠は、日本海側と琵琶湖側の物流ルートとして人の行き来があったといいます。
峠の福井側には複数の馬がいたと思われる馬場という集落があったとされ、かつての馬に荷を積んで峠を越えていく物流の姿が想像されます。
そのためなのでしょう、巨石をくり抜いた中には馬頭観音(馬の無病息災の守り神)をお祀りしています。





赤坂山に限らず山頂への稜線が美しい山というのがあり、息を切らしながらも登っていく稜線歩きは実に楽しい。
早く着きたいような、もっと楽しみたいような微妙な気分を味わいながら最後のロードを登ります。



とはいえ稜線歩きは楽しいだけでなく、急登を登る苦しさも同時にあって、心の中ではあと僅か、あと僅かと念じるように粘る気持ちで登ります。
マキノ高原から2時間弱、今日は山頂から「明王の禿」まで行きますので少し休憩したいが、風に煽られて寒くて休む場所がない。



最後の急登を登りきると標高823.8mの山頂です。
岩陰で休憩されている方も居られるが、立っているだけで寒さに耐えられないほど強風にさらされてしまいます。



三角点は四等三角点。
三角点の近くには似たような形状の図根点標石があり、林野庁が国有林の測量のために設置した標石設置だそうです。



山頂からは琵琶湖が良く見えており、裸眼だと琵琶湖の湖岸線が湾曲しているのが分かります。
山の麓から見える琵琶湖は近く、福井県美浜産の塩や木炭・海産物を滋賀県海津から湖上輸送するに適した街道(峠)だったことが伺われます。



反対方向は美浜町の雲谷山を経て、向こう側には若狭湾があるはずだがこの位置からは見えません。
寒風まで行く途中には若狭湾と琵琶湖が右と左に見える場所がありますので、両方を見るのなら寒風ルートでしょうか。



赤坂山山頂から向かうのは写真に見える三国山の右にある風化した奇岩が聳え立つ「明王の禿」です。
一旦下ってから登り返すルートになり、更に進めば三国山まで行けますが、戻ってくるのが大変なので明王の禿まで行って折り返します。



赤坂山から明王の禿への道は、低木の茂みの鞍部を通り抜けるような道ですので熊さんに出会わないか不安な道。
しかし、この日は歩いている人が多いので安心して進めます。
最後の登りを終えると目の前には荒涼とした石灰岩の崩壊地。何度見ても圧巻です。



中央に聳える岩は通称「モアイ岩」または「マントヒヒ」と呼ばれる。
麓からも見えるこの崩壊地の崖側の危険個所にはチェーンが張られていて、崖側まで近づくと強風で煽られて滑落しそうで怖い。



奇岩の向こう側には田植えの終わった水田と琵琶湖が見える。
麓から2時間ほどで来れる場所とは思えないほど、この景色は凄い。



明王の禿から木段を登って振り返ればこの景色。
奇岩は今も崩壊したり風化したりしているのでしょうか?
降雪量の多そうな地域ですので、少しづつ風景は変わっているのかもしれません。



明王の禿のピークは標高780m。
高島トレイルのコースに入っており、トレイルの12の分割コースではコース2の黒河口~マキノ高原になります。





ピストンですので明王の禿から赤坂山へ戻りますが、遠い距離ではないけど景色で見ると遠そうに見えるのが山の不思議。
赤坂山山頂までの最後の急登がなかなかシンドイんですよね。



赤坂山の山頂に戻った後、稜線を下って粟柄峠を越えた辺りで寒風への分岐に差し掛かります。
快晴ですので稜線からの景観は素晴らしいと予想されるものの、強風が吹く稜線をずっと歩くのが難点ですので立ち寄らずです。
とはいえ、登り下りする人の姿はチラホラとありました。



マキノ高原に下山しますが、朝と比べてもそれほどテントは増えてはいないようです。
キャンプ場を下りながらテントを見ると、テントのキャノピーの部分が風に煽られて大変そうでしたよ。



花の話に戻りますが、明王の禿の近くにもドウダンツツジが咲いていたものの、これぞ紛れのないサラサドウダンという花には巡り合えずでした。
やはり明王の禿から三国山へ足の延ばすか、黒河峠から三国山を目指すかなんでしょうね。
では日を改めて黒河峠から三国山の山頂へ行ってみよう!


コメント
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