京都・上賀茂神社では毎月第4日曜日に「上賀茂手づくり市〜緑と小川の手づくり市〜」が開催されており、上賀茂神社への参拝を兼ねて訪れました。
手づくり市は、手づくりの品物に限定した市として自作の手づくり作品を販売するブースが約200店軒を連ねます。
当日は時折雨が降る寒い1日だったにも拘わらず来場者は多く、「上賀茂手づくり市」の人気の高さが感じられ、出店者の方の力作が販売されていました。
上賀茂神社には何度も参拝している神社ですので神社に関しては簡単に後述することにして、もう一社参拝した「松尾大社」から始めます。
「松尾大社」は京都の洛西に位置し、太古の昔より松尾山(標高223m)に祀られる磐座を祀って、祭祀を行い信仰していたとされている。
5世紀頃になると、渡来人の秦氏の大集団がこの地に来住して、松尾山の神を一族の総氏神として仰ぎ、701年には磐座から神霊を当地に移して社殿が設けられたという。
平安京に遷都されると、東の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)とともに「賀茂(東)の厳神、松尾(西)の猛霊」と並び称され、その後は「酒の神(酒造神)」として信仰されている。
御祭神は大山咋神と市杵島姫命。大山咋神は大津の日吉大社の御祭神と同じ神で、比叡山と松尾山の山頂にあって境をなす神であるとされているという。
駐車場から境内に入るとすぐに二之鳥居や楼門が見えてきますが、まずは少し離れた一之鳥居まで行って、一之鳥居に入り直してから参拝する。
松尾大社の鳥居は方向として松尾山を拝するように建てられており、磐座跡はやや北方向にあるようです。
興味深いのは二之鳥居の注連縄に榊の束が12個下げられており、まるでトリクグラズのない勧請縄のような形式で、上賀茂神社の鳥居にも同様の枝葉が下げられている。
下げられた榊の束は正確には「脇勧請」というらしく、12本の榊の枯れ方により、月々の農作物の出来具合を占ったというところは勧請縄と通じるものがあり、鳥居の原始形式を示すとされます。
驚きの気持ちを持ちながら二之鳥居を抜けると、高さ11mという大きくてシンプルな楼門を抜けることになります。
楼門は1667年に棟上げされた建築物とされ、煌びやかな装飾はない反面、堂々たる姿をした楼門です。
楼門から入った正面には巨大な絵馬を掛けられた拝殿が迎い入れてくれます。
兎の土鈴が中心に描かれていて、右下には小さな亀の姿が見られる。兎と亀の昔話もありますが、松尾大社では亀は神使として祀られています。
重要文化財に指定されている本殿は、1397年に再建されたもので1542年の大改修が行われ、その後も何度かの大修理を行って現在に至るという。
本殿の手前には「相生の松」の祠があり、2本の幹が合体した姿から恋愛成就・夫婦和合の御利益があるそうです。
本殿の建物の真上辺りには巨石が露出しており、この巨石は2014年に山肌から露出しているのが発見されたという。
神社の方に本堂の上の巨石は磐座でしょうかと確認しましたが、磐座は松尾山の峰の向こう側辺りにあるということでした。
かつて磐座は神職以外は禁足地となっていたが、許可制で登拝可能となったものの、2018年の台風によって登拝道が崩れて登拝禁止となっているようです。
松尾大社でどうしても行きたかった場所は「霊亀の滝」という神秘的な滝です。
本堂から長く伸びた回廊に入口があって、石段を登っていくと「霊亀の滝」の朱色の鳥居と祠が見えてきます。
滝は神々しくも神秘的な姿をしており、上段と下段の2段に分かれて10mはありそうな滝です。
決して枯れることのない滝とされていますが、季節柄か水量が少なく僅かな水量だったのは残念でした。
ただし巨石が重なる間に滝があるのは見応えがあり、回廊の向こう側の本堂エリアとは空気感が全く違います。
案内板に巨石の中に「天狗岩」があるということで目を凝らして探しているうちに天狗の顔を発見。
判別しにくいですが、真ん中やや左の丸い岩の右側に天狗の鼻があり、鼻の付け根の辺りに目と口が見えます。
「霊亀の滝」の石段を下りてくると「神泉 亀の井」という湧き水があり、松尾神社の神使である亀が霊水を吐出しています。
この湧き水を酒に混ぜると腐敗しないといい、醸造家が持ち帰って混ぜるという風習が現在も残るそうです。
神社の方にそのまま飲めますかと聞くと、みなさんお飲みになっていますし、沸かしてお茶やコーヒーにしてもいい。
神棚にお供えしてもいいし、古くなったら家の4隅にまかれるといいとのこと。
社務所に瓶が売ってありましたので、瓶に御神水を注いで持ち帰って飲んで見みることにしました。
松尾神は「神々の酒奉行である」という言葉があるようで、酒神として酒造関係者の信仰が篤いという。
神輿庫には各酒造の菰樽が奉納されており、神社に菰樽が奉納されているのを見かけることが多いが、さすが酒造神の信仰の篤い松尾大社の奉納菰樽は膨大な数です。
これにて松尾大社の参拝を終えましたが、次は先に参拝した上賀茂神社です。
この日は「上賀茂手づくり市」が開催されていましたので、神社参拝の方もかなりの人手です。
駐車場から境内に入ると二之鳥居ですので、上賀茂さんでも一旦一之鳥居まで行って入り直してからの参拝になりました。
二之鳥居の右側から「上賀茂手づくり市」のブースが始まり、鳥居を抜けると立砂や楼門・拝所となる中門になります。
鳥居の注連縄には房が4本、紙垂が4つあり、紙垂の横に枝葉が4本下げられている。
過去に上賀茂神社に参拝した時、鳥居の注連縄に何本かの枝葉が下げられていて、これは勧請縄なのか?と不思議に思ったことがありました。
松尾神社にも「脇勧請」が下げられていましたので、京都の神社では複数見られるのかと地域による祀り方の共通点と差異に気付かされます。
上賀茂神社といえば細殿の前にある「立砂」になり、上賀茂神社の御祭神・賀茂別雷大神が降臨したとされる神山に因んで円錐形の立砂が2つ祀られている。
円錐の頂点には3葉と2葉の松の葉が刺されてあり、御祭神の依代として神の出現を願う気持ちの意味があるとか。
境内を流れる御手洗川と御物忌川の合流地点の近くの橋を渡ると、朱色も鮮やかな楼門が近づいてきます。
楼門は1628年に建立されたといい重要文化財に指定された建築物で、大神社らしい見栄えの良い門だと思います。
さてこの日は、神馬舎に白馬の「神山号」が出馬しており、何度か参拝した上賀茂神社ですが今回初めての遭遇となりました。
ニンジンをあげることが出来ますので、スライスされたニンジンの乗った金属皿を鼻先に出すと、凄い勢いで皿を引っ張りニンジンを食べておりました。
手づくり市は、手づくりの品物に限定した市として自作の手づくり作品を販売するブースが約200店軒を連ねます。
当日は時折雨が降る寒い1日だったにも拘わらず来場者は多く、「上賀茂手づくり市」の人気の高さが感じられ、出店者の方の力作が販売されていました。
上賀茂神社には何度も参拝している神社ですので神社に関しては簡単に後述することにして、もう一社参拝した「松尾大社」から始めます。
「松尾大社」は京都の洛西に位置し、太古の昔より松尾山(標高223m)に祀られる磐座を祀って、祭祀を行い信仰していたとされている。
5世紀頃になると、渡来人の秦氏の大集団がこの地に来住して、松尾山の神を一族の総氏神として仰ぎ、701年には磐座から神霊を当地に移して社殿が設けられたという。
平安京に遷都されると、東の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)とともに「賀茂(東)の厳神、松尾(西)の猛霊」と並び称され、その後は「酒の神(酒造神)」として信仰されている。
御祭神は大山咋神と市杵島姫命。大山咋神は大津の日吉大社の御祭神と同じ神で、比叡山と松尾山の山頂にあって境をなす神であるとされているという。
駐車場から境内に入るとすぐに二之鳥居や楼門が見えてきますが、まずは少し離れた一之鳥居まで行って、一之鳥居に入り直してから参拝する。
松尾大社の鳥居は方向として松尾山を拝するように建てられており、磐座跡はやや北方向にあるようです。
興味深いのは二之鳥居の注連縄に榊の束が12個下げられており、まるでトリクグラズのない勧請縄のような形式で、上賀茂神社の鳥居にも同様の枝葉が下げられている。
下げられた榊の束は正確には「脇勧請」というらしく、12本の榊の枯れ方により、月々の農作物の出来具合を占ったというところは勧請縄と通じるものがあり、鳥居の原始形式を示すとされます。
驚きの気持ちを持ちながら二之鳥居を抜けると、高さ11mという大きくてシンプルな楼門を抜けることになります。
楼門は1667年に棟上げされた建築物とされ、煌びやかな装飾はない反面、堂々たる姿をした楼門です。
楼門から入った正面には巨大な絵馬を掛けられた拝殿が迎い入れてくれます。
兎の土鈴が中心に描かれていて、右下には小さな亀の姿が見られる。兎と亀の昔話もありますが、松尾大社では亀は神使として祀られています。
重要文化財に指定されている本殿は、1397年に再建されたもので1542年の大改修が行われ、その後も何度かの大修理を行って現在に至るという。
本殿の手前には「相生の松」の祠があり、2本の幹が合体した姿から恋愛成就・夫婦和合の御利益があるそうです。
本殿の建物の真上辺りには巨石が露出しており、この巨石は2014年に山肌から露出しているのが発見されたという。
神社の方に本堂の上の巨石は磐座でしょうかと確認しましたが、磐座は松尾山の峰の向こう側辺りにあるということでした。
かつて磐座は神職以外は禁足地となっていたが、許可制で登拝可能となったものの、2018年の台風によって登拝道が崩れて登拝禁止となっているようです。
松尾大社でどうしても行きたかった場所は「霊亀の滝」という神秘的な滝です。
本堂から長く伸びた回廊に入口があって、石段を登っていくと「霊亀の滝」の朱色の鳥居と祠が見えてきます。
滝は神々しくも神秘的な姿をしており、上段と下段の2段に分かれて10mはありそうな滝です。
決して枯れることのない滝とされていますが、季節柄か水量が少なく僅かな水量だったのは残念でした。
ただし巨石が重なる間に滝があるのは見応えがあり、回廊の向こう側の本堂エリアとは空気感が全く違います。
案内板に巨石の中に「天狗岩」があるということで目を凝らして探しているうちに天狗の顔を発見。
判別しにくいですが、真ん中やや左の丸い岩の右側に天狗の鼻があり、鼻の付け根の辺りに目と口が見えます。
「霊亀の滝」の石段を下りてくると「神泉 亀の井」という湧き水があり、松尾神社の神使である亀が霊水を吐出しています。
この湧き水を酒に混ぜると腐敗しないといい、醸造家が持ち帰って混ぜるという風習が現在も残るそうです。
神社の方にそのまま飲めますかと聞くと、みなさんお飲みになっていますし、沸かしてお茶やコーヒーにしてもいい。
神棚にお供えしてもいいし、古くなったら家の4隅にまかれるといいとのこと。
社務所に瓶が売ってありましたので、瓶に御神水を注いで持ち帰って飲んで見みることにしました。
松尾神は「神々の酒奉行である」という言葉があるようで、酒神として酒造関係者の信仰が篤いという。
神輿庫には各酒造の菰樽が奉納されており、神社に菰樽が奉納されているのを見かけることが多いが、さすが酒造神の信仰の篤い松尾大社の奉納菰樽は膨大な数です。
これにて松尾大社の参拝を終えましたが、次は先に参拝した上賀茂神社です。
この日は「上賀茂手づくり市」が開催されていましたので、神社参拝の方もかなりの人手です。
駐車場から境内に入ると二之鳥居ですので、上賀茂さんでも一旦一之鳥居まで行って入り直してからの参拝になりました。
二之鳥居の右側から「上賀茂手づくり市」のブースが始まり、鳥居を抜けると立砂や楼門・拝所となる中門になります。
鳥居の注連縄には房が4本、紙垂が4つあり、紙垂の横に枝葉が4本下げられている。
過去に上賀茂神社に参拝した時、鳥居の注連縄に何本かの枝葉が下げられていて、これは勧請縄なのか?と不思議に思ったことがありました。
松尾神社にも「脇勧請」が下げられていましたので、京都の神社では複数見られるのかと地域による祀り方の共通点と差異に気付かされます。
上賀茂神社といえば細殿の前にある「立砂」になり、上賀茂神社の御祭神・賀茂別雷大神が降臨したとされる神山に因んで円錐形の立砂が2つ祀られている。
円錐の頂点には3葉と2葉の松の葉が刺されてあり、御祭神の依代として神の出現を願う気持ちの意味があるとか。
境内を流れる御手洗川と御物忌川の合流地点の近くの橋を渡ると、朱色も鮮やかな楼門が近づいてきます。
楼門は1628年に建立されたといい重要文化財に指定された建築物で、大神社らしい見栄えの良い門だと思います。
さてこの日は、神馬舎に白馬の「神山号」が出馬しており、何度か参拝した上賀茂神社ですが今回初めての遭遇となりました。
ニンジンをあげることが出来ますので、スライスされたニンジンの乗った金属皿を鼻先に出すと、凄い勢いで皿を引っ張りニンジンを食べておりました。