僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

「白龍神社」と平成の名水百選「堂来清水」~長浜市高山町~

2021-05-04 20:05:05 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 滋賀県は周囲を山脈で囲まれた県となっており、西には比良山地、東には鈴鹿山脈、北は伊吹山地などが琵琶湖と平野を取り囲んでいます。
伊吹山地には伊吹山は元より、横山岳や小谷山や金糞岳など数々の山があり、なかでも金糞岳は標高1317mと伊吹山よりわずかに60mだけ低い、県下2番目の山となります。

金糞岳は草野川を遡っていき、最奥地になる高山キャンプ場が登山口および林道の入口になりますが、キャンプ場のすぐ手前には平成の名水百選に選ばれている「堂来清水」という湧き水があります。
滋賀県内で名水百選に選ばれているのは、高島市の「針江の生水」、米原市の「 居醒の清水」、愛荘町の「山比古湧水」を含めた4つとなります。



「堂来清水」のすぐそばには、2つの「白龍神社」が祀られており、ひとつは鳥居のある「白竜神社」、もう一方は湧き水のすぐ横に祠のある「白龍神社」となる。
位置的には草野川に沿って連なる集落のもっとも外れとなる金糞岳の麓に位置しています。
金糞岳の頂上は、滋賀県と岐阜県揖斐郡揖斐川町の境界ですから、人が生活している場所としては、この方角では最奥にある神社です。



「白龍神社」は、「高龗大神」を御祭神として祀っており、この神は京都の「貴船神社」や滋賀なら多賀町の「大瀧神社」の御祭神とされており、いづれも水の神として祀られている。
神話での「高龗大神」は、伊邪那岐神が迦具土神を斬り殺した際、剣の柄に溜った血から生まれたとされており、「高」は山の上を、「龗」は龍の意を示し、「龍」は水や雨を司る神とされています。



神社は山の縁にあり、その反対側には草野川が流れる。
午前中は山の蔭となり、少し怖い感じがするのは前日の雨で増水した草野川の水音が激しいさもあったのでしょう。



「堂来清水」にまつわる伝承では“今から1100年以上前、旱魃で農民が餓死寸前に追い込まれたとき、野瀬集落の草庵の槻之坊という住職が農民とともに雨乞いをしたという。”
“槻之坊と村人が奥の池に住む白龍という竜神に雨乞いをした結果、麓の堂来に清水(湧水)が出るようになった。”と伝えられているそうです。
奥の池とは「夜叉ヶ妹池」と呼ばれていて、福井県と岐阜県の県境にある「夜叉ヶ池」を姉とする金糞岳山中にある夜叉ヶ池の妹にあたる池だといいます。



金糞岳を岐阜県側に越える鳥越林道を使えば「夜叉ヶ池」方面に行くことは出来ますが、はてさて「夜叉ヶ妹池」とはどこにあるのか...。
調べると、鳥越林道の途中の登山道から、金糞岳の南尾根にある「カナ山(標高985.8m)のピークの近くにある池ということで、そこがこの清水の源泉となるようです。
旱魃に苦しむ農民が僧の雨乞いを頼りに白龍の棲む池で雨乞いをし、湧き出た水を山麓に神社として祀って利用してきたということになります。



湧き水がある場所にはそれぞれ独特の雰囲気がありますが、この堂来清水では特に聖域の湧き水のような印象を受ける。
五穀豊穣を願う「オコナイ」神事では、堂来清水を洗米水として活かされているといいます。



さて、この奥にある高山キャンプ場から鳥越林道へ入る道がありますが、通行止めかと思っていたら何と開通しており、久しぶりに林道を進んでみます。
標高1040mとされる鳥越峠まで行って景色を眺めましたが、やはりここは絶景ポイントですね。
この時節でも道路脇や崖下には雪が残り、常緑樹以外の新緑の若葉はまだ少ない。



林道の途中で小さな蛾に出会いました。
草の蔭にすぐ隠れてしまいますが、草を払ってもあまり飛ばないやつでユウマダラエダシャクというらしい。



3羽くらいで飛び回っていたのはウスバシロチョウ。
こう見えてもアゲハチョウの仲間で、アゲハチョウ科の蝶は蛹で越冬するのに対して、ウスバシロチョウは卵で越冬するといい、春だけに現れる蝶の一種になります。



草野川沿いの道を戻ってくると、川の上に鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。
5月5日の「子供の日」らしい風景ですね。





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