僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

今月の読書!~ネイチャーフォトグラファー「星野道夫」と「中村征夫」~

2015-06-05 18:50:50 | アート・ライブ・読書
 4月に京都の細見美術館へ「私の1枚-日本の写真史を飾った巨匠101人-」という写真展へ行った時に“もっと見てみたい!”と感じた2人の写真家の本や写真集を乱読しています。
その2人の写真家とは「星野道夫」と「中村征夫」(敬称はなしでスイマセン)なんですが、この2人はネイチャーフォトグラファーとして写真を撮るだけではなく、数多くの本を書かれています。
そこへ書かれている文章はあまりにも素晴らしく、文章を読みながら掲載された写真を見ていると、いつの間にやら“極北のアラスカ”や“南洋の海の中”へ連れ去られて、心地よくも満たされた気持ちになります。


(日本野鳥の会「トリーノ」誌より 響の章)

星野さんはアラスカに憧れ、アラスカを旅して、アラスカに家を立てて住み着き、最期は不運な事故で早世されてしまうけど、“広々としたアラスカの美しい景色”“厳しい環境で生き抜く不動物たち”“出会った数多くの人々(フロンティア・スピリットに溢れた)”のことが淡々としながらも染み入るような文体で次々と語られていきます。
エスキモーやインディアンとモンゴロイドに関する種の起源についての話や現代のエスキモーのアイデンティティの悩み...などの話を交えながらカリブーの大移動やクリズリーの親子の素晴らしい写真も併せて見られるので視覚的な写真の良さが増していきます。


「アラスカ風のような物語」「生命 イニュニック アラスカの原野を旅する」「旅をする木」

余談になりますが、星野本には野鳥好きな方がワクワクするような話も出てくるので、もしこれから先に読まれる方がおられたらお楽しみに!
滋賀で野鳥の渡りのシーズンに楽しみにしている野鳥たちってどこへ渡っていって、どこから渡ってきましたっけねぇ~?ってこと。


「アフリカ旅日記 ゴンベの森へ」「ノーザンライツ」

星野さんはアフリカにも取材に行かれたことがあったそうですが、チンパンジーにしろ熊にしろ同じような眼差しで接する様子が伺われます。
残念ながら43歳の時にロシアのカムチャッカでヒグマの事故によって亡くなられますが、星野さんの生きた時代を追ってまとめられた本がありました。


「悠久の時を旅する」

この「悠久の時を旅する」は未読なんですが、各時代が網羅されているようですので個人的には星野ワールドの「中まとめ」的な本です。ちなみにこの本には今森光彦さんが文を寄稿されているのが隠れた楽しみなんだけどね。
さて一方の中村征夫さんは水中カメラマンで海の中の美しい生き物や珊瑚礁、生き物たちの面白い表情やありえないような姿まで撮られていますが、最初に読んだのは「全・東京湾」。


「海も天才である」「全・東京湾」

かつての公害や生活排水の垂れ流しなどでヘドロにまみれて汚水と化した東京湾に潜り続けて、東京湾に生きる生き物たちを10年以上に渡って観察した記録です。
生き物たちのしたたかさを感じるとともに排水の規制などで浄化されてきた東京湾に豊かな自然が戻ってくる様子は身近な場所ではないとはいえ嬉しくなりますね。
年がバレるけど、当方なんかの世代は公害によって汚水された身近な川や場所によっては異臭のする琵琶湖の時代を少しは知ってる世代やもんな。(ある時期の長浜の川には背中の曲がった奇形の魚がとても多かったんですよ!


「海中顔面博覧会」

ところで2人の写真を見ていると、「アラスカの原生林の森」や「夏のアラスカに生える地衣類やベリーの実」の写真と「南洋の海の中の海藻やイソギンチャクや珊瑚礁」は全く違う場所で撮影されたものでありながらも、両者にとても近いものを感じてしまいます。
“そんな風に見えるだけだよ”と言ってしまえばそれまでなんですが、そうは思えないんだけどなぁ。


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