大垣市の 親切ていねいな ふすまと内装工事のお店 【創業80余年 林文香堂】 三代目店主の前向きな日記 

明るく朗らかに、人に親切に、素直に、謙虚に、感謝して の五つの基本を胸に、日々の小さなよろこびを綴ります。

太鼓張り障子(1)

2012年07月12日 | ふすま・表具
60代のご主人と50代の奥様とが二人で住まわれる新築住宅。

こだわりをもつ奥様のご希望で太鼓張り障子を製作することになりました。
↓奥様からのリクエストのFAXです。



普通、障子といえば、座敷と縁側の境や、窓の内障子が一般的で、障子紙は片面に張り、
部屋側からは組み子が見えるものです。

しかし今回はLDKと寝室との間仕切り戸(二本引き込み)に採用され、
しかも、框まですべて障子紙を張りくるむという「坊主襖」のような仕上がりがご希望でした。

きっと奥様のイメージは、
昼は純白の清潔感いっぱいの明るい雰囲気・・
夜は照明の明かりが障子紙を通してやわらかく室内に届く、しっとりした雰囲気・・
なのではないかなと想像しました。

さて、製作です。
材はスプルス。見込1寸1分。組み子は当然框の厚みと「つらいち」です。
木製の舟底引手は僅かに框の見付から出るように仕込み「ちり」を確保しました。



障子紙はロール形状のやわらかい一般的なものを使用します。
片側を張り、翌日にもう片方を張ります。
曲げ部分、切り落とし部分といった細部の「おさまり」がとても重要になります。

さてさて・・。
            (次回に続きます)

この物件に興味のある方は ⇒ こちらをご覧下さい


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ふすまのアクセント 細工貼り(2)

2012年06月26日 | ふすま・表具
今回ご紹介の事例は「貼帯:はりおび」とよばれる技法です。

ベースの無地系ふすま紙にさらに帯状の色鳥の子紙をたてに貼り増ししました。
帯の中心に「引き手」がくるようにしてあります。帯巾は六寸です。



写真は作業場で撮ったものなので残念ながらリアリティがありませんが、
四本立ちの間仕切りなので、しゃきっとしたメリハリが鮮やかでした。

もともとのふすまがそのようにしつらえてあったので、今回の張り替えにあたっても、
奥様から「お義父さんが建てた家なので、その雰囲気を大切にしたい」との意向を
うかがい、現状に近い色を探しました。

よろこんでいただけて良かったです。


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ふすまの張り替え そのきっかけは?

2012年06月22日 | ふすま・表具
ふすまや障子の張り替えを思い立つとき。

それはどんなときなのでしょう。

思い立ったが吉日。

それは間違いないところでしょうが、そのきっかけは・・?

むかしは「お正月が近いから」「お盆が近いから」というのが多くありましたが
いまはそうでもありません。

いまは「法事が近いから」「おめでたいことがあるから」「大切な来客があるから」
というきっかけがいちばん多いように思います。

次に多いのは「子どもが破っちゃった」「子どもが落書きしちゃった」。
「ペットが破っちゃった」がこれに続きます。

「新築してから一度も張り替えてないし。そろそろ(いよいよ)と思って」
というケースも結構あります。

トイレや洗面やDKをリフォームしたついでに、というケースもあります。

畳をおもて替えしたら、今度はふすまが気になって、というケースもあります。

「自分でやろうと思ってホームセンターで買ってきてトライしたけど、
 ひどいことになってしまって・・・」というケースもあります。

そのお客様宅の事情によって、きっかけ は様々ですが、
「思い立ったが吉日」。
これはやっぱり間違いないですね。

それともうひとつ。

冷房も暖房もいらない時期。

これは重要なポイントです。
ふすま・障子の無い数日間ストレスを感じずに過ごせる季節。

案外、みじかいものです。

「ああ、そうか」と思ったあなた。

 『思い立ったが吉日』です。

(ちょっとくどかったかな・・スミマセン。)


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ふすまのアクセント 細工貼り(1)

2012年06月20日 | ふすま・表具
無地系のふすま紙を張る場合、色や質感の違う和紙を貼り分けることで、
より個性的なふすまにすることができます。

たてに帯状に、よこに帯状に、曲線で、いろいろな表現が可能です。
これらの技法を総称して「細工貼り」ともいわれます。

今回ご紹介するのは「引き手さわり」と呼ばれるものです。
(手ざわり、手当たりとも呼ばれます)



引き手のまわりに色鳥の子紙を貼ります。
大きさに決まりはありませんが、引き手を中心にバランスよく配置します。
今回はたて六寸、よこ七寸です。
すみが切り落としてあるのは「デザイン」です。

お好みの色鳥の子紙をふすまのアクセントカラーとすることができます。
下の写真はほんの一例です。たくさんの色があります。



また、頻繁に開け閉めをする出入口などのふすまの場合、
どうしても引き手まわりから汚れたりこすれたりしてしまいます。

全体にはまだきれいなのに、引き手のまわりだけが・・というような場合は、
「引き手さわり」を貼ることで全体の張り替えをせずにすみ、
引き手のまわりの汚れが隠れ、補強とデザインにもなります。

先日、障子の張り替えでお伺いしたお客様宅は新築まもないのに、
かわいい飼い猫ちゃんが障子をバリッ。ふすまも1本だけ下のほうをバリッ。

「このふすま紙、気に入っているのに・・」「全部張り替えるのはもったいないし・・」
と猫を怒れないやさしい奥様。
たてに帯状に貼る「貼り帯」をご提案しました。爪あとの破れがうまく隠れます。

近い将来、うちの事務所の電話が鳴ると思います。


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見本帳のライフスパンについて

2012年06月11日 | ふすま・表具
このたび越前和紙ふすま紙の見本帳「明星」が生まれ変わりました。
第10集となります。



すそ柄、総柄、無地系とバリエーション豊かな構成です。
継続採用の商品もありますが約半分は新色・新柄となっています。

ふすま紙の見本帳のライフスパンは2年のものもあれば、
5年以上変わらないものもあります。

見本帳経費がかさむこともあるでしょうが、
色柄が世の中の流行に左右されない、長く使える、ということも理由でしょう。

壁紙の世界でも以前はすべてのメーカーが2年に一度、新見本帳への
切り替えを実施してきました。
が、近年、ライフスパンを3年に延長した見本帳もでてきました。
私は正しい選択だと思います。

40歳を越えてから1年の過ぎ去るスピードが速すぎると感じているので、
新見本帳が出ても「えっ、もう2年経ったの?」と思ってしまいます。

製造メーカー側からみれば新商品・新色・新柄の開発も重要なテーマでしょう。

それもわかりますが。。


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ふすまの下張り

2012年06月02日 | ふすま・表具
ふすまの張り替え、今回は板戸でした。
ふすま紙を張る側(お座敷側)の下地には3枚の薄板がはぎ合わせされていました。

板戸の場合こういうことが多いのですが、通常、このような場合には「下張り」をします。
そうすることによって下地の段差や凹凸が隠れ、やわらかな風合いがでます。

下張りには「楮(こうぞ)紙」を使うことが多いのですが、今回は見てびっくり、
なんと新聞紙、しかも昭和32年8月の読売新聞が下張りされていました。

月刊誌「平凡」の別冊付録は『美空ひばり 芸能生活10周年記念アルバム』でした!



タイムカプセルを開けたみたいです。


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一軒の家で32本のふすま

2012年06月01日 | ふすま・表具
今回のお客様は住宅会社でキッチン・洗面のリフォームをされたご夫婦でした。
当社でクロス工事を行ない、すでに本体工事は完了しています。

住宅会社の計らいで、ふすまの張り替えは会社を通さず、直接やってくださいということに
なりましたので、お客様ご夫婦と先日じっくり打ち合わせをし、本日納品となりました。

一般的な木造2階建てながら、和室の数が多く、ふすまは大小あわせて32本もありました。

1本ずつ、建て付けや動きの状態を確認しながら、調整の必要なものはカンナなどを
使って直していきました。

鴨居が下がって4本引き間仕切りが真ん中で突っかえて動かない状態でしたが、
スムーズに開け閉めできるようになりました。
お客様の大きなストレスが解消されました。

ちょうど嫁いだ娘さんが遊びに来て、
「お母さん、この柄かわいい~」
「いいでしょう。わたしが選んだのよー。」
といった母と娘の会話も聞こえてきました。

10時のお茶をいただいているとき、
「うちに来てくださる業者の方はいい人ばっかりやわー」
と言っていただき、大変うれしかったです。



お客様の立場にたって、住まう快適さをどこまで追求できるか、
どれだけ気配りできるか。
金額には表われないことですが、とても大切なことだと思います。

よろこんでいただけて、よかったです。
ありがとうございました。


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年代モノのふすま

2012年05月11日 | ふすま・表具
この業界にたずさわっていると、ときどきびっくりするくらい
古いものに出逢うことがあります。

今回は古いふすまの何度目かの張り替えのため上張り紙をめくったところ、中から
習字の練習をしたとみられる和紙が、下張りとしてあらわれました。
現在使われていない漢字もあり、すくなくとも戦前のものだろうと思われます。

ずっと前には昔の教科書でしょうか、孔子の「論語」をほどいたものが
下張りされたものも見た記憶があります。

紙といえばイコール和紙だった時代。
がんぴ、みつまた、こうぞ、といった自然植物から作られた和紙は強靭で、
長い年月にも耐えます。

木の組子でつくられたふすまの下地に、幾重にも和紙を重ねて張ることで、
軽くて丈夫で長持ちするふすまになるのです。
歴史的な書画などがいまだ残っているのも和紙のおかげですね。

和紙は日本の自然と歴史文化の産物であり宝であるといえましょう。


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苦戦!両面テープ剥がし!(総括)

2012年05月10日 | ふすま・表具
なんとかコテコテの両面テープ糊をすべて除去することができました。

しかし、普通のでんぷん糊で張った普通の障子紙を剥がすのと比較すると、
おそろしく時間と手間がかかりました。

やはり障子は木でできていますので、「紙をでんぷん糊で張るのが一番!」という結論です。

だから何度も張り替えができ、そのたび新品同様の美しさをよみがえらせられるのです。

「ワーロンシート」に代表されるプラスチック系障子紙風シートは、木製の障子に対し、
ボンドや両面テープで『無理やり』接着しなければなりません。

接着力が弱いとハガレやすくなり、接着力が強いと次の張り替えの際に剥がしにくい、
糊が残る、材を傷める、結果、障子そのものの寿命を縮める、ということにつながります。

でんぷん糊で張ることができ、しかも普通の障子紙より強度が約4倍という商材があります。
当社ではこちらをおすすめしています。商品名は「タフトップ」です。

一般ユーザー向けの障子紙を製造するメーカーさんには、パッケージに詳しい施工上の注意点や、
デメリット表示をしていただき、同時に次の張り替えを想定した剥がし方の解説や、
その際の注意点を親切に記載していただきたいです。

ホームセンターなどでお買い求めになりご自分で張られる皆さまにおかれましては、
『強化タイプの障子紙もいつかは張り替えのときがくる』ことを念頭においていただき、
安易にボンドや、強い接着力の両面テープなど使用されませんようお願いしたいです。

以上で「両面テープ三部作」を締めくくりたいと思います。


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苦戦!両面テープ剥がし!(2)

2012年05月09日 | ふすま・表具
まずネットで情報収集をしました。
yahoo知恵袋、教えてgoo、など。
相手が木製の建具なので金属スクレイパーは使わない。
有毒なのでメタノールは使わない。

得られた幾つかのヒントをもとに、数種類の方法を目立たない場所で試験的に実施。
そして、「今回これでいこう」と決定したのが以下の方法です。

準備したものは、ZIPPOのオイル、箱ティッシュ、未使用の割りばし
あと、カッターナイフ、雑巾。



ティッシュを小さく折りたたみ、ZIPPOのオイルをよくしみ込ませて、
両面テープをこすっていきます。

両面テープの糊はティッシュとともに、消しゴムくずのようにボロボロになりながら
うまい具合にとれていきます。



障子は立てかけるとオイルが垂れるので、平らなところに置いて作業したほうが
姿勢も安定して効率も良いです。
割りばしは頑固な糊をこすり取るヘラとして使います。
柔らかいので障子の材を傷めることも少ないです。

硬い樹脂になった木工ボンドは上記の方法では除去できません。
ほかに仕方が無いので、カッターナイフで慎重にそぎ落とします。



いずれにしても、たいへん根気のいる作業です・・。



オイルが揮発して乾いたのち、絞った水雑巾で全体を吹きあげて出来上がりです。

・・・いや、障子紙を張る準備が整ったのであって、出来上がりではないですね。

テープ剥がし(総括)へ続きます。。


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