超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

続総合防災訓練

2010-11-17 17:03:41 | 出来事
初めてだったがこの前、県の総合防災訓練に参加したばかりなのに、また今度は市の防災訓練だ。
別にイベントはきらいじゃないからいいが、土日がつぶれて海に行かないのがよろしくない。
今回は協賛機関の代表として上司であるトップに代わり出席するので、来賓のテントに座ってただ見ているだけの退屈なものだ。
お隣が例の「男の会社」の支社長だったから、挨拶すると「いやあ、この間はどうも!こんど、コレ・・・やりましょうねー」
ポーズがボウリングになっていた。。。

市の防災訓練だから県よりも一回り小さいものの内容は結構盛りだくさんだった。
しかし同様の催しを一度、目にしたことがある私にとっては、別に珍しくも何ともなく、私の苦手な「退屈な時間」となってしまうのであった。
開会式が終わって最初の情報収集訓練で早くも飽きてしまった私は、県防災では見て回らなかった防災ブースをとことこ散歩がてら歩いていたが、こちらのほうは初めてなので興味深かった。

まず最初は私のいるテントの真後ろにあったお馴染み地震体験車だ。なんとその名も「なまず号」!
私はスーツではなく、一目でそれとわかるウィンドブレーカーを着ているから、ちょっとはばかられたが、始まったばかりで誰もいないから試しに乗らせてもらった。。。
部屋?には大画面TVぐらいのスクリーンがあり、地震発生時の色々な事象を説明していた。そのうちに普通に座っていられないくらいのすごい揺れがやってきて・・・
危うく椅子から転げ落ちるところだった。あれって固定されてないのね。
「ただいまの震度は『7』です」という電光掲示板が見えた。揺れが止まると外には結構な人だかりがあって、列ができていた。。。
あまり一人で体験するというのはみっともいいものじゃないな。



その隣が避難所体験コーナーだ。ダンボールで囲いがしてあるだけの「なんてつまんないコーナー」と思いきや、体育館など避難所生活をするときには、このダンボールの囲いが「我が家」になるのだそうだ。あとインスタント更衣室もダンボール製だ。
非常用持出袋には実に色々なものが入ってるんだな。「備えあれば憂いなし」だ。
ちょっとしたクイズに答えると、保存用ビスケットと白粥セットをくれた。



ずーっと歩いて一番奥まで先に行くと、「自然災害体験車」というのがあった。この前の県防災にもたしかあったが、全然気にも留めなかった。
よく見ると土石流や火砕流が押し寄せてくる迫力(と言うよりは恐怖の)シーンを大型スクリーンでしかも3Dで見られるそうだ。
こりゃー面白そうだ、と中に入ろうとしたがセッティング中でまだ営業?してないんだって。(残念!)



少し戻って見ると、自衛隊が特殊車両らしきもので何か作業をしていた。
何と食料の炊き出しをやっていたのである。そう言えば場内アナウンスでは炊き出し訓練では「豚汁」が配られると言っていた。
隊員は「おたま」らしきものを持っていたから、さしずめあれは「特殊汁物用作業車」ってとこか・・・
すぐ横のテントにスパイ活動に行くと、自衛隊専用ポリ容器では確かに大量の豚汁が作製されていた。。。



少し歩いて戻ると「救助用工具」の展示、その隣が救命活動実演コーナーだ。
人形の胸を両手で押さえて心臓マッサージの練習をするようだ。またAEDの操作方法も実演している。
私は研究所に勤務していたとき、講習を受けて何とかという認定を受けた。あまりに力を入れすぎて、人形の胸をバキっと突き抜け、息の根を止めてしまったヤツだ。
それにしても人形の胸がはだけているが、いかにも女性っぽいのが生生しい。。。

一旦テントに戻ると、ヘリの爆音が近づいてきた。県の防災訓練にもやってきた「防災ヘリ」である。
いつもながら見事な空中消化、救出を見せてくれる。芸術的なまでのホバーリングだ。
前回と違うのは会場が一回り小さいので、その分訓練を間近で見られたことだ。
実に迫力があったが、近いだけにものすごい風が発生し、とにかく寒かった。。。
ヘリの飛ぶ原理は、ローターを回して発生する下向きの風で機体を押し上げるのではなく、飛行機と同じで揚力で上昇するのである。(飛行機が滑走する代わりに自分で羽を回転させて揚力を発生させる)
それでも付近の樹木がなぎ倒れるほどのすごい風だった。

水防訓練まで準備時間になったので、またテントを離れあちこちうろつき回った。
別に珍しくもないので先ほどはスルーしたが、警察のパトカーと白バイも展示してあった。
そう言えば両方ともじっくりとは見たことないな・・・どちらかと言うとあまりお世話になりたくない方だし。。。
助手席の右足元にはレバーがあり、踏むと「ウォーン」というサイレンが鳴るんだそうだ。
運転席にも座らせてもらった。(まるで子供)
無線やらマイクやら色々な装置が中央に備え付けてある。
思わずマイクをとって「こちら警視16号、スーパーZの出動を要請します。」「こちら西部警察、了解!ただちに向かう」
うーむ。大門団長になった気分だ。。。ミサイル発射装置は無いよな・・・



「写真撮ってもいいですか?こんなときでもなけりゃ運転席は座れないからね。捕まったときは後ろに座るけど・・・」(機密事項だったらマズいもんな)

「そりゃーそうだよねえ。乗らないに越したことはないよねー」横にいた警察官は大笑いだ。
隣の白バイにももちろん跨らせてもらった。うーむ。かっこいい。。。
仮面ライダーアギトに出てきた警察用特殊変身スーツG3Xのバイク「ガードチェイサー」に乗った気分だ。
780ccのバイクと聞いたが、これまた色々なグッズが装備されている。
ハンドルの真ん中に大きな液晶画面があって「測定速度」と書いてある。



「これで狙った獲物の速度を測るんですか?レーダーか何か出してるの?横に立つ」若い白バイ警官に聞くと

「いいえ。レーダとかは無くて、同速度で一定距離走ると計測し出力します」

なるへそ。(死語)小さな子供は大喜びだ。そのうち白バイにも人だかりができた。
みんなカメラを手に撮影している。私の雄姿も撮ってほしかったのだが、あいにくスタッフは意外にも盛況だった我が社のブースでお客様対応が忙しく誰もいなかった。。。
さすがに警官に頼むわけにもいかないからねえ。

防災訓練は大詰めになり最後はやはりこれ、ドクターヘリの登場だ。
今回はかなり間近でその離発着まで見ることができた。ランデブーポイントに着陸すると救急車がサイレンを鳴らして重傷者を搬送してきた。
テロリスト被害にあった想定の重傷者は洗浄処理をされて大学病院にヘリで搬送されることになっている。
救急車から担架で運び出し、そのままドクターヘリ後部へ。。。なーるほど、あういう作りになっているのか。
救急車が去り、パイロットがヘルメットを着けていよいよ離陸か?!と思ったら、ドアを開けてさっきの重症患者は裸に毛布をくるんで歩いて出てきた。。。
「なーんだ、乗せてやらないのか・・・」



ローターが回りだし、独特なウィーンという音が甲高く鳴り響いて・・・
ドクターヘリは一旦バックで上昇し、そのまま颯爽と飛んでいった。
こうして多少退屈したが新しい発見もあった市の防災訓練も幕を閉じるのである。
参加者は34機関、約600名ということだ。
奇しくもその日はAPEC首脳会議の日だった。参加メンバーは一様に同じことを考えたろう。
「こんな日にやらないで、本番の警備に行けばいいのにね・・・」
(おとっつぁん、)それは言いっこなしよ。