超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

脳を鍛える

2014-05-25 07:36:18 | 出来事
最近、偶然にも「脳の力」という話題に触れることが多い。東京ビッグサイトで開催されている「教育ITソリューションEXPO」で「速読」に関するセミナーや教材を紹介するブースで立ち止まった。仕事上、直接関連性は薄いのだが、前に立てかけてあった看板に目が釘付けになってしまったのだ。
「10秒で読むことができますか?」
「人間の能力は、天才と凡人を比べてもじつは大差ないということがわかってきました。同じように勉強しているのに成果が上がる人と上がらない人がいるのは「頭の出来」だと思っている人も多いようですが、そうではないのです。ではなぜ、成果を出せる人と出せない人に分かれるのでしょうか。その差は能力の違いではなく、脳の使い方によって生じるものだから、ということはもはやいうまでもありません・・・」ここまでで4割くらいだ。「速読トレーニング」というブースだから意識的に全速力で読み取って約20秒弱、私は「いいスピード」の分類に入った。ちなみに10秒以内が「すばらしい」、1分以内だと「普通」、2分以上かかると「めざせスピードアップ」ということになる。

「脳をトレーニングする」というのは色々な分野で話題になっている。それも「目」と関係するものが多い、甘辛が持っているDSのゲームも基本的に視覚と記憶に関するものが多い。会場で速読トレーニング体験をさせてもらったが、モニターに縦・横の順に現れるマークを目だけ動かして追いかけたり、縦横無尽に現れる単語を両目でできるだけたくさん補足したり、高速でスクロールする文章を中央を睨みながら読んだり・・・つまりは「眼力を養う」種類のもののようだ。私が生まれて50年近く経ても裸眼でいられるのは、(視力検査の前だけだが)「マジック・アイ」という絵本を使って、「目から入る情報を脳内で象に作り上げる」トレーニングをしているからで、近眼でないとか目自体がよいわけではないと思っている。

「人間の脳は入力される情報の大部分を視覚優先で処理している」とANAの「ヒューマンエラー防止研修」でまざまざと見せつけられた。
「最後にちょっと簡単なテストに協力してください。私の言った通りにして答えてもらうだけです。
この研修を受けていただいて、エラー発生のメカニズムが少しは理解できたと思った方、右手を胸に当ててください」
私を含めて会場全員が講師がした通りに右手を胸にあて、ちょっとした拍手も起こった。
「ではヒューマンエラーを防ぐ効果のある取り組みを明日から行ってみようと思った方、右手を頭に持って行ってください」
全員ではないが、大半の人が右手を顎に持って行き、しばらくして大きなどよめきが起こった。そう、講師は自分の右手を「顎」に持って行ったのである。つまり我々は「明日から取り組む?」という問いに反応し、その回答方法は講師の動作につられてしまったのである。いかに「目」が大事ということか!

また先日、KICKPOP師匠のサイトに久々にお邪魔して記事を拝見したとき、思わず扇子で膝を打った。それは「脳も筋肉と一緒で「使った部分がどんどん鍛えられていく」ということだった。怒ってばかりいる人は脳の怒る部分が鍛えられ・・・いつも楽しいことを考えている人は脳の楽しみを感じる部分が鍛えられ・・・悲しみ、慈しみ、心配、リラックス、妬みや恨み、優しさなど、心の働きと関係する脳の部分があり「そればっか」していると当該部が鍛えられる(てしまう)ということなのだ。私は目の覚める思いだったが、1日6万回もの考え事をしていると言われる人の頭で、自分はどこを鍛えているのか考え込んでしまった。慈しみや優しさを持とうと鍛えたいところだが、そのような聖人君主ではない。かと言っていつも怒っているわけではないし、心配事は人並みにあるが妬んだり恨んだりしてばかりいるわけでもない。人間だからバランスよく鍛えるか、リラックスしてどこも鍛えずにぼーっとしているかでいいんじゃないかと思う。

確か仙台だっただろうか、新年度にあたってどんな仕事上の目標をもつか、挨拶もかねてお話し申し上げた時に、どこかの記事で見つけ印象に残っていた「脳」の特性を取り上げた。色々な角度から研究されているようだがその記事では「脳はインプットよりもアウトプットにより活性化する。」というものだった。ここで言うインプットとは学習すなわち「知識の習得や詰め込み」であり、アウトプットとは「形にして外部に表す」ということである。「失敗しても後フォローはしてあげるから、考えてばかりいないでどんどんアウトプット出そうぜ」などと熱血社員みたいに締めくくっていた。どこで見た記事なのか忘れてしまったがとある脳科学者の談話にあったもので、「未知のスワヒリ語を40単語記憶する」というものだ。

全問被験者グループを4つに分け、スワヒリ語の単語を40語学習して覚えたかどうか試験することを全問正解するまで繰り返す。
Aグループ:試験を行って間違いがあったら、再び40語全部を学習し、40語全部を試験する。
Bグループ:試験を行って間違いがあったら、間違った単語のみを学習し、40語全部試験する。
Cグループ:試験を行って間違いがあったら、40語全部学習し、間違った単語のみ試験する。
Dグループ:試験を行って間違いがあったら、間違った単語のも学習し、間違った単語のみ試験する。
誰が見てもわかるように、Aグループが一番真面目で、Dグループが一番手抜きである。ところが全問正解までに至る時間はどのグループもほぼ同じだったと言うのだ。ちなみに私が社会人になって様々なe‐ラーニングを行ったが、ほぼ全てがDグループのスタイルである。手抜きのように見えるが全問正解までの時間が同じようなものなら「効率はよい」とも言える。

ところがこの実験の主題はここからなのだ。数週間たって、再び同グループに40語の単語テストを行ったところ・・・Aグループの正解率は81%、Dグループの正解率は36%だった。これは何となく理解できる。入試勉強など長期間にわたるものに「一夜漬け」は効かないのは経験的に知っているから。問題は似たような手間暇をかけているBグループとCグループだ。何とBグループはAグループと同じ81%、CグループはDグループは36%だったのだ!「学習」は脳にとってみれば「入力」、「テスト」は脳にとってみれば「出力」、つまり脳は「出力」を基準にしてそのパフォーマンスが変化するというのである。詰め込むだけでは鍛えられず、「使ったもん勝ち」ということだ。進学塾などではやたら小テストが多いのはこの脳の特質を知ってか知らずか、かなり合理的なもののようだ。先程のKICK師匠の逸話にも通じるものがあるだろう。

そして私は「考えてばかりいる当該部位が鍛えられる」という師匠の説と「出力を基準にしてパフォーマンスを発揮する」という実験結果をつなぎ合わせ、画期的なことを思い付いた。これも6万個の考え事の一つなんだが、「よくないことはアウトプットしない」ということである。
怒った時や悲しみにくれた時はそういう顔をしたり言葉を発しない。後先の心配をあまりしない。誰かや何かを妬んだり、恨んだりする時もそんな気配をつゆと見せず・・・・逆に楽しいことは常に「あれやるべ、これやるべ」と騒ぎたてる。満員電車では年寄りに席をゆずり、海岸でゴミを見つけたら拾ってゴミ箱へ捨てる。リラックスした時は「あ~、極楽、極楽」と口に出す・・・なーんだ、良識ある人なら普段からそうじゃん。

人間の細胞は約60兆、組織などによるが大体数年で入れ替わると聞いている。あくまで細胞・分子レベルの話しだろうが、脳の細胞も新陳代謝しているということになる。そのサイクルは色々あろうが、先程の「・・・してばかりいる脳の部位」は新陳代謝が激しく、神経細胞の回路がより強固なものになっていく、と仮定すれば「鍛えられる」というのも説明できるのではないか。目を使って考えて脳を鍛える。。。私が最も得意(というか好きなだけ)とするトレーニング方法がごく身近にあった。「まちがいさがし」である。みなさん、10個発見できますか?
今度のもかなり手強いよ~。
(しかしこの取りとめもない記事を読み返すと私の脳はあまり鍛えられてはいないことがわかってしまう・・・)
  
    



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4 コメント

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Unknown (小夏)
2014-05-25 21:38:36
をーーーっと、またまた間違い探しが始まっているのですねー♪

「よくないことはアウトプットしない」、、最近の私は負のスパイラル!?不幸吸引体質なんて言っていてはいけませんね。どおりでお出かけはいつも雨なわけです。
真似っこさせていただいて楽しいことは常に騒ぎたてていこうと思います(^_-)-☆

↓のお集まりの記事、とっても楽しい気分になりました。
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Unknown (磯辺太郎)
2014-05-26 06:55:08
小夏さま

今回の間違い探しも、チト手強いですよ~。よく見たら写真では厳しい答えもありました。ぜひ実物で。。。
いいことをアウトプットするのもいいと思われます。幸が幸を呼ぶ、というのは何となくわかります。
ドラえもんには「よかんむし」という話があるんです。

ビーチバレー仲間との集いはホントに楽しかったです。
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Unknown (KICKPOP)
2014-06-07 12:33:39
師匠、「目」ですか!!!視力が過度に悪い私とブブなんですが・・・「マジックアイ」で今からでもちょっと視力アップが出来るでしょうか!?!?目を鍛えて脳も鍛える・・・目からウロコ、です!

アウトプット強化も頑張ります~。

PS:間違い探し、新聞の日曜版でいつも妹と競い合っていました(懐かしい~)。
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Unknown (磯辺太郎)
2014-06-07 15:47:19
KICKPOPさま

鍛えるのは視力ではなく、識別能力のようですよ。目を鍛えると脳も鍛えられる、ってなんか納得できますよね。
あることばかり考えているとその部位が鍛えられるという師匠の話、ホントに膝を打ちました。
マジック・アイにより、いわゆる眼球の変形による近視は直せませんが、脳が「画像を組み立てる能力」を鍛えられるので、視力はある程度アップできると思います。

師匠は今でもありあまる有り余るアウトプットがあると思いますが・・・さらに強化ですか~?!前向きだー。

PS。間違い探しでも目は鍛えられると思うんですよ。
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