超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

涼やかな爆走16キロ!

2014-02-01 06:04:51 | スポーツ・健康
構想2か月、練習期間1か月(って意外に準備してないな)。。。ついに湘南藤沢市民マラソンの日がやってきた。私がテンケー(10km)ランナーからテンエム(10mile)ランナーに進化する日である。普通だったら話題にもしないのだが、何せ10km以上走るのは生まれて初めてでしかも先人に聞くと「身体に何が起きるか分からぬ」領域だと言われビビりまくっていた。コースの下見や練習の様子など他人から見ればどうでもよいことをこのサイトに投稿し、「自分を鼓舞」してきたのだ。取りあえず同等の距離を走れることは確認し、当日近くになったら無理に練習せず、スポーツジムでもヨガとかピラティスと言った「伸びたり、バランスとったり」系に絞っていた。正月2日にあまりの暖かさに思い立ち、突然波乗りしたら変な腰痛が襲ってきて真っ青になったのに懲りここ数週間は大人しくしていたのである。

大会1週間前からは飲酒も控える予定だったが、息子甘辛が2泊3日のスキー合宿に出かけてしまい、ついつい妻と連続で飲み歩いてしまった。。。結局、最終調整に入ったのは2日前の金曜日、3度の消化のよい食事と軽い運動、スーパー銭湯でのリラクゼーションと十分な睡眠に努めた。前日は家に閉じ籠ってプラモデルなどを作成していたが、長時間座っていたので少し身体をほぐそうとジムにゴルフクラブを持って出かけた。ゴルフの打ちっぱなしなんぞは運動のうちに入らぬ。ストレッチと軽く動かす程度にするつもりだったのだが、たまたま30分くらいしてスタジオプログラムのアナウンスがあった。「間もなく9時45分よりAスタジオにおきまして『かんたんエアロ』を行います。」

土曜日のクラスは初めてだったが、45分くらい汗をかくくらいでいいかも、と時間ギリギリにスタジオ入りした。時間になるとやけに張り切ったスタイルのお姉さんが元気よく「皆さん、おはようございますっ!『ガンガンエアロ』を担当します●●です。よろしくお願いしまーすっ。このクラス初めての人いらっしゃいますかぁ・・・」私は乾くるみさん著の「イニシエーション・ラブ」を読み終えた時のように唖然としてしまった。もしかして聞き間違えた?「かんたん」ではなく「ガンガン」だったのである。しかも時間は60分!「かんたん」シリーズよりも速くて難しく休みがない・・・スタジオを出ていく勇気もなく、ひたすら省エネモードで小さく手足を振っていたらコーチがバーンッと目の前にやってきて「ハーイッ、カラダがあったまったら大きく動かしましょー」とダイナミックなハムストリングカールを始めた。。。結局ほぐすどころか十分過ぎるほど汗をかき、完全なオーバーロード気味に・・・ふくらはぎが若干張っているように思えたので慌ててスーパー銭湯にマッサージしに行く羽目となった。

        

当日は5時くらいからごそごそ起きだし、粘り強くノリノリにキミよく「はシラス」ために、納豆に卵とシラス干しを混ぜ込み海苔で丼一杯やっつけた。チャリで外出前にエナジードリンクを飲み、スタート直前用にパワフルゼリーを持参した。今回は走っている側からの風景をできるだけ撮影するため(さすがに超兵器は無理だったが)スマホを入れるホルダーを身体に巻き付けていた。元々着替えているから会場ではビニール袋を預けるだけだ。開会式が始まり、観光大使のつるの剛士さんは親子ランを走ると言っていた。神奈川県の黒岩知事やFM横浜のホズミン、DJハギーさんも10マイルに出場するようだ。会場近くは(たぶんものすごく)朝早くから係員やボランティアの人たちが準備に余念がない。

      

スタートの号砲が鳴り、いつものことだがすごい数のランナーが少しずつ前へ動いていく。ランナーの申告する自己タイム別にゾーンが設けられていて走ったことない私は後ろから2番目のEゾーン(タイムは1時間50分くらい)におり、友人はDゾーンに構えていたようだ。弁天橋に差し掛かるカーブまでは大群だったが少しずつ「ラン」になっていき、応援の和太鼓が鳴り響いていた。息子ほどではないが、私もイベントに関し、かなり高い確率で晴れる。この日も前は雨の予想だったが、見事晴れ渡った上にこの季節には珍しいほど暖かかった。

          

まず最初は人がたくさん過ぎて、完全なスローペースだからウォームアップを兼ねてタラタラと走る。3kmくらい走って早くも給水地点が見えてきた。水分が大事だと思い、一つコップを手に取った。周囲のランナーはポイポイ道に捨て去って行くがどうも悪い気がして、ビニール袋のところまで行って放り込んだのだが、実はただの水の先に「スポーツドリンク」コーナーがあったのだ。「それを早く言ってくんなきゃ・・・」もう一杯もらってやはりビニール袋に入れた。家族が走るのか沿道には名前入りプラカードがを持っている人がいたり、ランナーみんなに声援を送る人も多かった。

  

第一折り返し地点まで何事もなく通過。ここまできて6キロか。。。やっぱ、長えなー。疲れ方も想定内だ。少し人もばらけて余裕もできたので周囲を見回してみると、今年の干支だからか馬の被り物が多く見られた。中にはスーツを着て馬をかぶっている人もいた。「あまちゃん」の潮騒のメロディーズ(ちょっとこの二人はイタかった)、プリキュア、メイド軍団(男入り)。。。そうこうしているうちに10kmの看板が見えてきた。ここで一旦、身体と会話してみることにした。呼吸器系異常なし、背中、腹筋、腕や肩、心配された腰、何が起こるか分からないと脅された足まわり・・・特に異常なし。全然楽勝だ。ここまで馬群の中で何かのろのろとペースが上がらない気がしていたが、ぼちぼちエンジンかけるかー。

正しい走り方というのはよく知らないが、気を付けていたのは息子に教わったように、あまり上下動せずに「ハム」で走る。ということ。これは予想外に自分には効果があったようで、10km過ぎた時点で全くと言ってよいほど辛いところはなかった。大体が平坦なコースなのだが、水族館から川にかけては西に向かってだらだらと下るところがある。この日は結構西風があったから、下りは向かい風、上りは追い風、というナイスなコンディションである。二つ目以降、給水地点はスルーしていた。すごい人だかりでスポーツドリンクのテーブルなど待ち行列ができてしまっている。この大会は給水だけでなくコースの至るところに中高生のボランティアがいてくれて、声をかけてくれたり、コース案内をしてくれ本当にありがたかった。何千人も走ってくるのだから、コップを渡すだけでも大変だし、道に散らばった残骸を拾い集めるのもすごい人数が必要なのだ。その中に時々小さなテーブルにコップを2つ3つ乗せて立っている子供がいる。

どうやらランナーに飲ませようとしているようなのだが、誰か特定の人(家族とか)のためのものかもしれないし、手を出す人はいなかった。途中「竜宮橋入り口信号」に3回目の折り返し点があり、江ノ島入り口交差点の第二折り返し点を目指す我々と先を行くランナーが合流する。半周近く速く先を行く人はやはりスピードもスタイルも全然違うものだ。中には目を血走らせて時計とにらめっこしながら走る人もおり、邪魔にならないように歩道側の隅にコースをとった。そうこうしているうちに第二折り返し点江ノ島入り口が見えてきた。暖かくなってきてそこそこ汗も出てきたが、ここで身体の声を聞くもやはり特に異常なし。残りは4km、高校時代の駅伝コース1周分だ。「TKB48」という赤いTシャツを来ているランナーを何人も見掛けた。T(とみた)K(きょうこ)B(爆走)48(歳)・・・φテンネックレスのPRらしい。(うーむ、オレも自分用のシャツ作ればよかった)

  

もしかしてもっと全然イケる?残り4分の1、もう距離感は知れてるし思い切ってスピードアップするか?!しかし江ノ島入り口を折り返し同じコースを西に向かい始めたあたりで、歩きだすランナーや沿道にうずくまったり、救護員が心配そうに声をかけているランナーが増えてきた。。。やはり一定以上の距離を過ぎると何が起こるか予想できぬのか?ここまで来て何かアクシデントが発生し棄権すると必ず仲間にオムワンバ選手のような悲劇となるだろな。新江ノ島水族館前でちょっと迷いが生じてきたところ、沿道に小さなお嬢さんが両手で浅目の箱を抱えていた。遠目にも手書きで「みなさん、たべてください」という字が見える。スピードダウンして中を見ると小さな飴玉だった。私は近寄って行ってフルーツ味の小さな飴を取りだし、鳩サブレの黄色い手袋でポンと頭を撫でて「ありがとう」と笑いかけ、スピードを5割増しにしたのだった。1時間以上走ってきてるのでさすがにかなりバテて身体的も不安だが、KICK師匠のように「顔は涼やかに、見えないところは必死こく・・・」

最後の折り返し点の手前数百メートルの我々の散歩コースになっている川の河口付近で初めて知っているに感激の声援をかけてもらった。終了後打上げで合流する予定の「つぶやきさん」母子である。これで波動エネルギー充填120%!「水面下の辛さ」が顔に出初めていた私も迷わずさらにスピードをその時可能な最高スピードに上げた。あっと言う間に「Eggs’n Things」まで舞い戻り、風のように弁天橋を走り渡って一気にゴールした。何か興奮してきて(これがランナーズハイというヤツか?!)ゴールの瞬間に写真を撮ろうと思っていたのにスマホを取りだすことすら忘れていた。。。この調子ならあと5kmくらいなら軽くイケルなー。ゴールの先にはボランティアの中高生が行列で待ち構えていて「ギブミ―ファイブ」ランである。

終わってみれば素晴らしい時間だった。たくさんのボランティアのお手伝い、沿道の人々の声援、飴玉を差し出してくれたお嬢ちゃんにパワーをもらった。走った者しか分からぬだろうが、ホントに身体が元気になっていくような気がするから不思議なのだ。普段運動不足気味の知人はまず背中が痛くなり、その後腹筋が痛くなって苦戦しながらも走りきったそうだ。ジムで過激なプログラムの代わりに地味な体幹を鍛えるワークスばかりしていたのが功を奏したようだ。今年の始まり「普通はやらなかったこと」としては実にいいスタートをきれた。今年はいつもよりも参加レースを増やすことにしよう。そしてR134号を同様に駆け抜ける11月の湘南国際マラソンのハーフコースを標的に準備を進めることにしよう。

 


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