超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

鎌倉で新たな趣味を

2016-11-13 19:00:17 | ホビー
久里浜を訪れた時に書いたように我が家から「鎌倉」という土地は近いようで遠い。確かに距離はわずかなのだが、自家用車で行くと初めから終わりまでほぼ渋滞でしかも駐車場がすぐに見つからない。かと言って最寄り駅から電車で行こうとするとかなりな「大回り」になり面倒くさい。天気が良ければサイクリングがてらチャリで海岸を疾走というのもありなんだが、歩道が狭く渋滞の横をすり抜けるのが意外に煩わしい。特に海岸は風が強いことがしばしばあるので、往復のどちらかがえらく往生することもあるし、そもそも鎌倉の街中はいつ行っても人が多すぎて自転車など邪魔でしょうがない。よってよほど陽気がよく、目的がはっきりしていないと足が向かず、いいとこ年に数度というところである。涼しい季節が一気に去り、晴れているがもひはや海上は北風に耐え難くなってきた週末、以前から予定はいていたのだが、久々に妻と鎌倉を訪れることとなった。

天気が良かったから江ノ島までチャリで行って洲鼻通り経由で江ノ電江ノ島駅から鎌倉に向かうことにしたのだ。海岸サイクリングと江ノ電途中下車の旅、鎌倉街歩きができる。今回の彼女の目当ては「何とか言う有名な薬膳?カレー店でランチ」「パワースポット杉本寺詣り」「鳩サブレ(豊島屋)本店でしか買えないお友達用の土産」というところのようだ。そして私のほうはというとズバリ「御朱印帳」である。「北の国」訪問の際、意見交換会で趣味の話題になった時、「御朱印集めが趣味」という苫小牧の揚げ物屋を推してくれた女史がいたことは既に書いた。実はその時からずーっと気になっていたのである。私はそれほど神社仏閣を回って歩くほど好きではないし造詣もないが、仕事や旅行であちこち出かけると近くにあるパワースポットなどには大抵足を運ぶ。これまでは何かと妻や息子甘辛向けに御守りなどを買って帰ってきたのだが、やたらに増えてしまい家の中に溢れかえっている。

また運転を止めて行動範囲がめっきり小さくなった老母を連れだってのお出掛けはあまりアクティブなことができない(その割にはよく歩かせるが)だけに花や神社仏閣、景色を見て回ることが多い。振り返ると伊豆や房総、相模の国の宮などかなりな神社仏閣を巡ってきた。御朱印帳にすれば記念にもなるし集めて回るというのは中々よい趣味と思う。「なぜ今まで気が付かなかったのか?」とも思えるくらいである。苫小牧のK女史は「鎌倉は2度訪れたが2度とも御朱印帳を忘れてしまった」と残念そうに言っていたから、次に「北の国」を訪れる時までに自分が始めるきっかけとして、試しに何かお土産にしてやろうかとも考えた。しかしそもそも御朱印は寺では写経を納めた証に頂くものだったそうだが、参拝の証には違いないので、スタンプラリーのように代わりに行ってもらってきたあげるというのはNGのようだった。

まずは御朱印を書いてもらう御朱印帳を手に入れなければならない。これは神社仏閣にもあるし、街中のお店でも販売している。鎌倉と言えば最も有名なのは鶴岡八幡宮だが、全国的にはもっと有名で格式高そうなところもあるし、何かありきたりな気がしていた。今は「御朱印ガール」という言葉があるほど御朱印集めは流行っているようで、頂ける社務所窓口には結構長い行列ができていた。私は色々考えて、御朱印は妻と合わせて一冊とし、それぞれが出先でもらえる機会がある時に持って行くことにした。そしてそれから訪れる鎌倉最古の「杉本寺」で御朱印帳を求めることにしたのである。しばしば我が家に救いと発見をもたらしてくれたヒーリングの先生のお薦めで「新しいことを始める時に詣でるとよい」と言われた御縁があり、妻にとってはそれ以来訪れると御加護を感じているようで記念すべき我が家の台帳とし御朱印第一号として相応しいような気がしたのだ。

午前中出発して江ノ島まではチャリで20分程度、片瀬江ノ島駅の駐輪場に置いて洲鼻通りを歩き江ノ電江ノ島駅まではぶらぶら歩くと15分くらいである。時間的には江ノ島駅で降りて弁天橋方面に向かう観光客が圧倒的に多いので、少し苦笑しながら流れに逆行して歩くようだった。江ノ電はTUBEに「夏だけやけに混む」と歌われたのは昔の話で、今はいつ乗っても混んでいる。。。鎌倉までは約20分余り、路面電車になったり海辺を134号と並走したり、窓から手を伸ばすと民家の洗濯物に手が届きそうな住宅地すれすれだったり、中々面白いコースである。鎌倉駅の車止めにあった「かえる」は結構有名で、季節によって模様替えしているそうだ。ちょうど昼御飯の時間だったのでお目当ての「オクシモロン」というカレー店に向かった。「珊瑚礁」や「キャラウェイ」とは違う雰囲気で独特なパクチーやオオバなどをふんだんに使用する薬膳風のカレーで、雑貨や焼き菓子も販売しているようだった。

  

小町通りを過ぎるとまずは鶴岡八幡宮参拝である。ちょうど神前結婚式を執り行うところで、本宮下の「舞殿」で多くの参拝客に取り巻かれていた。外国人観光客には絶好の記念シーンだったようで周囲の人たちからも祝福の掛け声が飛び中々よいものである。台風で折れてしまったという「大銀杏」はちょろちょろだったヒコバエが何と2メートル近くにも成長し、親の大木が見守っているような姿だった。我々はお参りを済ませ、「流鏑馬」の時に馬が駆け抜けるコースを歩いて杉本寺に向かった。正面の苔むした味わいのある石段は以前上れたのだが今は(安全上の問題からか)閉鎖されてしまっている。茅葺屋根の本堂には左回りに多くの十一面観音があり、奥の秘仏本尊は国宝級(重要文化財)で同様の像がある国宝殿では普段拝観できないレベルのものだという。3体ならんだ一番奥で手を合わせると妻は不思議と身体が楽になり霊験あらたかだという。ここで御朱印帳を購入し記念すべき第一号御朱印を書いてもらった。

        

            

鎌倉はいわば御朱印の宝庫だから、ロッテ時代の落合選手のようにシーズン終わり頃に固め打ちして三冠王というわけではないが、一つだけだはさすがに寂しいのでせっかくだから帰り路にいくつか寄っていくことにした。最初に立ち寄ったのは荏柄神社である。あまり聞いたことがなかったのだが、福岡市の太宰府天満宮、京都市の北野天満宮とともに日本三天神に数えられる神社だそうだ。2回の受験を経験した息子甘辛だったが、「私利のために祈念しない」主義の私は合格祈願といったことをしたことがなく、湯島や北野天満宮では「勉強せいよ」という意味を込めて鉛筆を購入して帰った。神頼みはしてないが、結果は出してくれたので少し遅れて「お礼詣り」をするつもりだった。妻はお友達家族で来年受験を迎える甘辛の幼馴染でもあるお子さんのために絵馬を書いていた。「(ま、「私利ではないからな・・・)」見るとたくさんの絵馬が掛けられており、社務所ではたくさんの種類の合格守や鉢巻があった。受験当日早朝祈祷というのがあるのには驚いた。

  

荏柄神社を後にして足を向けたのがちょっとマイナーだが「鎌倉宮」である。以前徳光さんらがバスで鎌倉湘南を旅していた番組で紹介され、行ってみたいと思っていた。建武中興の功のあった護良親王(大塔宮)を祀ったもので、宮の御意思に熱い思慕のあった明治天皇が建立したものだそうだ。鎌倉幕府を倒したまでは良かったが、足利幕府勃興にまつわる暗い事件の中で確か護良親王はかなり悲惨な最期を遂げる。そのせいかどうか分からぬが鎌倉宮には「身を守る」とか「身代わり」「厄払い」のような事柄が多い。自分や他人の悪いところを治すための撫で身代わり様、厄払いを念じて息を吹きかけ杯を投げつけて割る「厄割り石」。ここでは顎鬚のサーファっぽい係の男性に御朱印を書いてもらった。

        

陽は落ちかけ、少し急いで鶴岡八幡宮に戻ったが、御朱印所には前よりも多くの人たちが列を作っていたので今回は諦めた。若宮大路で何軒か面白そうな店を物色し鳩サブレの豊島屋でお土産を探す頃にはかなり薄暗くなっていた。乗り降り自由の切符を買っていたのだが残念ながら今回はそのまま江ノ島に戻ることにしたのである。風が強まっていたが「夕焼け見ながらビールでも飲むか」とコンビニで飲み物とつまみを買い込みいよいよ沈もうとしている相模湾を眺めた。江ノ島の上には三日月と宵の明星があり西には富士山が聳えている。我が家に七里ガ浜や鎌高あたりから江ノ島と江ノ電を書いた絵があり、今回チャンスがあれば途中下車してその場所から写真を撮ってみたかったのだが、こういう夕方もかなり絵になると思ったのだった。

      

今回の鎌倉歩きで私の趣味に新たに「御朱印」という新たなジャンルが登場した。母にこの話をすると想定通りすぐに「なるほどねえ」とノッてきた。「我が家の御縁は寒川だからまずは相模一宮から順番に集めよう」翌週、早速寒川神社に行って母が購入した御朱印帳はかなり格調高く内心「こっちの方が良かったかな」と思ったものだ。私のサーフィンシーズンもそろそろ店じまいを迎える時期となり、これからはしばらく相模の宮を巡ることになろう。仕事の合間に近い予定では駿河国もそして王城鎮護の地もゲリラで走りたいと思う。このサイトでの「お出掛けジャンル」には頻繁に登場することになるだろう。結構いいものだから興味のある人にはお薦めしたい。

  


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2 コメント

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Unknown (磯辺太郎)
2016-11-20 06:54:18
小夏様

我が家からだと、ホントにいつ行っても渋滞・・・しかも抜け道もないので「近くて遠い」んですよねえ。
御朱印帳、北の国の女史が趣味にしていると聞き、老母と寺社を訪れることの多い我々も始めようと思いつきました。なんと、師匠も杉本寺をGET?!初めて訪れた時は我々も1回きりきりバージョンを頂きましたよ。

八幡宮のひこばえ、一時は「もうダメ?!」と言われていたのに皆の願いが届いたんでしょうかね。元の大きさになるには何千年かかるやら・・・でも良かった~。
顎鬚のサーファーは筆を鉛筆のように寝かして書いてました・・・・まあ、その場で書いてくれましたから、紙に書いてあるのを「売ってる」ヤツよりはマシですね。

富士山も雪を被って遠目にも美しいですねえ。結構距離はあるんでしょうが、海越しというのは中々いいもんだと思います。先日、京都を訪れた時はむろんE席を取ったのに曇ってその姿を拝めませんでした。。。
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Unknown (小夏)
2016-11-19 16:38:46
師匠、こんばんは!
始めから終わりまで渋滞って、、うむうむ、聞いてはいたけど体験してみて頑固さにかなりマイッタ思い出があります!なるほど、回避している間に近くて遠いところになってしまうのですねぇ。

御朱印帳、なんとはじめられたのですねー!
じ、じ、じつは、私、師匠に教わってまいりました杉山寺で初めて御朱印をいただいたのですよ。(と言っても一回きりバージョン)今もPCの右上に印が鎮座されております(いま眼が合いました 笑)そんなご縁もまた嬉しいなぁ~
あの時、女性(オクリさん?)が書いてくださるのをじ~~~と見ていたとき、筆のリズムがとっても心地よかったのを今でも鮮明に覚えています♪

ひこばえが大きくなっていましたか!?やはり、地元ならではの目線でいらっしゃいますww
他所での顎髭のーサーファーの男性って、、それもまた面白いですね~^^

最後の富士山の記載が頭に残ったせいでしょうか、久しぶりに東に車を走らせてまいりました!道中、ナビで富士山からの距離など見ておりましたら、やはり思った以上に師匠エリアからは近く、つくづく「なんて良いところなの」と思いました~^^
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