超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

季節外れの花火の1日

2012-10-15 22:39:50 | 出来事
ようやく灼熱の夏も終わり、どこに出掛けるにも迷うような秋晴れの1日だった。こういう日に限って色々なイベントが重なっていた。横浜大桟橋では海上自衛隊の護衛艦が公開されていたし、鉄道開業140周年を記念してJRのあちこちの駅で様々なイベントが催されていた。ちなみに横浜駅は駅弁フェスタ?!だったかな。赤レンガ倉庫の「オクトーバーフェスト」も今週末までだ。私は先週末、海外プチ旅行で行けなかったからいつもの通り朝から竜泉寺へ母を連れて行った。台風接近の影響か素晴らしい波が来ているようだ。色々野暮用をやっているうちに昼近くになってしまったから、結局妻と久し振りに海辺をウォーキングすることにした。確かその晩に季節外れの「江ノ島花火大会」が予定されていると妻が言っていた。

今まで暑くて暑くてとても外を散歩する気になどならなかったからかなり久々のウォーキングだ。いつもの川沿いを海岸に向かって歩いた。富士山は初冠雪が見られたと聞くがまだまだ白い頭にはなっていない。陽気もいいし川岸では何人もの人が釣り糸を垂れていたので覗いてみたらすごくでかいワタリガニが入っていた。「ボクも小さいヤツ釣ったことあるけど、こんなデカいのもこの川にいるんですねえ」「いやー、これは江ノ島で釣ってきたんだよ。花火大会だから釣り場から追い出されちゃったんだよねー」昨年はうな吉をはじめ様々な魚を釣った家の前の川だが、今年はどういうわけかさっぱり釣れない・・・ウナギの稚魚など全く獲れなかったという・・・

中途半端に台風が接近しててオフショアの風だから実にいい感じの波が立っている。「あとで来るかなー」と考えながら歩いていたら「こんにちはー」と声をかける人がいた。何と北関東のオフィスで同僚となった八兵衛の後任、「ジローくん」である。そう言えば「ビーチバレーしに行くかも・・・」と言ってたな。。。私よりも結構年下なのだが、若いというわけでもない割には先日のフットサルでもかなりの活躍を見せた。月に一度はガチンコの試合を組んでいるという。その上にビーチバレーの仲間がいるのか・・・見た目よりも中々手広く仕掛けているようだな。「ホントにここまで歩いて来れるんですか?」いかにもぷらぷら歩いてきた我々に向かって驚いていた。さすがにメンバーは東京近辺のようだが、同じ会社の隣県の人もやってきた。ビーチバレーもビーチサッカーもよくやりに来たが、最近は硬式テニスのボレー合戦みたいなビーチテニスもやっており、ぜひチャレンジしてみたいところだ。

運動にならぬので、一旦お別れしてイル・キャンティビーチまで歩いた。正面のテラスや海岸エリアは14時以降、花火大会協賛社向けの席で立ち入り禁止となっている。駐車場は全面的に屋台コーナーになっており、ご当地グルメやどこにでも店を出す「佐世保バーガー」など色々あったが残念ながらまだ開店していなかった。弁天橋付近まで歩くと、いつも水上バイクのスタート地点となっている橋のたもとが桟敷席と思われるエリアになっており、たくさんの椅子が並んでいた。あのエリアから花火を眺めたらかなりの迫力だろな。134号線の向かいは、いつ前を通っても長い行列ができている「エッグスンシングス」というパンケーキの店という。ホノルルにある卵料理の専門店らしいぞ。メニューだけ見ると2階の店の方が美味そうに見えるんだがな。
  
      

帰り道の元町ユニオンでいつもの通り缶ビールと焼き立てのパンを買い込み、サーフビレッジまで戻って「ジローくん」達のビーチバレーを眺めながら一杯やっていた。上空はいつもより多くのトンビが旋回している。すぐ近くのビーチ側で(ホントは禁止なはずなんだけど)いかにもな「イマイチ」グループがバーベキューを始めており、これを狙って集合してきたのである。トンビの急襲を避けることなど造作もない我々は周りの心配をよそにむしゃむしゃ惣菜フランスパンを食いながら、むしろ妻がオトリとなって私は超兵器203号を構え、急降下しようとするトンビをとらえていた。結構速い動きなんだが、だいぶ上手く追尾できるようになったぞ。

        

午後になってもいい感じの波が続いていたので一旦帰宅し、ウェットスーツを着込んでサーフビレッジ前の海に出動した。だいぶ崩れてきていたが、沖の方まで行くとなんとか数本綺麗に乗ることができた。後がスープ上の波でテイクオフの練習だ。流れが西に向かっていたのでかなり江ノ島側にいたのだが、ちょうどビーチバレーコートあたりまで流されてきた。1時間ほど入って結構体力を使い果たし、陸地の方を見ると「ジローくん」達は別のゲストに対抗試合を挑まれたらしく、懸命にボールを追いかけている。そろそろ時間だから一声かけて帰ろうと岸辺に上がってきた。ウェットスーツに結構年季の入ったロングボードを抱える私を見て「ジローくん」は「ホントになさってるとは知りませんでした・・・」驚いた様子だった。(コイツ、信じてなかったな。ホントに乗ってみせなければまだ疑い続けるかもしれないな・・・)

帰宅して近所の西友で酒とつまみを再び買い込み、水筒にお気に入りのグレープフルーツ割を作った。妻によると花火大会は18時から開催らしい。秋の開催は日が短いので開始が早く打ち上げ時間も45分と短い。大震災後、一旦中止になったが、そもそも内容は正直ショボイのに大勢の観客が訪れ、夏の風物詩となっていた江ノ島花火大会が季節外れの開催となるまでは「花火大会のあり方検討委員会」で色々と議論があったらしい。青少年の非行、防犯防止の観点や事故の危険性、なども言及され「落ち着いた雰囲気で花火を楽しめる」この時期になったらしい。よく考えたものだと思う。位置づけ的には観光地で特に夏場は何もしなくても人が集まるのだから、一段落ついて人の動きも落ち着いた季節の方がよい。熱海海上花火大会の経験で「冬の花火」が大好きな私は秋のこの季節の開催は大賛成だ。

その昔、この花火大会は小さいながら社宅のベランダから眺めることができた。江ノ島の上が明るくなってドンドンと音が始まると、一番海側に面していた我が家での棟は全室真っ暗になってベランダで眺めていた。上の階のベランダの手すりからぶらぶら動く子供の足が見えたものだ。その後引っ越し、ホントに海の近くになると海岸まで歩いて見るようになった。社宅のお友達家族グループで花火を楽しみ、2次会は我が家で、というコースだった。子供も少し大きくなり中々集まれなくなると、妻と散歩がてら川の河口付近で眺めるようになった。ここ数年は仕事で見に行けなかったから結構久々の見物である。今年はその日3回目となるサーフビレッジで見物することにした。

    

夏よりも空気が澄んでいるから音も響くし花火も鮮やかに見える。江ノ島花火というとショボイイメージが強かったのだが、今年は今まで見た中で最も素晴らしいモノであった。途中から明かりを消したようだが、新江ノ島灯台のライトに薄く江ノ島のシルエットが映り、海岸線の明かりが弧を描いて、色とりどりの尺玉花火のさく裂が海面に反射する。海岸では三脚でカメラを構える人が多かったが、あの光景を記録できるのならわかるような気がする。私も超兵器を携えていたが、いつもながら花火というのはうまく撮れないものだ。しかし花火そのものが夏の茅ヶ崎大会に比べてはるかに近いし、海面で反射する明るさも手伝って、中にはそれらしく見られるものもあった。

      

途中、高度のない所で大きな花火が次々に炸裂し、もしや暴発?!とも心配したがどうやら演出だったようだ。(翌日のニュースで「無事終了」と書いてあったから)たくさんの人が見事な映像をアップしてると思うが、ホントに素晴らしいフィナーレだった。「ジローくん」達も見物していたらしいが、終了後しか会えなかったのが残念だ。帰ってから晩御飯作るのも面倒だからと、駅前のちょっとした洋風居酒屋に席をリザーブしておいた。可哀想に塾の時間と重なって花火を見物できなかった息子甘辛とはその店で合流だ。我々の方が早く着いて待っていてやるつもりだったのだが、思わぬ人の波で中々店に辿りつけなかった。

      

ほぼ約束の時間通りだったのだが、のれんを分けて店に入ると三席ならんだカウンターの真ん中に甘辛が一人座り、ビールジョッキの水と馬刺し、キュウリの一夜漬けを食べていた。中学生の癖に居酒屋で一人このメニューを注文するとは恐ろしく渋いヤツだ・・・花火とは別の話しをしたが、彼にも読ませた「赤毛のアン」の感想は中々興味深かった。(その話題はまた今度)
夏休みにも小規模の花火大会はあったのだが、名物ともなっている本家花火大会をここまでイレギュラーな季節にしかもナイス(死語?)な形で開催するとは、主催者と検討委員会には拍手を送りたい。これほど素晴らしいものならば来年は平日だったら、半日休暇をとって見物に来る価値はあるだろう。