超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

南の島のウォーターパーク(ターザ編)

2012-10-11 21:48:36 | 旅行お出かけ
10月の連休に休暇を足してもらって、家族でグアム島にプチ旅行した。この時期に出掛けるのはこれまで無かったのだが、息子甘辛の中学サッカーも一段落し学校の秋休み(そんなの昔あったっけ?)もあいまって実現したものである。夏休みの済州島プチ旅行の終盤、甘辛の「名所もいいけどやっぱり何かアクティビティやりてえなー」という一言で妻が「南の島モード」になってしまい、虎視眈々?と機会を狙っていたらしい。9月の中頃になって「こんな凄いツアーが取れてしまったのだが。。。」というメールが妻から届いた。前回の済州島はお盆期間、今回は秋口の連休期間とツアー代金的には最も高い時のはずなのだが、最近の彼女のツアーオーガナイズは神懸り的なところがあって、信じられない格安お得ツアーを構成する。私は仕事を終えて成田に急行し、自家用車で来た妻達と合流して夜出発、連休翌日休暇をもらって朝到着、という4泊5日のゲリラ旅行だった。

今回のテーマはずばり「ウォーターパーク」だ。グアム島は5回目くらいになるが、前回訪れたのは約2年半前の2月末、これもゲリラ的にPIC(パシフィック・アイランド・クラブ)で遊んで以来だ。宿泊はヒルトンだが、1日目中心部にあるウォーターパーク「ターザ」、2日目は位置的には反対側にある「OWR(オンワード・ウォーター・リゾート)」を予定していた。どちらも前売りチケットから送迎バスまで全て妻が手配していた。食事やショッピングなど二の次、どちらも「これでもか!」というほどアクティビティ満載のテーマパークである。体力の限界に挑戦と言ってもよい計画だった。

  

「ターザ」は繁華街から少し山側に上ったところにあり、敷地は少し狭いながら数々の日本にないアトラクションがある。雨季ということもあり天気は曇りがちだったが、11本のスライダーを初めとして多彩なアトラクションがある。入り口から正面に2本見える急角度のウォータースライダーは急な方が高さ20m、最高角度45度・・・恐怖からかあまり人の列はできていなかったが、たまに誰かが滑り落ちるとものすごい水しぶきに周りの人が集まってきた。
我々はまずはリハビリも兼ねて流れるプールを1周だ。やしの木やバナナの木が生い茂るジャングル風の園内をぐるっと回ると繁華街ど真ん中のロケーションということもあり、ほどよい広さというのがわかる。

        

次に試したのはウォータースライダーで生身で滑るコースと浮き輪で滑るコースが2本ずつある。まずノーマルに生身で滑る外がオープンな方に甘辛を筆頭に次々に繰り出した。私も最後に勢いをつけて滑り込んだが、ラッシュガードの摩擦が邪魔したのか途中で何度か停まってしまった。。。次に生身にチューブ式のコースを試したら、こちらは水流が多かったのか中々のスピードでゴールに突入できた。PICの「マットを使用する」ウォータースライダーであらゆる姿勢で「死ぬほど」滑ってきた我々にとっては割りと物足りなく、「まあ・・・こんなもんかね」などと言い合っていた。次に浮き輪を使って大きなチューブに突入する「ブラックホール」と名の付いたコースに入ると、一番手の甘辛がスタートしてしばらくして真っ暗なチューブ内で「ホッホーっ」という歓声があがり、次に妻が突入すると「ギャーっ」という悲鳴が聞こえた。最後の私が滑り出すと真っ暗なコース内にところどころ星のような光が見える演出がされている。へえーっと感心していたら、突如「ドワンっ!」と急降下&急転回で猛スピードに加速した。

    

急に暗いトンネルに入ったから目が慣れるまではところどころにキラキラ光る星しか見えないのである。そこへ急降下急加速だからかなりビビッた。なるほど先に行った二人が上げた歓声(悲鳴)はここか・・・水流が多いのでその後も加速を続け、右に左に転回しながらかなりの速度になった。なーるほど、これはよくできている。何回かこの「ブラックホール」を堪能した。横にある大きなウォータースライダーは主に二人用浮き輪で滑り落ちるタイプで、こちらも右に左にかなりのスピードになり、重さがあるから中々の迫力となった。実は結構重さのある浮き輪を持ってスタート台まで上らなければならないのだが、途中にある「マスターブラスター」というコースに乗ると、水流で浮き輪に乗ったまま押し上げてくれるのである。「上るウォータースライダー」は初めて経験した。

     

次はいよいよ45度の急降下スライダーである。日本にももっとすごいのがあると聞くがいざてっぺんに上るとかなりの迫力だ。初めてと知ると係員はいつもの姿勢(足先をクロスし、両手も胸の前でクロスした「落下姿勢」)をして見せた。恐怖に打ち勝てなかった妻は脱落して下からの撮影班となった。まず甘辛からトライしたのを見ていたところ、スタート地点から数メートルは傾斜の緩やかな「助走遅滞」でそれほどスピードは出ない。その後「うぉぉぉーっ」という声とともに姿が見えなくなり、やがてはるか下に大きなしぶきが見えた。まあ・・・絶叫型のスライダーはほとんど経験がないが、時間にして大したことはなく、甘辛が手を振っているので、私も「エイやっ」と滑りだした。ところがここでも長袖のラッシュガードが災いした・・・なんと落下直前で停止してしまったのである。まさかあと一歩で停まるなんて思っていないからパニックになり、手足をばたばたさせて前へ進みわざわざ自分から奈落の底に「どわーっ」落ちる羽目となった。落下そのものよりもその直前で停止してしまう方がよっぽど恐ろしかった。

    

開園時間が午前10時から午後4時までと、意外に短くスケールもそれほど大きくないどちらかと言えば「小さな子供でも楽しめる」ウォーターワールドだが、ここには他にはサイパンのPICにしかない我々の決して外さないアトラクションがある。ボディボードを使って幅数メートルの「Vの字スロープ」の上から人工的に作られた高速水流の波に乗る「フロースライダー」である。実は大磯ロングビーチにも小さいながらこれに似たアトラクションがある。V字スロープの右上端の突入点から反対側のてっぺんにある幅数メートルの水流発出口に向けてボディボードごと飛び込む。一旦最下点を通過して発出口付近まで勢いで向かうが、水流と重力によって勢いよく押し戻される。この時に重心移動によって水流の抵抗をコントロールできないとそのまま後ろの反対側Vの字スロープを越えて吹き飛ばされてしまう。子供から大人まで様々なゲストがトライしていたが、皆あえなく後ろへ飛ばされるか横へコースアウトしてしまっていた。

そこへ我が父子の登場である。実は5年近く前までは毎年のように夏休みはサイパンのPICを訪れ、30以上もあるアクティビティのうち、ターザのフロースライダーより少し大きい「ポイントブレイク」を飽くことなく続けてきた我々である。最初はさすがに初心者同様で少し狭いコースや水流の強さと抵抗が分からず二人とも撃沈。。。。しかし2回目にして私はすぐにかつての身体さばきを思い出し、最下点から少し後ろに上ったポイントでピタリと静止してみせたら、並んでいたゲストからは「おおーっ」という歓声が上がった。右に左に揺らしてコース取りを確かめ結構長い時間滑って静かにコースアウトした。この時点で私は「イケる」と確信し、妻にカメラで撮影するように頼んだ。次回の必殺技を写真に収めてもらうためだ。次の私の番が来ると、順番待ちの列も流れるプールから眺めているギャラリーもかなりの数になった。

ゲストの何人かは何度も失敗しているうちに、腹ばいで停止できるようになった人がいて、ビキニ姿のお仲間からも喝采を浴びていた。ふ、ふ、ふふふ。キミたち見ていなさいよ。。。
係員に足を押してもらわずに自力で壁を蹴ってスロープに突入した。颯爽と波に乗るはずだったのだが、カッコつけ過ぎて勢い余り、水流噴射口直前まで上り詰めた後反動で反対側のV字スロープの頂上付近まで押し戻されてしまい、慌てふためいて背と足をばたつかせて耐えていると軌道が横にそれコースアウト寸前となってしまった。掟破りなのだが、コース際の壁を左足で小夏師匠ばりに「とうっ」とキックしあたふたしながらようやく中心線付近に静止した。「ふぅーっ」と場内からはため息が出ていたようだった。「やべえ、やべえ、油断するといかんなー。今のナシね」(口に出したが誰にも聞こえるわけもなし)

  

次の瞬間、私は華麗にも「膝立ち」してみせたのである。これには場内から一際大きな「おおーっ」という歓声が上がった。そしてカメラを構える妻に向かって高島忠夫さんばりの「いぇーい」ポーズで決めた。実はここまではPICのポイントブレイクでマスターしていたのである。重心を後ろ目にとって、左右の膝でバランスをとれば意外に簡単にできちゃうのだ。最後に片足立膝スタイルでの回転に挑戦したが、もうちょっとのところで残念ながらクラッシュ。。。スロープの向こう側に弾き飛ばされてしまったが、ギャラリーからは「Oh,Japanese, nice ride!」の拍手が聞こえた。
実はPICでこの技を完成させたのは当時10歳の息子甘辛の方がはるかに早かったのだが、不思議なことにどうも彼は苦戦していた。腹ばいスタイルで静止まで中々いけないのである。これまで15年の人生のうち5年のブランクは中々に大きかったのだろうか?

    

午前中は全くの素人ばかりだったのだが、午後からは地元の玄人ばりの猛者が顔を出し始め、膝立ちなど珍しくもなくなり、片膝スタイルで右に左に優雅にすべったりブレイクダンスのように何回点もしてみせる技が続出した。その中で甘辛は何度も一発で飛ばされながらも少しずつ勘を取り戻し、星一徹ばりにうるさい私のコーチングも成果を出したのか最後はようやく以前軽くこなしていたレベルに達したようだ。実は普段使わない筋肉をさんざん酷使したため、その晩は寝られないほどの筋肉痛に悩まされることになるが、「初めての運動を見よう見まねでそこそこマスターするのだけは早い」私の特性を久々に発揮したところであった。

「ターザ」は3年前の夏休みの旅行計画に組み入れてあったのだが、小学最後のサッカー招待杯が入ってしまった甘辛のせいで、わずか1日で無念のキャンセル(痛恨のキャンセル料●万円)となった。前日(正しくは当日未明)に島に到着して疲れの残るところで丸1日楽しめるちょうどよい規模のウォーターパークだが、逆に言えば1日で十分なところでもあった。少し歩いたところが繁華街で昼飯もろくに食わずに遊んでいた我々はTFIフライデーで早めのディナーをとり、ABCストアで山のように部屋でとるビールや食料を買い込んだ後、DFSギャラリアの周遊バスでホテルに戻ったのであった。(つづく)