南の島のウォーターパーク、2日目は「オンワード・ビーチ・リゾート(OBR)」である。何も1日毎に違うところに行かなくてもよいのに、回遊魚系の我が家はよくこういう計画を立てる。「ターザ」と異なりここを訪れるのは実は2度目になる。5年くらい前だっただろうか、JALがサイパン便を終了してしまいいつものPICが取れなかった時だ。タモン繁華街からは一番離れたところにあり、当時は隣りのシェラトンホテルに宿泊した。歩くと15分くらいあるのだが、丁度中間点にローカルの24時間営業スーパーがあり、バドワイザーを1缶1ドルくらいで部屋に仕入れてきた。「ターザ」に比べると海に面しているからビーチアクティビティもでき、より多彩な遊びを堪能できる。
入場時はあいにくの小雨で少し肌寒かったが次第に暑くなってきた。まずは前日同様、準備運動がてら流れるプールを2周ほど漂う。PICにもあった水中バレー用ネットやバスケットなどもあったが、アトラクションとしてゲストを誘導してまではやらないようだ。PICでは時間になるとリーダになるクラブメイトがその辺で暇そうな大人子供を(半分無理やり)誘ってゲームに巻き込み、国際色豊かなアクティビティとなってものすごく盛り上がるんだが残念だ。無効側には海が見え、バナナボートや様々なアトラクションが望める。さすが海っぺりにあるだけあって、土地は広々としていて開放的な感じがする。
流れるプールに囲まれた真ん中にウェーブプールというのがあり、時間によってスイミング用(平坦)、ウェーブ用、 ブギーボード用と波の大きさが変わる。ウォータースライダーは生身スライダー2本と浮き輪用スライダーが2本、少し違う場所にある。やはり生身でスライドするコースはオープンな方は途中で停止してしまい、それほど面白いとは思えないが、真っ暗闇のチューブの方は流量が多く、それなりにスピードが出るので楽しめる。このあたりは「ターザ」と同じ傾向にあるようだ。浮き輪使用のスライダーはチューブ型は一人用、オープン型は一人又は二人用となる。やはりこちらの方がスピードも出て距離も長く何回でも楽しめる。ただ係員が下から見上げているだけでスタート制御をしていないので、自分でぶつからないように間を空けて突入することになる。その昔はパトランプでコントロールしていたようだが、はるか何年も前から稼働していないようだった。こういうところ「自己責任」の国らしさが見られる。
直滑降型のウォータースライダーはなく、怪獣のすべり台やら屋根付き幼児プールなどもあり、一見小さな子供向きのウォーターパークにも見えるのだが、OBRにはここ以外にはどこにも見たことがない恐怖のアトラクション「マンタ」がある。実は前回訪れた時もこの日本未上陸の絶叫スライダーはあった。息子甘辛が小学校の真ん中だったと思うが、あの恐いモノ知らずの彼でさえ一度トライしたら「もう、オレいいや・・・」と逃げ出した。(どうも身体がギリギリ小さく背中を強打したらしいのだが)
送迎タクシーの降車場から見えた時は「過大に恐怖を記憶してたかな」と思うほど大したことがないように見えたが、間近で見るとやはり正気jの沙汰とは思えない。。。超巨大スタイリー(これ知ってる人は同年代?!)にも見える「マンタ」は高さ12m、浮き輪に乗って下が見えないままにほぼ垂直体感で急速落下、反対側まで上り詰めたら今度はバックで急降下・・・・
一通り他を遊びまわってマンタに向かったが、さしもの甘辛も昔を思い出したのか「どうしようかなー」と尻込みしだした。妻は早々に離脱、「とにかく一度はやらんとなー」我々は二人乗り用の浮き輪を担いでてっぺんまで階段を昇り始めた。階段の途中から下から見ているよりは「はるかに恐ろしい」ことがありありと感じられた。私が後ろで甘辛が前の方がバランス的にはいいような気がしたが、「オレ、絶対うしろ!」と彼が言い張るので仕方なしに前へ乗った。プールでは身体を入れるための浮き輪だが、輪の中に身体を入れすぎてしまうと、かえって最下部を通過する時にどこかを強打することが多いらしい。「ここよ、ここ!」指さされた二つ輪っかの先端に座った私は渾身の力を込めて持ち手を握り、体を水平に反らした。(怖くて起き上がるとなおさらスピードがついて怖いらしい)
「Are you OK? 3・2・1!バイバァーイ」命綱をつけた係の人はプコプコと私の脇の下を足で踏んで浮き輪をずらして行き・・・・天を仰いだ瞬間。。。
「どおぅうおあああぁぁぁ」
そうだそうだ!前回もこんな感じだった。下が全く見えない分、心の準備ができないから最初は何が起きたのかわからないのだ。超巨大スタイリーの反対側頂上までほぼ到達すると今度は真っ逆さまに落下する。「やっぱ、こりゃー半端ねえよ・・・」我々はふらふらと出てきたのだった。今度は私が後ろになって滑り落ち、嫌がる妻の腕を引っ張って何度か一緒に落下した。驚くべきことにそこには「3人乗り」の浮き輪もあり、「一度だけ」という約束で妻を説得して3人で滑り落ち、恐怖のアトラクションを後にしたのだった。
波のプールに戻ってくると丁度その時間は波を出さない時間帯だったらしいが、何やら奥の方から巨大な円筒形の浮き輪が登場した。こういうヤツ見たことあるぞ。安っぽいお笑い芸能人が罰ゲームとかでやらされるヤツだろ?「面白そうだからやってみようぜ」2番目に並んだ我々は「よーい。。。GO!」の声でただひたすら「ハツカネズミ」のように円筒の中を走りまくった。ものすごく体力を消耗し、ちょっと油断するとすぐに転げて何回転もしてしまう・・・周囲は大笑いの大盛り上がりだったが、お笑い達は単に「笑い」を取るために大げさに転げ回っているだけではなかったことが体感できた。昼になって腹も減っていたが、一旦遊びモードに入ってしまうと食事など「時間の無駄」としか考えない我々はバーベキューランチセットをビールで流し込み、甘辛に至ってはスペアリブ一つつまんだだけでプールに戻ってしまった。。。波のプールには今度はウルトラマンタロウの「ZAT基地」に似た形のバランスボールのお化けに皆で乗り込み「波に揺られて耐える」という甘辛の大好きなアトラクションで盛り上がっていた。(残念ながら人数制限で乗れなかったらしいが・・・)
しばらくすると波のプールはブギーボード専用時間帯となり1.2mの波が次々と押し寄せた。専用のボディボードをレンタルしたゲストしか入れないが、屈強で明るい係員が真ん中でサポートしてくれ、初めての人でも簡単にボディボードを楽しめる。特に子供は軽いのでボードに半立ちした状態で波に合わせて押し出してくれ、ちょっと勘のいい子供ならサーフィンばりの「テイクオフ」ができる。甘辛は体重的には限界に近い大きさだったらしく中々立ち上がるところまでは行けなかった。ちなみに係の驚きとともに私もトライしてみたが、こればかりはどうにもならなかった・・・
前日の「ターザ」のフロ―ライダーでは私に遅れを取った息子甘辛もここではさすがに運動神経を炸裂させ、見事なライディングを見せて周囲から喝采を浴びていた。実際にサーフィンはやったことないはずなんだが、かなりさまになっているように見えた。
この後、我が家族はビーチに繰り出した。はるか海の向こうではバナナボートを引っ張ったり、パラセイリングなども見える。講習を受けてエリア内であれば水上バイクも乗れるようだ。(これらは全部有料でしかもかなり高額だ)
ビーチセンターでは無料でシュノーケル、シーカヤックを貸してくれ、向こうの無人島まで渡って周辺に潜ると素晴らしい魚の楽園らしい。我々3人は早速カヤックを操って無人島へ向かった。実はグアム島もサイパン島も珊瑚礁の豊富なところでどこでシュノーケリングしても魚が見られるのだ。深さは胸くらいだったが、ホントに「魚の楽園」と言えるほど小さく綺麗な魚がたくさん見られた。スティーブが「死ぬほど」嫌いなヘビが「ひろひろひろ~」っと海底を進むのにはさすがにビビったが・・・
めいめい潜って楽しんでいた我々だが、たまたま甘辛と同じ場所で鉢合わせした時に、しきりに海底の白い石を指さしている。ずーっと見つめていたのだが、何のことか分からず「何なんだよ、その石はよー」と顔を水面に出して直接甘辛に聞くと、にやにや笑いながら指さすだけだ。一体何なのか手に取って詳しく見るために掴もうとしたら、突然その石が鮮やかなヒレを開いて動いた。なんと!この石は魚だったのか・・・カサゴ?!他の小さな魚と異なりギリギリ捕まえる直前まではピクリとも動かない。海中で甘辛と目が合ったが明らかに同じことを考えていた。「こりゃー捕まえられるんじゃねーか?」と。「おーい、ちょっとキミの帽子貸してくれよ」日焼け防止に買ったがイマイチ気に入らんと言っていた妻の帽子を半ばむしり取り、我が父子はカサゴの挟み撃ち作戦に出た。。。
このコンビに狙われて逃げ伸びたモノはいないのだが、異国の地で謎っぽい魚を前に触ってもし毒でもあったらという躊躇がかの魚に脱出のチャンスを与えてしまった。意外と素早い動き(魚だから当たり前か!)に最後は手掴みで尻尾を掴んだが逃げられてしまった。しばらくすると今度はダイバーライセンスを持つ妻が「おーっ、ウツボ発見!」と段ボールくらいの岩を指差した。見ると50cmくらいの小さなウツボが穴から出入りしているではないか。。。体は小さいがその凶暴な顔はまさしく牙を剥いたウツボだった。「オレがおびき出すから、父ちゃんは帽子で捕まえてくれ」「オッ、オレ?相手はウツボだぞ。噛まれたらどうすんだよ・・・・」結局その後ウツボは見失ってしまい、30分近く捜索した後岸へ帰還することになったのである。
プールに戻ると閉園まであと1時間ほどになっていた。「何か『マンタ』がオレを呼んでるような気がするぞ・・・一人でずつで滑ろうぜ」恐怖のアトラクションはその日数回しか滑っていなかった。あまりの恐さに日本のように長い列があるわけでもなくいつも閑散としており、誰かがやりだすと見物も兼ねて人が集まるようなところだった。次に来るのはいつになるか(もう機会がないか?)分からなかったから、私も浮き輪を担いで長い階段を上った。二人乗りの浮き輪の真ん中にほぼ寝転ぶ仰向け体勢で落下するから一人で滑るのはさらに恐ろしい。あまりの恐さにどうしても体勢を起こしてしまい、握っていたレバーに力が入り過ぎ、最下点の衝撃で肩にものすごい衝撃が走って感覚が無くなった。。。。
立て続けに3本ほど滑り続け、「オレはもう見てるからいいや・・・」ついに脱落した。
甘辛は集まってきた子供や青年達と飽くことなく遊び続けていたが、下から眺めていると突然「仰向けに頭から落下する」という恐るべき暴挙に出た!まるでサンダーバードの出動シーンだ。普通日本では「規定にない」遊び方は決してさせないのだが、そこは「自己責任の国」で係は笑いながら浮き輪をスタートさせていた。すると並んでいた子供や青年達が次々と同じ格好で絶叫を上げ落下し始めた。「父ちゃんも来いよ!オレ、もうチャンピオンだぜ」
何かあっちこっちが痛くなってきたのだが、もう閉園に近い時間になっておりまずは最後に一本だけ滑ることにした。上に行くと係員のにーちゃんは「前向きは終わりね」といたずらっぽくにっこり笑った。しょうがないから甘辛に頼んで二人乗りの後ろ向きで滑り、最後は3人家族の背面滑走しギャラリーに手を振って恐怖の幕を閉じた。。。
2日目のウォーターパークはどうやら息子甘辛に主役を持って行かれたようだ・・・
入場時はあいにくの小雨で少し肌寒かったが次第に暑くなってきた。まずは前日同様、準備運動がてら流れるプールを2周ほど漂う。PICにもあった水中バレー用ネットやバスケットなどもあったが、アトラクションとしてゲストを誘導してまではやらないようだ。PICでは時間になるとリーダになるクラブメイトがその辺で暇そうな大人子供を(半分無理やり)誘ってゲームに巻き込み、国際色豊かなアクティビティとなってものすごく盛り上がるんだが残念だ。無効側には海が見え、バナナボートや様々なアトラクションが望める。さすが海っぺりにあるだけあって、土地は広々としていて開放的な感じがする。
流れるプールに囲まれた真ん中にウェーブプールというのがあり、時間によってスイミング用(平坦)、ウェーブ用、 ブギーボード用と波の大きさが変わる。ウォータースライダーは生身スライダー2本と浮き輪用スライダーが2本、少し違う場所にある。やはり生身でスライドするコースはオープンな方は途中で停止してしまい、それほど面白いとは思えないが、真っ暗闇のチューブの方は流量が多く、それなりにスピードが出るので楽しめる。このあたりは「ターザ」と同じ傾向にあるようだ。浮き輪使用のスライダーはチューブ型は一人用、オープン型は一人又は二人用となる。やはりこちらの方がスピードも出て距離も長く何回でも楽しめる。ただ係員が下から見上げているだけでスタート制御をしていないので、自分でぶつからないように間を空けて突入することになる。その昔はパトランプでコントロールしていたようだが、はるか何年も前から稼働していないようだった。こういうところ「自己責任」の国らしさが見られる。
直滑降型のウォータースライダーはなく、怪獣のすべり台やら屋根付き幼児プールなどもあり、一見小さな子供向きのウォーターパークにも見えるのだが、OBRにはここ以外にはどこにも見たことがない恐怖のアトラクション「マンタ」がある。実は前回訪れた時もこの日本未上陸の絶叫スライダーはあった。息子甘辛が小学校の真ん中だったと思うが、あの恐いモノ知らずの彼でさえ一度トライしたら「もう、オレいいや・・・」と逃げ出した。(どうも身体がギリギリ小さく背中を強打したらしいのだが)
送迎タクシーの降車場から見えた時は「過大に恐怖を記憶してたかな」と思うほど大したことがないように見えたが、間近で見るとやはり正気jの沙汰とは思えない。。。超巨大スタイリー(これ知ってる人は同年代?!)にも見える「マンタ」は高さ12m、浮き輪に乗って下が見えないままにほぼ垂直体感で急速落下、反対側まで上り詰めたら今度はバックで急降下・・・・
一通り他を遊びまわってマンタに向かったが、さしもの甘辛も昔を思い出したのか「どうしようかなー」と尻込みしだした。妻は早々に離脱、「とにかく一度はやらんとなー」我々は二人乗り用の浮き輪を担いでてっぺんまで階段を昇り始めた。階段の途中から下から見ているよりは「はるかに恐ろしい」ことがありありと感じられた。私が後ろで甘辛が前の方がバランス的にはいいような気がしたが、「オレ、絶対うしろ!」と彼が言い張るので仕方なしに前へ乗った。プールでは身体を入れるための浮き輪だが、輪の中に身体を入れすぎてしまうと、かえって最下部を通過する時にどこかを強打することが多いらしい。「ここよ、ここ!」指さされた二つ輪っかの先端に座った私は渾身の力を込めて持ち手を握り、体を水平に反らした。(怖くて起き上がるとなおさらスピードがついて怖いらしい)
「Are you OK? 3・2・1!バイバァーイ」命綱をつけた係の人はプコプコと私の脇の下を足で踏んで浮き輪をずらして行き・・・・天を仰いだ瞬間。。。
「どおぅうおあああぁぁぁ」
そうだそうだ!前回もこんな感じだった。下が全く見えない分、心の準備ができないから最初は何が起きたのかわからないのだ。超巨大スタイリーの反対側頂上までほぼ到達すると今度は真っ逆さまに落下する。「やっぱ、こりゃー半端ねえよ・・・」我々はふらふらと出てきたのだった。今度は私が後ろになって滑り落ち、嫌がる妻の腕を引っ張って何度か一緒に落下した。驚くべきことにそこには「3人乗り」の浮き輪もあり、「一度だけ」という約束で妻を説得して3人で滑り落ち、恐怖のアトラクションを後にしたのだった。
波のプールに戻ってくると丁度その時間は波を出さない時間帯だったらしいが、何やら奥の方から巨大な円筒形の浮き輪が登場した。こういうヤツ見たことあるぞ。安っぽいお笑い芸能人が罰ゲームとかでやらされるヤツだろ?「面白そうだからやってみようぜ」2番目に並んだ我々は「よーい。。。GO!」の声でただひたすら「ハツカネズミ」のように円筒の中を走りまくった。ものすごく体力を消耗し、ちょっと油断するとすぐに転げて何回転もしてしまう・・・周囲は大笑いの大盛り上がりだったが、お笑い達は単に「笑い」を取るために大げさに転げ回っているだけではなかったことが体感できた。昼になって腹も減っていたが、一旦遊びモードに入ってしまうと食事など「時間の無駄」としか考えない我々はバーベキューランチセットをビールで流し込み、甘辛に至ってはスペアリブ一つつまんだだけでプールに戻ってしまった。。。波のプールには今度はウルトラマンタロウの「ZAT基地」に似た形のバランスボールのお化けに皆で乗り込み「波に揺られて耐える」という甘辛の大好きなアトラクションで盛り上がっていた。(残念ながら人数制限で乗れなかったらしいが・・・)
しばらくすると波のプールはブギーボード専用時間帯となり1.2mの波が次々と押し寄せた。専用のボディボードをレンタルしたゲストしか入れないが、屈強で明るい係員が真ん中でサポートしてくれ、初めての人でも簡単にボディボードを楽しめる。特に子供は軽いのでボードに半立ちした状態で波に合わせて押し出してくれ、ちょっと勘のいい子供ならサーフィンばりの「テイクオフ」ができる。甘辛は体重的には限界に近い大きさだったらしく中々立ち上がるところまでは行けなかった。ちなみに係の驚きとともに私もトライしてみたが、こればかりはどうにもならなかった・・・
前日の「ターザ」のフロ―ライダーでは私に遅れを取った息子甘辛もここではさすがに運動神経を炸裂させ、見事なライディングを見せて周囲から喝采を浴びていた。実際にサーフィンはやったことないはずなんだが、かなりさまになっているように見えた。
この後、我が家族はビーチに繰り出した。はるか海の向こうではバナナボートを引っ張ったり、パラセイリングなども見える。講習を受けてエリア内であれば水上バイクも乗れるようだ。(これらは全部有料でしかもかなり高額だ)
ビーチセンターでは無料でシュノーケル、シーカヤックを貸してくれ、向こうの無人島まで渡って周辺に潜ると素晴らしい魚の楽園らしい。我々3人は早速カヤックを操って無人島へ向かった。実はグアム島もサイパン島も珊瑚礁の豊富なところでどこでシュノーケリングしても魚が見られるのだ。深さは胸くらいだったが、ホントに「魚の楽園」と言えるほど小さく綺麗な魚がたくさん見られた。スティーブが「死ぬほど」嫌いなヘビが「ひろひろひろ~」っと海底を進むのにはさすがにビビったが・・・
めいめい潜って楽しんでいた我々だが、たまたま甘辛と同じ場所で鉢合わせした時に、しきりに海底の白い石を指さしている。ずーっと見つめていたのだが、何のことか分からず「何なんだよ、その石はよー」と顔を水面に出して直接甘辛に聞くと、にやにや笑いながら指さすだけだ。一体何なのか手に取って詳しく見るために掴もうとしたら、突然その石が鮮やかなヒレを開いて動いた。なんと!この石は魚だったのか・・・カサゴ?!他の小さな魚と異なりギリギリ捕まえる直前まではピクリとも動かない。海中で甘辛と目が合ったが明らかに同じことを考えていた。「こりゃー捕まえられるんじゃねーか?」と。「おーい、ちょっとキミの帽子貸してくれよ」日焼け防止に買ったがイマイチ気に入らんと言っていた妻の帽子を半ばむしり取り、我が父子はカサゴの挟み撃ち作戦に出た。。。
このコンビに狙われて逃げ伸びたモノはいないのだが、異国の地で謎っぽい魚を前に触ってもし毒でもあったらという躊躇がかの魚に脱出のチャンスを与えてしまった。意外と素早い動き(魚だから当たり前か!)に最後は手掴みで尻尾を掴んだが逃げられてしまった。しばらくすると今度はダイバーライセンスを持つ妻が「おーっ、ウツボ発見!」と段ボールくらいの岩を指差した。見ると50cmくらいの小さなウツボが穴から出入りしているではないか。。。体は小さいがその凶暴な顔はまさしく牙を剥いたウツボだった。「オレがおびき出すから、父ちゃんは帽子で捕まえてくれ」「オッ、オレ?相手はウツボだぞ。噛まれたらどうすんだよ・・・・」結局その後ウツボは見失ってしまい、30分近く捜索した後岸へ帰還することになったのである。
プールに戻ると閉園まであと1時間ほどになっていた。「何か『マンタ』がオレを呼んでるような気がするぞ・・・一人でずつで滑ろうぜ」恐怖のアトラクションはその日数回しか滑っていなかった。あまりの恐さに日本のように長い列があるわけでもなくいつも閑散としており、誰かがやりだすと見物も兼ねて人が集まるようなところだった。次に来るのはいつになるか(もう機会がないか?)分からなかったから、私も浮き輪を担いで長い階段を上った。二人乗りの浮き輪の真ん中にほぼ寝転ぶ仰向け体勢で落下するから一人で滑るのはさらに恐ろしい。あまりの恐さにどうしても体勢を起こしてしまい、握っていたレバーに力が入り過ぎ、最下点の衝撃で肩にものすごい衝撃が走って感覚が無くなった。。。。
立て続けに3本ほど滑り続け、「オレはもう見てるからいいや・・・」ついに脱落した。
甘辛は集まってきた子供や青年達と飽くことなく遊び続けていたが、下から眺めていると突然「仰向けに頭から落下する」という恐るべき暴挙に出た!まるでサンダーバードの出動シーンだ。普通日本では「規定にない」遊び方は決してさせないのだが、そこは「自己責任の国」で係は笑いながら浮き輪をスタートさせていた。すると並んでいた子供や青年達が次々と同じ格好で絶叫を上げ落下し始めた。「父ちゃんも来いよ!オレ、もうチャンピオンだぜ」
何かあっちこっちが痛くなってきたのだが、もう閉園に近い時間になっておりまずは最後に一本だけ滑ることにした。上に行くと係員のにーちゃんは「前向きは終わりね」といたずらっぽくにっこり笑った。しょうがないから甘辛に頼んで二人乗りの後ろ向きで滑り、最後は3人家族の背面滑走しギャラリーに手を振って恐怖の幕を閉じた。。。
2日目のウォーターパークはどうやら息子甘辛に主役を持って行かれたようだ・・・