中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

退勤8分後に出勤も

2016年11月14日 | 情報

当事案を含めて、まさに、地下に溜まったマグマが一気に噴き出した、という印象があります。
長時間労働、違法な残業等により精神疾患を発症した場合、労災の対象になることが、
多くの労働者の一般常識になってきたということでしょう。
ということは、従来よりの公表数字と、小生がこれまで接触してきた現象から導き出した、
小生の推論が正しいという印象を持ちました。
この推論は機会あるごとに、公表、説明してきましたが、当ブログにおいても後日、詳しく発表することにします。

退勤8分後に出勤も 過労自死の遺族、西日本高速を告発
神戸新聞 2016-11-05

西日本高速道路会社(大阪市)の男性社員=当時(34)=が自死したのは違法な長時間労働が放置されてきたためだとし、
遺族が4日までに労働基準法違反の疑いで、同社に対する告発状を神戸西労働基準監督署に提出した。
告発状などでは、時間外労働が月150時間を超えていたほか、事実上、約36時間連続勤務という日もあったとされ、
男性社員は異常な勤務状態に置かれていたとみられる。
告発状によると、男性社員は同社第二神明道路事務所(神戸市垂水区)に勤務し、舗装工事の施工管理などを担当。
過重な業務を課され、長時間労働の末にうつ病を発症して昨年2月、同市内の社員寮で自死したとしている。
同社は労働組合と、1カ月45時間まで延長できる協定(三六協定)を結び、
さらに6回を限度として1カ月90時間まで延長できる特別条項を取り決めていた。
告発状では、男性社員が同事務所に赴任した2014年10月から12月は各月とも時間外労働が
150時間を超える異常な勤務で、労使の協定を大幅に上回っていたとして労基法違反を指摘。
さらに時間外労働に対する割増賃金が支払われなかったとしている。
遺族が同社から提供された勤務記録や事務所への入退室記録などを見ると、退勤から次の出勤まで8分しかなく、
事実上、約36時間連続勤務という日もあった。
このほかにも未明に及ぶ勤務が相次いでおり、
遺族側は「会社は労基法違反の長時間労働を認識しながら放置してきた」としている。
代理人の渡部吉泰弁護士は「電通の過労死が注目されているが、西日本高速でも、これに匹敵する過密労働があった。
悲劇を繰り返させないためには、刑事処罰以外にない」と強調している。
西日本高速道路の広報担当者は「告発についてはコメントする立場にはない。
ただ、二度と起きないよう再発防止策を講じ社内で徹底を図っている」としている。
男性社員の自死は同労基署に労災として認定されている。

■「三六協定」長時間労働の温床に
労働者を残業させる際に労使で結ぶ必要がある「三六協定」について、
現在は労使合意があれば事実上残業が無制限にできるため、長時間労働の温床になっていると指摘されている。
政府は上限時間設定や超過時の罰則の導入などを検討している。
労働基準法は労働時間を1日8時間、週40時間までと定め、三六協定を結ばないとそれを超えて働かせることはできない。
厚生労働省は時間外労働の上限を月45時間、年360時間としているが、
労使で「特別条項」を結べば、年に6カ月まで上限なしに働かせることが可能だ。
西日本高速道路と労働組合が結んでいた協定も「過労死ライン」と言われる月80時間を超え、
年に6カ月まで月90時間まで延長できる特別条項があった。
安倍晋三首相を議長とする「働き方改革実現会議」が9月に開かれ、
長時間労働の是正が話し合われた。三六協定を見直し、実効性のある上限をどう設けるかが焦点の一つになっている。

 


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