中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

SC(ストレスチェック)制度の準備情報・質問編④

2015年10月09日 | 情報

Q:会社・事業場が面接指導した医師の意見に基づいて就業上の措置を行おうとしたところ、
当該労働者から当該医師の意見とは異なる、主治医の診断書が提出された場合、会社側としてはどのように対応すべきか?

A:対立させないことが肝要であり、産業医と主治医が連携してアプローチすることが重要です。
今回のSC制度に限らず、メンタルヘルス問題には、多くの方面の専門家、関係者が関与しますので、
それぞれの利害関係や、コミュニケ―ションの取り方等々、多くの問題、調整事項が惹起します。
特に、産業医と主治医の関係は、重要ですから、当然に難しい問題も多く、トラブルや行き違いが発生します。

ご質問も、なぜ、主治医から診断書が提出されたのか、その背景、意図を把握しないと、
何ともお答えのしようがないので、一般論として解説します。

まず、主治医の診断書は尊重しなければなりません。どのような診断書であろうと、
国家資格を持つ医師からの正式書類である「診断書」ですから、全く無視することはできません。
会社としては、「診断書」を産業医に提出し、意見を求めてください。
産業医にも当然に、それなりの所見があるでしょうから、意見を聞くことは大切ですが、
会社としては、主治医と産業医とのあいだで、「板挟み」になることは避けてください。
必要であれば、産業医に主治医へ直接に問い合わせしてもらうようにしてください。
医学という専門領域に、会社側が関与する余地はありませんので。

参考までに、主治医の診断書と、産業医の意見、どちらを重視するかですが、これは、全くのケースバイケースだと言えます。
どちらの見解に正当性、妥当性があるかで判断されるからです。
これまでの裁判例では、どちらかというと産業医の意見が尊重されていますが、
それは産業医の見解に正当性、妥当性があったからであって、
最初から産業医の意見が優先されるということではありません。


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