中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

オープン就労の薦め

2015年08月28日 | 情報
精神疾患を克服し、再び就労意欲が高まるまでの、ご自身の苦労、努力は如何ばかりかと推量します。
と言っても、小生は経験がありませんので、どこまで理解しているか、はっきり申し上げて、まったく分かりません。

さりとて、分かりませんで終わってはいけませんので、論を先に進めます。
就労には、クローズではなく、オープンでの就労をお勧めします。
もちろん、ご自身の心情、考え、希望が最優先ですから、
「私は、クローズ」で就労したいとお望みなら、それはそれで結構です。

しかし、景気が回復し、人材が枯渇している今が、チャンスです。オープンでの就労が。
ご理解いただいていると思いますが、今は買い手市場から、売り手市場になっています。

採用する企業にとっても、本当のところは、「クローズ」より「オープン」で
就労を申し込んでもらうほうが有難いのです。
会社にとっては、寛解している状態で、就労の面接した場合、
精神疾患をり患していたことは、全く窺い知れないことなのです。
ですから、クローズで就労したら、他の健常者と同等に待遇しますので、
残念ながら、精神疾患を再発してしまう可能性が高まることになります。
ここで、同等に待遇しない場合は、あるのか?それは、あり得ないことです。
もし、そのようなことをしたら、組織内は大混乱になるでしょう。

話を戻して、オープンにして就労した場合、
本人及び会社側にとってのデメリットはないのか、デメリットはなにか、ということでしょう。

本人にとってのデメリットは何か?
何といっても、まず、採用を拒否されることでしょう。
もちろん、あからさまな理由は言わないのは、採用側の当然の行動ですが。
さらに、採用されても賃金が最低水準になってしまうことでしょう。

最低賃金法の最低賃金の減額の特例が適用されることもあります。
第七条  
使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受けたときは、
次に掲げる労働者については、当該最低賃金において定める最低賃金額から
当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を
減額した額により第四条の規定を適用する。
一  精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
二  試の使用期間中の者
三  職業能力開発促進法 (昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項 の認定を受けて
行われる職業訓練のうち職業に必要な基礎的な技能及びこれに関する知識を習得させることを
内容とするものを受ける者であつて厚生労働省令で定めるもの
四  軽易な業務に従事する者その他の厚生労働省令で定める者

しかし、就労の目的は何かを考えれば、デメリットではありません。
最優先は、賃金ではなく、就労の第一ステップにあるわけです。
いきなり、無条件での完全就労を望むのは、無理があるのです。

なお、「クローズ」で就労した場合でも、カミングアウトすることを躊躇してはいけません。
ある一定期間、会社側の望むレベルで、就労できたという実績があるのですから、
人材難の現状から考慮すれば、会社側にとっても「就労を続けてほしい」と考えるのではないでしょうか。

さて、会社側にとってのデメリットは何か。
一度採用すると、簡単には解雇できないのが、我が国の労働法制の考え方ですから、
会社側が望む人材ではなかっとと、後悔しても遅いのです。
しかし、「試の試用期間」内で、事実が発覚した場合は、それはそれでよいのですが、
多分、精神疾患をり患していたことが発覚するのは、「試の試用期間」を過ぎてからになるでしょう。

企業活動の話ですから、正論を議論するのではなく、メリット、デメリットを議論することには、何ら問題がないと考えています。
結論としては、オープン就労しても、それほどのデメリットはないということをご理解いただけるのではないでしょうか。




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