残る課題、コミュニケ―ションと、企業への帰属意識の典型的な解決策です。
「よーいドン!」で深まる絆 増える社内運動会
15.8.26 読売
IT化や業務の細分化で薄れがちな社員同士のコミュニケーションを深めようと、「社内運動会」を開く企業が増えている。
こうした社内行事は私生活を重視する時代の流れや景気低迷などを受けて縮小傾向にあったが、
会社の一体感を高める効果があると再評価されているようだ。
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は25日、両国国技館(東京都墨田区)で社内運動会を開いた。
2008年の三越、伊勢丹の経営統合以来、初めてだ。
25日は多くの店舗が休みで、グループの約1割にあたる約3000人が参加し、綱引きやリレーで汗を流した。
チームでTシャツをそろえたり、女性がチアリーダーの衣装で盛り上げたりする光景も見られた。
衣料品販売子会社の桜井俊晴さん(41)は「部署や会社が違い、普段は顔を合わせない人たちと親睦を深められた」と話していた。
同社は来年も開催するという。
三菱UFJフィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループも今秋、「グループの一体感を高めるため」として、発足以来初めて開催する。
(参考)社内運動会復活! 増加の背景にあるものとは?取材:加藤俊 /文:野村美穂
運動会を代行する「運動会屋」運営団体NPO法人ジャパンスポーツコミュニケーションズ代表理事の米司隆明さんに聞くと、
同団体が2007年に発足し、2008年に最初の運動会を行って以降、「依頼は年々倍増。2014年は134件の社内運動会をプロデュースした」とのこと。
更に、2015年は更に増えることが既に確定。運動会屋の他に名の知れた運動会運営代行会社は2社ほどあるというから、
社内運動会を開催する企業数は実際にはずっと多い。
社内運動会が増えている背景
しかし、なぜ社内運動会が増えているのだろうか。幾つかの理由が考えられるが、
一つは、「リアルコミュニケーションの飢え」だと言う。上述の米司さんは語る。
「社内twitterなどのITツールでコミュニケーションをはかる企業を聞きますが、仕事以外に共通の話題を持ちにくい。
その点、社内運動会は社員にニューヒーローが誕生したり、業務中だけではわからないリーダー資質が見られたり、
交流のない部署の方と協力し合えたりと、スポーツだからこそのコミュニケーションを生み出す効能が期待できます」
実際に、運動会後、会社が明るくなったという企業は多い。そもそもの開催目的に、
従業員のモチベーションアップを一番に位置づける企業が殆どだと言う。
実際に実施した住友電装株式会社は、運動会の効能を「営業成績や離職率の低下など、数字には出しにくい面はあるが、
計測できない効果が期待できる」と答えている。
詰まるところ、この社内運動会流行とは、従業員間のコミュニケーションが希薄になりつつある現代社会だからこそ、
そこに抗う企業側のカンフル剤としての期待が寄せられているようだ。
費用対効果を意識する企業
ただ、運動会が持て囃される理由はこれだけではない。もう一つ大きな理由がある。
キーワードは、費用対効果を意識する企業の増加。流行の背景には、企業のコスト削減意識が絡むという。
元来、社内行事といえば、社員旅行が代表だった。この社員旅行が運動会に切り替わりつつあるのだ。
理由は簡単。旅行に行くとなると、要する日数や宿泊費などかなりの経費がかかるが、運動会は一日で終るから。
この経済的な理由から運動会を導入する企業が増えているのだ。実際に、米司さんは言う。
「リーマンショック直後から、社員旅行の代わりに社内運動会をする企業が急増しました。
社員旅行のように2、3日の通常業務を停止せずに1日で済むことや費用を抑えられること、
積み立てている福利厚生費を年度内に使用できることなど様々な理由があります。
年度内の予算消化という観点や休前日が良いという理由から、年内最終営業日が社内運動会の開催に人気です」
日本企業の力が弱まったがために、運動会が持て囃されるという図式は虚しい感じもするが、効果は絶大である。
京セラが1963年から毎年運動会をやり続けていることは有名だし、新入社員にとっても、運動会に期待する向きは案外多い。
日本能率協会2009年4月23日発表「会社や社会に対する意識調査」では、調査に回答した新入社員1,490人のうち53.4%が
上司との人間関係構築には「運動会」が有効と答えている。これは「昼食を共にする」(53.0%)よりも高い数値なのだ。
通り一遍の研修より運動会での経験や意識付けは、ボディーブローのように後でじわじわ効いてくる。貴社も長い目で見てはいかが?
BibLife21誌より転載
「よーいドン!」で深まる絆 増える社内運動会
15.8.26 読売
IT化や業務の細分化で薄れがちな社員同士のコミュニケーションを深めようと、「社内運動会」を開く企業が増えている。
こうした社内行事は私生活を重視する時代の流れや景気低迷などを受けて縮小傾向にあったが、
会社の一体感を高める効果があると再評価されているようだ。
三越伊勢丹ホールディングス(HD)は25日、両国国技館(東京都墨田区)で社内運動会を開いた。
2008年の三越、伊勢丹の経営統合以来、初めてだ。
25日は多くの店舗が休みで、グループの約1割にあたる約3000人が参加し、綱引きやリレーで汗を流した。
チームでTシャツをそろえたり、女性がチアリーダーの衣装で盛り上げたりする光景も見られた。
衣料品販売子会社の桜井俊晴さん(41)は「部署や会社が違い、普段は顔を合わせない人たちと親睦を深められた」と話していた。
同社は来年も開催するという。
三菱UFJフィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループも今秋、「グループの一体感を高めるため」として、発足以来初めて開催する。
(参考)社内運動会復活! 増加の背景にあるものとは?取材:加藤俊 /文:野村美穂
運動会を代行する「運動会屋」運営団体NPO法人ジャパンスポーツコミュニケーションズ代表理事の米司隆明さんに聞くと、
同団体が2007年に発足し、2008年に最初の運動会を行って以降、「依頼は年々倍増。2014年は134件の社内運動会をプロデュースした」とのこと。
更に、2015年は更に増えることが既に確定。運動会屋の他に名の知れた運動会運営代行会社は2社ほどあるというから、
社内運動会を開催する企業数は実際にはずっと多い。
社内運動会が増えている背景
しかし、なぜ社内運動会が増えているのだろうか。幾つかの理由が考えられるが、
一つは、「リアルコミュニケーションの飢え」だと言う。上述の米司さんは語る。
「社内twitterなどのITツールでコミュニケーションをはかる企業を聞きますが、仕事以外に共通の話題を持ちにくい。
その点、社内運動会は社員にニューヒーローが誕生したり、業務中だけではわからないリーダー資質が見られたり、
交流のない部署の方と協力し合えたりと、スポーツだからこそのコミュニケーションを生み出す効能が期待できます」
実際に、運動会後、会社が明るくなったという企業は多い。そもそもの開催目的に、
従業員のモチベーションアップを一番に位置づける企業が殆どだと言う。
実際に実施した住友電装株式会社は、運動会の効能を「営業成績や離職率の低下など、数字には出しにくい面はあるが、
計測できない効果が期待できる」と答えている。
詰まるところ、この社内運動会流行とは、従業員間のコミュニケーションが希薄になりつつある現代社会だからこそ、
そこに抗う企業側のカンフル剤としての期待が寄せられているようだ。
費用対効果を意識する企業
ただ、運動会が持て囃される理由はこれだけではない。もう一つ大きな理由がある。
キーワードは、費用対効果を意識する企業の増加。流行の背景には、企業のコスト削減意識が絡むという。
元来、社内行事といえば、社員旅行が代表だった。この社員旅行が運動会に切り替わりつつあるのだ。
理由は簡単。旅行に行くとなると、要する日数や宿泊費などかなりの経費がかかるが、運動会は一日で終るから。
この経済的な理由から運動会を導入する企業が増えているのだ。実際に、米司さんは言う。
「リーマンショック直後から、社員旅行の代わりに社内運動会をする企業が急増しました。
社員旅行のように2、3日の通常業務を停止せずに1日で済むことや費用を抑えられること、
積み立てている福利厚生費を年度内に使用できることなど様々な理由があります。
年度内の予算消化という観点や休前日が良いという理由から、年内最終営業日が社内運動会の開催に人気です」
日本企業の力が弱まったがために、運動会が持て囃されるという図式は虚しい感じもするが、効果は絶大である。
京セラが1963年から毎年運動会をやり続けていることは有名だし、新入社員にとっても、運動会に期待する向きは案外多い。
日本能率協会2009年4月23日発表「会社や社会に対する意識調査」では、調査に回答した新入社員1,490人のうち53.4%が
上司との人間関係構築には「運動会」が有効と答えている。これは「昼食を共にする」(53.0%)よりも高い数値なのだ。
通り一遍の研修より運動会での経験や意識付けは、ボディーブローのように後でじわじわ効いてくる。貴社も長い目で見てはいかが?
BibLife21誌より転載