晴れ間の彗星

楽しく生きよう!

宇宙戦争

2009年05月02日 | 書庫の中から
 「宇宙戦争」H.G.ウェルズ著
       小 野 恊 一 訳
       小山書店  発行
昭和26年5月25日 印刷
昭和26年5月30日 発行

書庫で見つけたこの本、いつ購入したか覚えはない。この手の古本に手を出したのは、大学時代に学校までの通りに古本屋があった頃の話だろう。
 しみじみ見てみると、ほとんど私の誕生日に印刷発行されています。
私と同い歳の本です。(ちなみに「鉄腕アトム」も同じ歳です。)
200頁そこそこの、ソフトカバーの本が200円というのは今のいくらくらいなのだろうか?
 私の手持ちの古い本と言えば…

「暗黒星雲」フレッド・ホイル著
      鈴 木 敬 信 訳
      法政大学出版局 昭和33年11月20日発行 この本は、320頁ほどのハードカバーで280円

「衝突する宇宙」ヴェリコフスキー著
      鈴 木 敬 信 訳
      法政大学出版局 昭和26年12月初版 昭和41年9月重版 600頁ハードカバー箱入りで、860円。
しかし前記「暗黒星雲」の巻末の広告では680円となっています。
と比べていくと、「宇宙戦争」の200円は結構な値段のようです。
この本の巻末広告では「チェーホフ文庫」「モーパッサン文庫」があり、この宇宙戦争がどうも不釣り合いに見えます。

木枯し紋次郎・リスト1

2009年05月02日 | 蔵書リスト
木枯し紋次郎股旅シリーズ(第1期)

第1巻 赦免花は散った   昭和46年8月(講談社)
   ①赦免花は散った
   ②流れ舟は帰らず
   ③湯煙に月は砕けた
   ④童歌を雨に流せ
   ⑤水神祭りに死を呼んだ
第2巻 女人講の闇を裂く  昭和46年12月(講談社)
   ①女人講の闇を裂く
   ②一里塚に風を断つ
   ③川留めの水は濁った
   ④大江戸の夜を走れ
   ⑤土煙に絵馬が舞う
第3巻 六地蔵の影を斬る  昭和47年3月(講談社)
   ①六地蔵の影を斬る
   ②噂の木枯し紋次郎
   ③木枯らしの音に消えた
   ④雪灯籠に血が燃えた
第4巻 暁の追分に立つ    昭和47年8月(講談社)
   ①無縁仏に明日を見た
   ②暁の追分に立つ
   ③女郎蜘蛛が泥に這う
   ④水車は夕映えに軋んだ
第5巻 夜泣石は霧に濡れた  昭和47年10月(講談社)
   ①獣道に涙を棄てた
   ②馬子唄に命を託した
   ③海鳴りに運命を聞いた
   ④夜泣石は霧に濡れた  
第6巻 怨念坂を蛍が越えた  昭和48年2月(講談社)
   ①駈入寺に道は果てた
   ②明鴉に死地を射た
   ③錦絵は十五夜に泣いた
   ④怨念坂を蛍が越えた  
   ⑤上州新田郡三日月村
第7巻 笛が流れた雁坂峠   昭和48年6月(講談社)   
   ①冥土の花嫁を討て
   ②笛が流れた雁坂峠
   ③唄を数えた鳴神峠

 以上、講談社版ハードカバー7冊30作品です。
この間47年1月1日スタートのTVドラマがあったのですが、ワンクールで終わる予定だったのか、途中で原作がきれ、秋口から「続…」として復帰します。
 原作も、第7巻が完結編となっています。
ただ第1話~第29話までが、天保6年~10年まで細かくすすんでいるのに、最終話だけ天保12年になっていました。これを見て、まだ書く余地がある。と安心しました。

木枯し紋次郎2

2009年05月02日 | 書庫の中から
 昨日の続きですが…

 紋次郎は、上州新田郡三日月村の貧しい農家に生まれた。
間引きがあたりまえの時代、紋次郎も両親の承諾のうえ、産婆が間引きの準備をする。その手から姉が奪い取り、一晩逃げ隠れし、翌日、祭礼の朝「今日生まれた子だ」と皆に見せて歩く。祭礼の日に生まれた子は間引く事が出来ない。
 姉に助けられて生きる事を許された紋次郎も、姉が身売りに出されたあと出奔し、無宿渡世への道へとすすむ。
 上州と言えばコンニャクの産地だが、間引きに赤子の口をふさぐのにコンニャクを使ったりする事もあり、紋次郎はどんなに飢えていてもコンニャクは食べられない…。

 旅の途中、紋次郎が生まれた事を一人だけ喜んでくれた姉の死を聞かされ、紋次郎は生きている理由を失う。だが、積極的に死のうとするわけではない。
生きている事も死ぬ事も、どちらも意味のない事だから、ただ今日を生きる。

 信じていた友に裏切られ、島流しにあわされ、からくも脱走し(逃亡者か!)
旅を続ける中で、関わりを持った者にもことごとく騙されかける。他人は、いや肉親であっても信じる事は出来ない。
「あっしには関わりの無い事で…」

 その、どうしようもない虚無感。しかし、それでも他人の思惑の中に巻き込まれてしまうやるせなさ。映画版の文太アニイは凄みがありすぎてちょっと違っていたし。今回の江口洋介アンチャンは、「違うか!」と叫びたい。
 無名の新人をと、中村敦夫を抜擢した市川崑監督に敬意を表します。