晴れ間の彗星

楽しく生きよう!

≪4≫ 三ツ目がとおる イースター島航海

2014年03月21日 | 手塚治虫全集
マガジン完全復刻版 なので

後の作品集とは50ページ以上多い姿です

ハードカバー「グランドコレクション」で見ると

ラストがかなり削られているようです。

元の方がよくできていると思うのですが…

まー、手塚先生はかなり原稿をいじるので有名でしたものね。



昭和48年頃、劇画や永井豪・池田理代子たち新しいマンガ家の活躍の中

代表作「火の鳥」も連載誌が何度も廃刊になり

47年には、久しぶりの少年サンデー連載「ダスト18」がぽしゃり

(これ、私の好きな作品なんですけれど、打ち切りで、全集に入ったときには

「ダスト8」になってしまった。)

つづく「サンダーマスク」もナンダカナーで

「もう手塚は古い。」といわれ、干されそうになったとき

古い知り合いの編集者が、死に水のように自由に描かせてくれた読み切り作品。

それが少年チャンピオンの「ブラックジャック」


しかし、その「ブラックジャック」が大人気に…

それからの手塚氏の活躍はすごかった…

翌年には少年マガジンで「三ツ目がとおる」の連載が…


私の誕生年は「鉄腕アトム」の元となった「アトム大使」の連載がはじまった1951年

「月刊誌 少年」はとっていませんでしたが、

小学校1年の3学期「少年マガジン・サンデー」が創刊

当初は「サンデー」でなく「マガジン」をとっていました。

そのため「13号発進せよ!」が大好きでしたが、

「サンデー」で、手塚治虫「0マン」の連載が始まると両誌を買うようになりました。

続く「キャプテン・ケン」「白いパイロット」「勇者ダン」。

そして短編の「レイガン・ジャック」や「偉大なるゼオ」と大好きな作品が並びます。


高校に入って「ビック・コミック」が発行され

青年向き「地球を呑む」「アイ・エル」「きりひと賛歌」等

手塚作品と一緒に育ってきました。

これは、私の一つの誇りです。

日本の宝と同じ時代を生きたのですから…

ただ、のらくろで育った政治家には、彼の凄さが判らなかった。

いやでも耳に入る「美空ひばり」は知っていても

その時代の子ども達が、どれだけ手塚治虫に力をもらっていたか

彼以降の作家に影響を与えたか

今のジャパン・アニメがどうしてすごいのか

ロボットというと

フランケンシュタインの怪物を思い浮かべる白人と

アトムを思い浮かべ、「友人」と思う日本人の違いを

そのために、外国のロボットと日本のロボットがどう違うかを…

それを知って欲しい。

オリンピックで金メダルをとった選手は…そりゃすごい

しかし、1回の大会で何百人もいるんですよ。

長島も松井もすごい…

だけれども、「手塚治虫」はもっとすごい

彼を超すマンガ家なんて、もう出ないでしょう。

生きている内に「国民栄誉賞」を差し上げたかった…

日本国民だけでなく、「世界の手塚」なのですが…

国宝級ではなく、世界遺産級なのです。

いまからでもいい

「手塚治虫」「石森章太郎」の二人には、国を挙げて感謝したい。

《16・17》火の鳥・乱世編 上・下

2012年09月04日 | 手塚治虫全集
「火の鳥」はCOM・マンガ少年・野性時代と

連載時から必ず読んでいたはずだった…

しかし、「乱世編」だけは読んでいませんでした。

COMがCOMコミックスになったり廃刊になったり、

火の鳥も「望郷編」がはじまり廃刊し

次に、一つ飛ばして「乱世編」を書きますといって廃刊し、

間を置いてマンガ少年での再挑戦になりましたが。

その時は雑誌だけ買って読んでいませんでした。

そもそも「平家物語」はなぜか苦手意識があり、

吉川英治「新・太平記」は読んでいるのに

「新・平家物語」は読んでいません。

今年のNHK大河ドラマはいい機会だったのですが

二回ほど見てやめてしまいました。

日本史のエポックですから理解しないといけないのですが。

当然、「手塚版・平家物語」なので、脚色の違いはあると思いますが、

何となく解った風です。

機会があれば「新・平家」にも手を出しましょうか。

[25~31]ブッダ8巻~14巻

2011年07月14日 | 手塚治虫全集
やっと、ブッダを読み終わりました。

あとがきで本人も書いているように、これはもう一つの「火の鳥」なのでしょう。

生きるとは、死ぬとは、そして宇宙をつつむ大きな生命のエネルギー。

「火の鳥」で火の鳥自身が話すことを、ブッダは一つ一つの出来事の中から見つけ出していきます。

読んでいて気になったのが、ブッダが大集団となった教団の後継者を決めたとき

教団という組織に固執して「人が増えればお布施がふえる、土地を寄進してくれる人がいればその管理も必要だ、そもそも大伽藍が必要だ。」

としてそれを仕切ることの出来る俺が後継者になるべきだ。というダイバダッタに

「われわれの仕事は、神々の教えたもう道を人に説くだけだ
寺院とか 献上物とかそんな物質的なものをどうこうすると
考えること自体下劣きわまる!」

と、叱咤するシーンだ。

前も書いたが、この作品、某宗教団体関係の出版社の雑誌に載ったんですよね。

この、ブッダの叱咤を彼らはなんと読んだのだろうか。

信徒からお金を巻き上げ、大きな寺院・会館を建ててその覇をきそっている

(オームと変わらないじゃないか…)

自らの行いを恥じたりはしないのだろうか。

ブッダの教えに戻ろうよって、言う見識のある指導者がいないのだろう。

不幸なことだ。

そこで、名言を二つ

「そもそも宗教というのは、権力者にとっては便利なものさ。
人民の味わうすべての不幸が、政治制度や権力悪のためではなくて、
彼ら自身の不信心のせいだと思いこませれば、
彼らは革命をおこそうなどと考えないだろうからな。」
                  ボリス・コーネフ(銀英伝6/140P)


宗教組織が権力を欲するのは絶対に否定されねばならない。
それは人間の外面のみならず内面をも支配する、
最悪の全体主義となるだろう。
ユリアン・ミンツ(銀英伝6/142P)

銀河英雄伝説の一説です。

[24] 0マン 1 エンマ大王の巻

2011年07月06日 | 手塚治虫全集
手塚治虫の作品の中でも、初期の「少年サンデー」に載った

「0マン」「キャプテン・ケン」「白いパイロット」「勇者ダン」が

大好きです。毎週毎週続きを見たくって本屋さんに通った少年時代を思い出します。

当初は「少年マガジン」をとっていて

「13号発進せよ!」を見ていました。

いつの間にか、サンデーに変わって

上記の作品や藤子不二雄の「ビッグ.1」が好きでした。

また、その後は両誌を買うようになりマガジンの「マッハ三四郎」

サンデーの「大空のちかい」。ちょっと後ですが

「少年キング」の「キングロボ」など好きでした。

ああ懐かしいと思うのは

団塊の世代ちょっとあとくらいのひとでしょうか。

「巨人の星」「あしたのジョー」「デビルマン」「マジンガーZ」など

まだまだの黎明期の記憶です。

 0マンもこれは、今回発売された「少年サンデー・復刻番」ですが、

昔の「コンパクトコミック版」「全集版」「中期傑作集版」「中公ハードカヴァー版」

と5種類持っていることになります。

[22・23] ブッダ6巻・7巻

2011年06月30日 | 手塚治虫全集
第3部は続きます。

生とは、死とは…シッダルタは悩みます。

悟りを開くために「苦行」に打ち勝つことが必要だと他のサモンはいう

軀を傷付け、息を止め、断食をし、果てにはハゲタカに我が身を食べさせる

「苦行」で死ぬことは素晴らしいと彼らは言う。

シッダルタも死の一歩手前まで「苦行」をつづけるが

「苦行」なぞ自己欺瞞であることに気づき彼らと別れる。

そして、生と死や人生を突き詰めて考えているはずの彼らさえ

身分制度は当たり前のこととして、奴隷階級を毛嫌いしている。

思い込みの危険さ、しがらみを棄てきれない人間の業を感じるシッダルタ。

心に残るのは、写楽が演じているアッサジー。

1回死んだことにより未来予知の力を身につけた彼は

自分が8年少しの寿命であることを知るが、淡々と毎日を過ごしている。

そして予言の日、自らを飢えた狼の子供のエサになるべく、巣の脇に身を横たえる。

火の鳥的宇宙生命観を垣間見せるが、現実の社会でのたうち回るシッダルタ。

ふと気がつくと

ブッダは「火の鳥・ブッダ編」とも言うべきものなのかもしれないと思う。

火の鳥は出てこないが、これはまさに手塚マンガだ。