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ぽかぽか春庭「南薫造風展 in 東京ステーションギャラリー」

2021-06-12 00:00:01 | エッセイ、コラム
 
20210606
ぽかぽか春庭アート散歩>2021アート散歩春(12)南薫造風展 in 東京ステーションギャラリー
 
 3月31日、バスに乗って東京駅へ行きました。
 東京タワーと桜という絵になる光景を見たいと思って。しかし、今年の桜は早かったため、3月末にはすでに桜は散り敷き、東京タワー周りの芝公園でも日比谷公園でも見ること能わず、東京駅へ。
 駅前広場は行きかう人も少なく、暑いくらいの日差し。
 駅前で娘と「東京オリンピックまでのカウントダウン」のディスプレイと写真を撮りました。
 
 東京駅へ来たのは。娘が東京ステーションギャラリーのチケットに応募して、「東京都内で5名様」という希少当選者になった、というので、東京駅で待ち合わせたのです。
 「没後70年南薫造」、
 会期、2021年2月20日(土)〜2021年4月11日(日) 
 
 娘は「応募したのに、展示されている南薫造のこと、はじめて聞いた」というので、事前レクチャー。美術教科書などに、明治期洋画家のはしりとして紹介されています。といっても、私も知っていることは教科書の紹介に出ていたこと程度。近代美術館で何度か「6月の日」などを見たことはあるのですが、南の作品をまとめて見るのは初めてです。 
 
ステーションギャラリーの口上
 東京ステーションギャラリーでは2012年の再開館以来、一貫して近代洋画の展覧会の開催を続けてきました。それは多くの優れた洋画家たちの業績が忘れられるのを恐れるからであり、優れた美術が、たとえいま流行りではなかったとしても、人の心を揺り動かすものであることを信じるからです。
 南薫造(1883-1950)、明治末から昭和にかけて官展の中心作家として活躍した洋画家です。若き日にイギリスに留学して清新な水彩画に親しみ、帰国後は印象派の画家として評価される一方で、創作版画運動の先駆けとなるような木版画を制作するなど、油絵以外の分野でも新しい時代の美術を模索した作家ですが、これまで地元・広島以外では大規模な回顧展が開かれたことがなく、その仕事が広く知られているとは言えません。
 本展は、文展・帝展・日展の出品作など、現存する南の代表作を網羅するとともに、イギリス留学時代に描かれた水彩画や、朋友の富本憲吉と切磋琢磨した木版画など、南薫造の全貌を伝える決定版の回顧展となります。
 
 私は、2月に竹橋の近代美術館を訪れたときも、南の「6月の日」を見てきましたし、好きな画家の一人です。
 ステーションギャラリーの口上によれば、出身地の広島で開催された大規模な回顧展のほかには南薫造の回顧展はこれまでなかったと。
 娘がチケット応募してくれて、思いがけず南の作品をまとめて見る機会となりました。没後70年というと、著作権は切れているのですが、回顧展ではあちこちの美術館からの借り集めですから、美術館には所有権があり写真撮影は許可されていませんでした。「6月の日」は、近代美術館所蔵ですから、近代美術館に展示されているときは、撮影自由です。
 
 南薫造「6月の日」
 
 写真撮れないので、図録を買おうかどうか迷いましたが、娘のすすめで、帰りにショップによって、絵ハガキ30枚セットというのを買いました。その中に娘が気に入った作品がなかったのが残念ですが、南薫造の代表作の絵ハガキ、順次青い鳥さんに送り届ける楽しみがあります。
 
 娘が一番気にいった「すまり星」(1921年、東京藝術大学 )は、絵ハガキ30枚のなかには入っていませんでした。
 
 
 個人蔵の作品はもちろん初めて見るのですが、公的な美術館の所蔵でも、呉市美術館とか見にいけない所にあると、近くの美術館で見ることができ、ありがたいなあと思います。混み合う電車での通勤とか物価の高さとか、悪いこともいっぱいあるけれど、気軽に低料金で見ることのできる美術館がたくさんあるの、は東京に住む利点のひとつ。
 
 「生家の近く」(1947年頃、個人蔵 )
 
 南は、東京美術学校で黒田清輝の指導を受けた後、1907(明治40)にロンドンへ留学。日本からの画学生が向かう油絵のパリではなく、水彩画のよい作品があるロンドンに惹かれたのです。
 
 「ロンドンの裏庭」(1907年 広島県立美術館 )
 
 「少女」(1909イギリス滞在中の作品)
 
 帰国後は、東京美術学校教授などで後進の指導にあたり、戦時中はふるさとに疎開。東京に戻ることなく、故郷呉市でなくなりました。
 水彩、版画作品も、たくさん展示されていました。
 
 「庭」1947 家族をモデルにした作品。
 
 
展示室内
 
 
 ステーションギャラリーを訪れる楽しみのひとつは、東京駅開業当時100年前のレンガを見ることができることです。
 
 東京五輪までのカウントダウン。開催されるんでしょうか。
 
<つづく>
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