2013/08/27
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>>十三里半日記8月(4)野外バレエ
妹は毎年、清里の「萌木の村」で行われる野外バレエを見に来ています。私が妹といっしょに見たのは2008年に1度だけ。そのあとも毎年誘ってもらっていたのですが、2009年には中国に赴任していたし、2010年は博士論文執筆で煮詰まっていました。2011年には震災アパシーが続いており、2012年は、姑の具合が悪くなったので、自分だけ遊んでいる気分になれず、というわけで、5年ぶりのフィールドバレエです。
八王子にあるバレエシャンブルウエスト(今村博明&川口ゆり子主宰)が毎年、清里萌木の村に設置された特設舞台で野外バレエ公演を行ってきました。今年は24回目の公演でこれまで3本立ての演目でしたが、今年から一演目だけになって上演されます。
演目は『ジゼル』。1841年に初演されたロマンチックバレエの代表作です。
未婚の娘が愛する人と結ばれることなく亡くなったとき、娘は妖精ウィリとなり、夜中に森に迷い込んできた男性を死ぬまで踊らせるというオーストリア地方の伝説がありました。この伝説がハインリッヒ・ハイネによって紹介されると、広く知られるお話となり、バレエに脚色されました。
スペシャルゲストが下村由理恵というので、楽しみにしていたのですが、日替わりトリプルキャストの『ジゼル』、私が見た8月3日夜は、川口ゆり子でした。妹と、「御大はじょうずだろうけど、若い人の踊りを見たかったわね」と言い合いましたが、仕方ありません。川口ゆり子、年齢は公表していないけれど、1964年にバレリーナとして主役デビューですから、2013年には60代後半。70歳かも。舞台終えてから近くでみる機会があったのですが、すんごいメークです。けれど、そこは演技力。舞台の上では可憐華麗なジゼルでした。
この公演のいいところは、リハーサルを無料で見ていられること。野外舞台があるだけでリハーサル室などないので、芸術監督が指導してマイクでダンサーにダメ出しをしながら、踊りが仕上がっていくようすを見ていて、完成した舞台を見るのとはまた異なるおもしろさがありました。
リハーサル風景
姪は子供のころずっとバレエを習っていて、日比谷公会堂で公演があったときは、私も花束を持って見にいきました。
「今、保育園のお遊戯会なんかするとき、振り付けなんかするのに役立っているでしょう」と聞いてみたら、「うん、でも今の受け持ちはゼロ歳児と1歳児だから、おゆうぎするほどじゃないの」とのこと。
舞台はブドウ収穫祭村祭りのシーンでは野外ステージならではの、打ち上げ花火がバンバンと上がり、思いがけず花火も楽しめました。
第2幕の墓場シーンも、舞台が森に包まれているので、とても雰囲気がよく出ていました。
フィナーレ

ジゼルは愛するアルブレヒトに裏切られました。アルブレヒトは公爵の身分を隠してジゼルを愛しましたが、実は君主の令嬢バティルド姫という婚約者がいたのです。アルブレヒトの裏切りを知って狂乱したジゼルは、死後ウィリとなります。
ジゼルの墓にもうでで後悔するアルブレヒト。ウィリの長ミルタはアルブレヒトを一晩中踊らせるよう、ジゼルに命じます。疲れて命絶えるまで踊りつづけさせるのが、乙女の純情を裏切った男への制裁なのです。しかし、ジゼルはアルブレヒトの命乞いをするのです。
やがて朝が来て、ウィリたちは立ち去り、アルブレヒトがひとり森に残されます。
裏切られた思い、痛めつけられた思いは死後ものこるだろうと思います。日本の夏はそんなうらめしや~の幽霊たちがうごめく季節。
でも、ジゼルは恨みを捨て、純粋な愛の力によってアルブレヒトを守ります。
わたし?ケニアでちょいと親切にしてもらったからってうかうか結婚しちまって、30余年。まあ、夫を死ぬまで躍らせるよりは、自分が踊っていたほうが楽しいから、この夏もジャズダンスの練習に励んでいます。9月、発表会です。むろん、後ろの列の端役です。
フィールドバレエのリハーサルで、芸術監督のするどい声がコールドバレエの人に飛んでいました。「そこ!右端の人、それでパドブレやってるつもりなのか!本番でそれじゃないだろうね!」先生が主役しか見てないと思って、練習では手抜きするコールドを、先生の目は見抜いているんだわん、と反省しました。
先日のジャズダンスサークルの練習で。
床にあお受けに寝て両足を30度60度90度と上げていき、先生がダンサーたちのおなかを押してみて、腹筋を確認していました。先生、私のおなかをぽこぽこと押して「あはは、発表会まであと半月でこのおなかをなんとかしなくちゃね」と笑い出しました。
はい、十分承知しております。でも、この脂肪の塊を何とかするには、1年ほど絶食でもしなければならず、、、、、先生の叱咤激励身にしみましたが、なんともならぬでしょう。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>>十三里半日記8月(4)野外バレエ
妹は毎年、清里の「萌木の村」で行われる野外バレエを見に来ています。私が妹といっしょに見たのは2008年に1度だけ。そのあとも毎年誘ってもらっていたのですが、2009年には中国に赴任していたし、2010年は博士論文執筆で煮詰まっていました。2011年には震災アパシーが続いており、2012年は、姑の具合が悪くなったので、自分だけ遊んでいる気分になれず、というわけで、5年ぶりのフィールドバレエです。
八王子にあるバレエシャンブルウエスト(今村博明&川口ゆり子主宰)が毎年、清里萌木の村に設置された特設舞台で野外バレエ公演を行ってきました。今年は24回目の公演でこれまで3本立ての演目でしたが、今年から一演目だけになって上演されます。
演目は『ジゼル』。1841年に初演されたロマンチックバレエの代表作です。
未婚の娘が愛する人と結ばれることなく亡くなったとき、娘は妖精ウィリとなり、夜中に森に迷い込んできた男性を死ぬまで踊らせるというオーストリア地方の伝説がありました。この伝説がハインリッヒ・ハイネによって紹介されると、広く知られるお話となり、バレエに脚色されました。
スペシャルゲストが下村由理恵というので、楽しみにしていたのですが、日替わりトリプルキャストの『ジゼル』、私が見た8月3日夜は、川口ゆり子でした。妹と、「御大はじょうずだろうけど、若い人の踊りを見たかったわね」と言い合いましたが、仕方ありません。川口ゆり子、年齢は公表していないけれど、1964年にバレリーナとして主役デビューですから、2013年には60代後半。70歳かも。舞台終えてから近くでみる機会があったのですが、すんごいメークです。けれど、そこは演技力。舞台の上では可憐華麗なジゼルでした。
この公演のいいところは、リハーサルを無料で見ていられること。野外舞台があるだけでリハーサル室などないので、芸術監督が指導してマイクでダンサーにダメ出しをしながら、踊りが仕上がっていくようすを見ていて、完成した舞台を見るのとはまた異なるおもしろさがありました。
リハーサル風景

姪は子供のころずっとバレエを習っていて、日比谷公会堂で公演があったときは、私も花束を持って見にいきました。
「今、保育園のお遊戯会なんかするとき、振り付けなんかするのに役立っているでしょう」と聞いてみたら、「うん、でも今の受け持ちはゼロ歳児と1歳児だから、おゆうぎするほどじゃないの」とのこと。
舞台はブドウ収穫祭村祭りのシーンでは野外ステージならではの、打ち上げ花火がバンバンと上がり、思いがけず花火も楽しめました。
第2幕の墓場シーンも、舞台が森に包まれているので、とても雰囲気がよく出ていました。
フィナーレ

ジゼルは愛するアルブレヒトに裏切られました。アルブレヒトは公爵の身分を隠してジゼルを愛しましたが、実は君主の令嬢バティルド姫という婚約者がいたのです。アルブレヒトの裏切りを知って狂乱したジゼルは、死後ウィリとなります。
ジゼルの墓にもうでで後悔するアルブレヒト。ウィリの長ミルタはアルブレヒトを一晩中踊らせるよう、ジゼルに命じます。疲れて命絶えるまで踊りつづけさせるのが、乙女の純情を裏切った男への制裁なのです。しかし、ジゼルはアルブレヒトの命乞いをするのです。
やがて朝が来て、ウィリたちは立ち去り、アルブレヒトがひとり森に残されます。
裏切られた思い、痛めつけられた思いは死後ものこるだろうと思います。日本の夏はそんなうらめしや~の幽霊たちがうごめく季節。
でも、ジゼルは恨みを捨て、純粋な愛の力によってアルブレヒトを守ります。
わたし?ケニアでちょいと親切にしてもらったからってうかうか結婚しちまって、30余年。まあ、夫を死ぬまで躍らせるよりは、自分が踊っていたほうが楽しいから、この夏もジャズダンスの練習に励んでいます。9月、発表会です。むろん、後ろの列の端役です。
フィールドバレエのリハーサルで、芸術監督のするどい声がコールドバレエの人に飛んでいました。「そこ!右端の人、それでパドブレやってるつもりなのか!本番でそれじゃないだろうね!」先生が主役しか見てないと思って、練習では手抜きするコールドを、先生の目は見抜いているんだわん、と反省しました。
先日のジャズダンスサークルの練習で。
床にあお受けに寝て両足を30度60度90度と上げていき、先生がダンサーたちのおなかを押してみて、腹筋を確認していました。先生、私のおなかをぽこぽこと押して「あはは、発表会まであと半月でこのおなかをなんとかしなくちゃね」と笑い出しました。
はい、十分承知しております。でも、この脂肪の塊を何とかするには、1年ほど絶食でもしなければならず、、、、、先生の叱咤激励身にしみましたが、なんともならぬでしょう。
<つづく>