医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

うつ病に対するイノシト―ルとビタミンB複合体の効果の臨床例について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-04-28 23:53:13 | 健康・病気

うつ病の治療では、抗うつ薬の副作用が問題になっていますが、そこで自然で、体に優しい治療法が注目されつつあります。いろいろ調べましたが、栄養医学的アプローチの研究が、米国で行われており、そのポイントについて考えていきたい、と思います。なお、ビタミンB複合体の脳神経に及ぼす作用は、数多くあります。ここでは、そのビタミンB複合体のうつ病の臨床例に対する効果について考えていきたい、と思います。

症例1
William(匿名)は、現在、摂取しているビタミンB複合体を中心としたビタミン併用療法がうまく効いている、と考えています。彼の摂取ビタミンの概要は、魚油(そのEPA,DHAは、以前はビタミンFと呼ばれていた)600mg/日、を毎朝、ビタミンB複合体の大量摂取、すなわち、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、ビタミンB6、コリン、、イノシト―ル、PABA、それにパントテン酸をそれぞれ約70mg/日、葉酸260μg/日、ビタミンB12 160μg/日、ビオチン70μg/日、それにテアニン(緑茶の旨味成分でガンマ―エチルアミノーLーグルタミン酸のこと)200mg/日の併用摂取は、Williamのうつ症状には有効、と彼は述べています。

また、コーチゾンのコントロールと軽い苦悶状態に対する効果故、ビタミンC約3,500g/日、酸化Mgを400mg/日(気分のコントロール)、それにイノシト―ル末、約12g/日(気分とインスリンのコントロール)をWilliamは摂取しました。これらの結果に対し、更なる症例の積み重ねを望んでいます。

ところで、イノシト―ルは、炭水化物の一種で、糖尿病患者には安全であるばかりでなく、糖尿病患者の場合、インスリン感受性を高めます。その他の糖アルコール(キシリトール、erythritol, tagatoseなど)のいくらかは、糖尿病患者には安全で、甘味料としても用いることができます。また、インスリン抵抗性を改善します。イノシト―ルは脳に存在する糖アルコールでもあります。このイノシト―ルは、いろんな疾患(うつ病、強迫神経症、糖尿病、その他の疾患など)に大変有益である、と期待されています。更なる研究を期待しています。

なお、米国では、抗うつ薬を中心とした薬物療法医と栄養と栄養サプリメント、ハーブの併用療法を中心にした自然療法医に大きく二つに分かれて、治療しています。また、うつ病ではビタミンB群大量療法が実施されていますが、腎臓に問題を抱えている人は、この治療法が適切でないので、これらのビタミンに詳しい専門家に相談下さい。

Reference

Inositol against depression HomeRemedy: The People's Pharmacy

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