医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

環境性発がん物質のニトロソアミンへのビタミンCの発がん抑制作用について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-02-19 11:05:05 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
環境性発がん物質として広く知られているニトロソアミンとニトロソアミドは、2級アミン、3級アミン、アミド、あるいは尿素とのニトロソ化反応により生じます。そして、ビタミンCは亜硝酸塩を窒素化合物へ還元することにより、発がん性のある硝酸塩量を低下させます。ビタミンCはin vivo、in vitroではニトロソ化を阻害することが示されています。実験結果では、形成された二トロソアミン量とニトロソアミド量の減少が示されています。Cameron博士とPauling博士は、過去のいろんな研究から、ビタミンCが腫瘍発有する可能性があるという仮説を世界に発信しました。それを受けてRiodan博士らは、ガン患者へのビタミンC点滴療法を実施し、有益な効果を報告しています。

ビタミンCはヒアルロ二ダーゼ阻害因子を維持し、適切なレベルで細胞増殖をコントロールし、腫瘍増殖と腫瘍の侵襲を抑制すると、報告されています。このことは、多くの研究者が追試を行っています。なお、ビタミンCは野菜や果物、イモ類、海藻などに広く含まれている栄養素で、大航海時代、多くの船員が、長期の航海でビタミンC欠乏による壊血病で亡くなった話は有名です。現代でも、加工食品やファーストフードの長期摂取での壊血病が報告されています。都会での生活者は、農村の人々に比べて、自然食品からのビタミンC摂取量が少ないのではないかと、考えられます。

References
Ewa Cameron, Linus Pauling. VitaminC and Cancer. CancerResearch. Vol39,
663-681,March ,1979