医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

コリンとベタインのガンリスクへの作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-17 15:24:26 | 健康・病気
栄養素のガンリスクへの作用が、疫学的研究やin vivoやin vitroで実施され報告されています。Shanwen Sun博士らの研究によると、ヒトと動物でのin vivoとin vitroでの研究では、食事性コリン、ベタインとガンリスクの間の関連が研究され、コリン(大豆や卵黄などに含まれる栄養素)とベタイン(魚以外の水産物、ほうれん草、甜菜、茸類に含まれる栄養素)の摂取は、ガンに対し防御作用を有する可能性があることが示唆されます。この関連を調査した疫学的研究が少しありますが、in vivoとin vitroでの研究結果とは違っていました。PubMedとEnbaseは、関係のある研究を明らかにするため、発足時から2016年三月まで調査し、結局、このメタ分析の11件の論文を発表しました。

蓄積された、関連したガンリスクは、コリン摂取のみでは、最も高いリスクの範囲から最も低いリスクまで、0.82(95%cl, 0.70から0.97)で、ベタイン摂取のみでは0.86(95%cl,0,76から0,97)、そして、コリンとベタインの併用摂取では、0.60(95%cl,0,40から0.90)でした。ガンに対してベタインとコリン併用グループは、意味のある防御効果が、研究デザイン、場所、ガンのタイプ、公表した年月日、性、研究の質のスコアに分類されて、観察されました。コリンとベタインの併用摂取を100mg/日、増量することにより、用量作用分析では、11%(0.89,95%cl,0.87から0.92)のガン発生率を減少させました。更なる研究の積み重ねにより、この研究が正しい事が証明されることを期待しています。

References
Shanwen Sun. Choline and betaine consumption lowers cancer risk:A meta-analysis of epidemiologic studies. Scientific reports.6, article number:35547(2016)