以前のこのブログでも述べたように、二型糖尿病のリスクを減らすためには、カロリーの制限だけでなく、摂取する食物の質の改善も必要です。このことが、最近、ハーバード大学の研究でも確認されました。今回は、この問題について、米国の研究を参考にしながら、考えていきたいと思います。
"the American Diabetes Associations 74th Scientific Session"によると、人の食事の全体的質の改善は、他の生活スタイルとは関係なく、二型糖尿病を防ぐのに役立つことが、わかりました。
ハーバード大学のSylvia Ley博士らの研究によると、4年より長く食事の質指標スコア―を10%だけ改善した(全粒穀物、生の果物、それに野菜をもっと多く摂取、糖分を含む飲料、食塩、飽和脂肪酸の制限)人は、そのような食事をしない人に比べて、約20%だけ二型糖尿病のリスクが減少しました。そして、食事の質は、2010年度の110ポイントある代替健康度指標を用いて、調べられました。
食事の改善は、体重の減少、あるいは運動量の増加が関係なく、二型糖尿病に対し、リスクを軽減するとしても、そのような他の生活スタイルの変化のマ―カーであるかどうか、調べました。
研究の結果、Ley博士らは、食事が、体重の減少や運動量の増加とは関係なく、二型糖尿病と関係することを、発見しました。もしも人が、その他の生活スタイル因子を改善するなら、もっと二型糖尿病のリスクを減らすと考えられますが、食事の質のみを改善することは、意義のある利点です。そのリスクを減らすため、管理栄養士の指導により、長期のカロリー制限食を摂取することは、二型糖尿病患者にとって、しばしば困難を伴います。食事の全体的質を改善できるのなら、赤身の肉、加工肉、食塩、糖を含む飲料を減らし、もっと野菜、生の果物、それに全粒穀物の摂取を増やすと、健康状態が改善され、二型糖尿病のリスクを減らせる、と博士は述べています。
日本国でも、ファーストフード摂取の増加と食生活の肉食化など、欧米の影響による食生活の変化で、二型糖尿病を始め、生活習慣病の増加が懸念されています。ここで述べた食生活の質を改善することにより、昔のスリムで、元気な日本人のようになれる、と考えています。
References
Improving diet quality reduces risk for type2 diabetes: ScienceDaily. June 14,2014
the American Diabetes Associations 74th Scientific Session.
|
筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。