医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

非アルコール性脂肪肝炎(肝臓病)と天然型ビタミンEの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-06-17 15:35:48 | 健康・病気

人間ドックの検査では、肝機能異常が一位にランクされています。そこで、肝機能異常の一つである非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と天然型ビタミンEの関係について、米国の新しい研究を参考に考えていきたい、と思います。

血中ビタミンEの低値が肝臓病と関係があるという仮説がありますが、それを証明するため、血中低ビタミンE値を有するよう生物学的操作を行ったマウスに於いて、酸化ストレスの増大、脂肪の蓄積、それにその他の肝臓障害などが、米国での新しい研究で認められました。

マウスにビタミンEを補助的に投与すると、非アルコール性脂肪肝炎と関連した症状のほとんどが消退しました。同様に、非アルコール性脂肪肝炎に関するビタミンEの役割を調べる別の研究では、d型を混ぜたトコトリエノ―ルとα-トコフェノールの両方摂取は、α-トコフェノールのみ、あるいは混合したトコトリエノ―ルを投与したラットに比べて、肝臓病のラットにおいて複合的改善が認められました。それらの改善は、肝臓での中性脂肪の蓄積の減少、脂質の過酸化値の低下、肝臓障害マ―カの改善、肝臓線維症の阻害などです。これらの研究は、天然型トコトリエノ―ル複合体と天然型α-トコフェノールを一緒に摂取することは、NASHを相乗的に改善するのに役立つことを、示しています。

非アルコール性脂肪肝炎の多くは、進行するのに何年も、何10年もかかる、ゆっくり悪化する疾患です。そのプロセスは、疾患の進行が止まり、自然に改善できますが、肝硬変への更なる悪化を伴い進行する可能性も有ります。この事が一度起こると、NASHの進行は肝障害へと続き、ストップさせることができません。

天然型ビタミンE類をサプリメントで摂取するか、もしくは食事で摂取を増やすことは、NASHの進行を止めるのに役立つ、重要なステップとなる可能性が有ります。肥満しているなら減量と共に、肝臓のストレスの増大(アルコール摂取、果糖の法外な摂取、不必要な薬物療法など)を避け、適正量のビタミンEやマルチビタミンの摂取、それに肝臓病食などは、NASHのリスクを減らす一歩となります。なお、悪い結果にならないよう実施すべき時期は、永久的な肝障害が起こる前です。また、この研究に関しては、更なる追試が望まれます。

Reference

vitaminE may help alleviate  symptoms of liver disease brought on by obesity: Mercola.com. May 20,2013

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