医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ショウガの肝臓保護作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-05-19 13:33:51 | 健康・病気

肝臓は、インスリン抵抗性、ウイルス、アルコール、寄生虫、栄養のアンバランス、それに化学物質などの脅威にいつも曝されており、そのことが全身の代謝機能に悪影響を及ぼしています。そして、現在は、いろんな対策がとられていますが、今回は、ショウガの肝臓保護作用について考えていきたい、と思います。

2010年の"Indian Journal of pharmaceutical Science"誌によると、実験動物では、ショウガと
チコリ―は、肝臓保護作用を示しました。体重あたり250~500mg/kgのショウガとチコリを同量、単独、あるいは併用した時、肝臓のダメージを著しく改善し、血液組成を正常に回復させました。
また、5g/kgまでの投与量では、毒性は認められませんでした。肝臓組織の顕微鏡での検査では、ショウガとチコリ―による改善が認められました。更なる追試が望まれます

2011年の"Nutrition and Metabolism"誌によると、ショウガは、肝臓線維症(退行性瘢痕の形成)に対し、防御作用を有する可能性が有ります。研究者らはショウガのいろんな抽出物をテストし、それらが肝臓に対し、重要な抗酸化酵素値(glutathione, superoxide dismutaseなど)の上昇を確認しました。更なる研究を期待しています。

2011年1月の"World Journal of Gastroenterology"誌によると、ショウガは、近年、増加しているインスリン抵抗性に伴った一般的症状である非アルコール性脂肪肝に対し、防御作用を有する可能性があります。また、肝臓の酸化ストレスを減らすことにより、脂肪肝の症状を予防し、治療するのに役立つ可能性が有り、インスリン抵抗性を減らし、炎症やその症状の一因となるすべての因子を阻害します。さらに、このことについては、臨床試験が行われています。

King Khaled大学の研究によると、肝臓や腸管にダメージを与える寄生虫(住血吸虫)は、
ショウガ抽出物による治療に、十分反応する可能性があります。また、ショウガが、いくつかの試験した植物の中で、もっとも強い阻害作用を示し、寄生虫のある部位の欠損を伴った表面構造の変化と、その他の部位の弱化が確認されました。肝臓組織の顕微鏡での検査では、寄生虫による影響を受けた部位は少しでした。これから多くの追試が行われ、上記結果の確認が必要、と考えられます。

References

What are the health benefits of ginger for the liver?: LIVESTRONG. COM. Feb 3,2014

 

Ginger and diabetes: Diabetes. co.uk

A modest dose of ginger improves 8 markers of diabetes type 2: Green Med Info.February 7,2014