医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

卵巣ガン対策での最近のビタミンC点滴併用療法の効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-05-05 21:29:45 | 健康・病気

卵巣ガンの原因については、いろいろありますが、全体的には約50%の致死率で、手ごわいガンです。このガンも化学療法にビタミンC点滴療法を併用することにより、寛解率を高めると言うカンザス大学の研究がありますので、そのポイントについて考えていきたい、と思います。

カンザス大学のChapman博士やDorisko博士らの研究によると、ビタミンC点滴療法を化学療法と併用することにより、幾人かの卵巣ガン患者では、ガン細胞を殺すのに役立つ一方、化学療法の毒性を緩和するようです。

動物やヒトの細胞内でのビタミンC点滴療法の評価において、ビタミンCと化学療法剤(carboplatin,paclitaxel)の併用は、実験室では卵巣ガンの進行をストップさせ、また、卵巣ガンに罹った患者では、化学療法に伴った毒性を緩和させました。なお、米国やカナダでは、リオルダン博士など補完・代替療法を実施している医師は、1970年代から現在まで
ビタミンC点滴療法を続けています。

ビタミンC点滴療法は、その薬物動力学的違いにより、経口投与とは作用機構が違っているようです、経口投与は予防に、点滴は治療に向いているようです。また、両方とも正常細胞には害を与えないようです。その点滴は、いくつかのガン細胞を殺します。

ステージ3、もしくはステージ4の卵巣ガンと新たに診断された27名のガン患者が臨床研究に参加し、paclitaxel、もしくはcarboplatinとビタミンC点滴の併用を受けた患者は、5年間のモニターでは、化学療法剤の毒性作用が少ない傾向が有りました。

Dorisko博士らの研究によると、卵巣ガン患者は、ビタミンC点滴による毒性と安全性を試験するべく、初期のフェーズの臨床試験を受けました。この結果はまた追って報告しますが、Pauling博士らの研究では、フェーズ3やフェーズ4のガン患者より、フェーズ1や2のガン患者でのビタミンC療法の有効性がより高いと報告されていますので、Drisko博士らの初期のフェーズの卵巣ガン患者では、ビタミンC点滴療法と化学療法の併用は、フェーズ3や4よりは、効果がより強い、と考えられます。なお、これらにショウガ療法とビタミンD3、適正量のマルチビタミン・ミネラルを併用投与することは、一般的治療法になるのではないか、と考えられます。また、マルチビタミン・ミネラルは体内の代謝の調和を保つ意味で必要です。

References

Benefits of high-dose vitaminC for ovarian cancer patients: ScienceDaily. Feb 10,2014

VitaminD increases breast cancer patient survival, study shows:ScienceDaily. March 6,2014

Y. Ma. Chapman, et al: High-dose parenteral ascorbate enhanced chemosensitivity of
ovarian cancer and reduced toxicity of chemotherapy. Science Translational Medicine,2014; 6(222):222ra18DOI:

藤井毅彦:"ガンの予防し、治すビタミンC療法"、日本ビタミンC研究会、1982年