医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病の血糖値とショウガの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-05-14 22:10:30 | 健康・病気

糖尿病とショウガの関係は以前のブログで紹介しましたが、更に多くの情報が必要なので、ここに紹介します。ショウガは、アフリカ、インド、オーストラリア、ジャマイカ、それに中国などの原住民が、代替的ハーブ療法として、長年用いてきた、有名な食品です。

2012年8月の"The Natural Product Journal Planta Media"誌によると、ショウガは2型糖尿病の、長期にわたる血糖値のコントロールを改善する可能性が有ることが、示唆されました。

シドニー大学の研究によると、ジンゲロールが豊富に含まれるブテリムショウガの抽出物(ショウガの根茎に多い、主たる活性成分)は、インスリンを使わずに筋肉細胞へのグルコースの取り込みを増やすことができ、高血糖症の管理の助けとなる可能性があります。

2009年12月の"The European Journal of Pharmacology"誌によると、2種のショウガの抽出物(spissumと油性抽出物)は、インスリン分泌に及ぼす影響をリバースするセロトニン受容体と
相互作用します。ショウガの抽出物による治療は、血糖値を35%ほど下げ、血漿インスリン値を10%ほど高めます。

2010年8月の"Molecular Vision"誌によると、ショウガの毎日の少量摂取は、白内障(長期糖尿病の合併症)の発症と進行を遅らせるのに役立ちます。また、ショウガは低グリセミック指数(GI)を有し、グルコースの形成をゆっくり阻害し、高グリセミック指数の食品のように血糖値の
スパイクの引き金となりません。

その他の効果では、ショウガは、消化の助けとなり、風邪と戦い、痛みを和らげます。この強力な抗炎症性物質(ジンゲロール)は関節炎(炎症や筋肉の痛み)患者の痛みと腫れを抑えるために、よく用いられています。実際、非ステロイド性抗炎症薬として有効で、胃腸管の副作用はありません。また、気管支炎、胸やけ、生理痛、吐き気と嘔吐、胃の不調、下痢、上部呼吸器感染症などに有効で、万能薬的要素があります。その他の疾患にも有効で、以前のこのブログで紹介しています。

References

Ginger and Diabetes: Diabetes. co.uk

Ginger for type2 diabetics: This power herb is scientifically proven to increase insulin sensitivity: Natural News. June 27,2013