医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病の米国での食事療法について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2012-12-23 19:59:50 | 健康・病気

糖尿病患者にとって、正しい食品の選択は、血糖値の管理に有益です。食事計画は、将来の合併症の発症の有無に関わるので、食事と間食にどのような食品をどれだけ食べるかを、語ってくれます。米国においては、健康的な食事は、炭水化物からカロリーの40%から60%、蛋白質から20%、脂肪から30%以下が適正だと言われていますが、しかし、日本人の場合は、体質、体格が違うので、脂肪摂取量を、米国より低く抑えることが必要と、考えられます。また、健康的な糖尿病食では、食品コレステロール、塩、それに糖分が低くなければいけません。近年、多少、糖分を摂取することは、糖分がバランスのとれた食事の一部であるかぎり、通常、問題とならないと報告されています。しかし、その量に注意しなければいけません。

一般的には、一回の食事に於いて量的割合では、炭水化物を2から5まで(60gまで)、蛋白質を1,脂質を一定量となっています。炭水化物では、缶詰の果物より、もぎたての新鮮な果物、100%果物のジュ―ス、野菜ジュース、乾燥させた果物などがお勧めですが、取り過ぎないよう注意して下さい。無脂肪マヨネーズ、ケチャップなどは炭水化物を含んでいます。蛋白質では、赤身の肉より鶏肉、魚、貝をよく食べるようにしてください。鶏肉の皮は食べない方が良いようです。すべての肉から余分の脂肪分を除いて下さい。チーズやヨーグルトは無脂肪か、脂肪分を減らしたものを食べてください。

バター、マーガリン、ラ―ドと食用油は、食品に脂肪分を加えることになります。油で揚げた食品、マヨネーズをベースにした食品、ベーコンと高脂肪の酪農製品、トランス脂肪酸を含む加工油脂などは、できるだけ避けてください。また、無脂肪の食品を食べる時、どのくらいの炭水化物を含むか、ラベルでチェックして下さい。食品に添加した糖分に注意して下さい。

食品交換表の例では、果物では、新鮮な果物小一切れ、ないし中一切れと1/2カップのフルーツジュースは、一人前あたり約15gの炭水化物を含みます。野菜では、一人前あたり計量カップ一杯の生野菜と1/2カップの調理した野菜、野菜ジュースはそれぞれ5gの炭水化物を含みます。デンプンでは、一切れの食パン、1オンスの食パン、1/2カップのパスタ、シリアル、それにデンプンを含む野菜など、それぞれは、一人前あたり15gの炭水化物を含みます。砂糖、蜂蜜、糖蜜などは、一人前茶サジ一杯4gの炭水化物を、ミルクは、一人前1カップあたり12gの炭水化物と8gの蛋白質を含みます。蛋白質は、一人前1オンスの肉、魚、鶏肉、チーズとヨーグルト、それに1/2カップの乾燥豆などです。脂肪分はナッツ、種子と少量のべ―コン、それにピーナッツバターなどです。なお、茶サジ一杯の食物油、バターかマーガリンでは、5gの脂肪分を含みます。

これらは、米国の糖尿病患者向けの食品交換表の例ですが、日本でも、和食を中心とした糖尿病向け食品交換表が開発されているので、インターネットで検索して活用して下さい。基本的事項のカロリー摂取量は、体格を考慮して、良く似ています。また、管理栄養士など医療食の専門家に相談して下さい。

References

Diabetes and Nutrition: Family Doctor.org

Diiabetes :Nutrition Australia

筆者の栄養医学ブログは、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39のブログで発信しています。