医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

糖尿病合併症の白内障対策と生姜の効果について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2012-12-11 21:22:03 | 健康・病気

白内障の進行は、慢性糖尿病患者によく見られます。Molecular Vision, August 2019に載った論文によると、糖尿病を発症させたマウスの白内障を、生姜が予防する可能性が報告されました。その糖尿病マウスは、食餌に3%の生姜を含ませ、2ケ月摂取させ、プラセボと比較しました。その白内障の進行はモニターされました。結果は、生姜は糖尿病の発症を遅らせるだけでなく、白内障の進行を遅らせることが証明され、糖尿病合併症の予防、あるいは遅発に対し、有効であると結論づけられました。更なる研究により、この事が証明されることを期待しています。それまでは、生姜を食事や飲み物に多用することは、糖尿病対策だけでなく、ガンを含めた生活習慣病に有益であるので、勧められています。

糖尿病に於けるインスリン分泌については、ホルモン分子経路のブロックの重要性が、
抗糖尿病作用との関連で確認されています。European Journal of Pharmacology, December 2009に載った論文によると、この研究者らは、インスリン遊離を阻害するセロトニン受容体と相互作用することが知られている、いろんな生姜抽出物を研究し、2つの異なった生姜抽出物(spissumと油性抽出物)が、この状態を可能にしました。生姜抽出物で治療後、血糖値が約35%程低下し、血漿インスリン値は、約10%程、増加したことが、証明されました。セロトニン受容体システムは、インスリンの遊離の調整に関係し、いろんな生姜抽出物は、糖尿病の症状の改善に、食事療法や運動療法と共に用いることができると、この研究者らは結論づけています。更にエビデンスの積み重ねを期待しています。

メタボリック症候群については、生姜抽出物は、メタボリック症候群、糖尿病と脂質異常症に特徴的な症状、脂肪代謝障害をコントロールするのに、代替医学では用いられています。もちろん、生姜の根茎そのものを用いても有益と考えられます。

Basic Clinical Pharmacology and Toxicology, May 2009に載った論文によると、メタボリック症候群の進行に及ぼす生姜のエタノール抽出物の、その進行防止に関する研究では、体重、グルコース、インスリン、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライド、遊離脂肪酸、および試験動物中のリン脂質は、生姜療法で明らかに減少しました。しかし、HDLコレステロールの明らかな変化は、対照グループに比較して観察されませんでした。更なる研究の積み重ねが必要ですが、安全性も高いし、漢方薬にも多用されているので、生姜は日々の食生活に取り入れることは賢明と、考えます。

References

Ginger for lowering diabetes: LIVESTRONG.COM

Ginger can control diabetes:Times of India

Ginger improves digestion :Benefits for Type 2 diabetes: Bastyr center for natural health