goo blog サービス終了のお知らせ 

グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

秋晴れの2日間

2012年10月21日 | ツアー
秋晴れの週末2日間、3社の出版関係の方達と歩きました。

昨日は、山頂口バス停~火口一周~裏砂漠~樹海~温泉ホテルへ抜けるフルコースへ。
なんと豪華お弁当を山頂で食べるという初企画。

観光協会の岡田さんが、段ボールに入れた6人分のお弁当を持って山に登ってくれました!
重そうでみんなで心配しましたが「大丈夫です」とニコニコ。

いつもの通り、溶岩や植物を観察しながら山を登っていきました。
遊歩道の両脇の草が刈られて明るくなったからか、意外な花が咲いていることに気がつきました。

センブリです。何株も咲いていました。
今まで大きな草に覆われながらも、ひっそりと生きていたんですね。

センブリは下痢、腹痛などに効くと言われる植物で、その苦みが有名です。全員で葉を口に含み「苦い~!」と言い合いながら山頂を目指しました。(疲れを忘れる苦さでした・笑)

海を見下ろしながらのランチタイムは、島の食材をふんだんに使った「島弁当」をいただきました。
(岡田さん、ありがとうございました!)

眼下に外輪山や光る海を見下ろしながら、島料理に舌鼓…最高に贅沢な気分でした~。
(普段はオニギリなので・笑)

火口一周コースにある火山弾に座ってポーズ。


「この岩、寝心地いい~」


「奇麗~!」

キラキラ輝くススキで、山全体が光って見えました。

広範囲のキラキラのみならず(笑)、風に揺れるキラキラ越しに真っ黒の山を見上げるのも素敵です。


新動物の発見もありました(?)Aさんが溶岩のカエルを発見。みなさんも次々に「あ!本当だ。カエルに見える!」と賛同されるのですが、私だけなかなか見つけられません…。

でも、じ~っと見つめていたらやっとカエルが見えてきました。
読者のみなさんも、この画像の中のカエル探してみてください。
(ヒント。ツルツルの溶岩です。目玉が2個飛び出ています~)

さて、今日です。
今日は裏砂漠を中心に、森や海に立ち寄りました。

うわ~。

バ、バランス良いですね。

うわ~。

飛びますねぇ…。

伊豆大島、体感取材って感じですね!

いや~、いっぱい笑って面白かったです。

そうそう、今日はこんな素敵なものも見つけました。
なんと、レースのようになったガクアジサイの飾り花。

時々、葉脈だけになったレースのような葉は見かけますが、飾り花もこんなふうになるんですね。
芸術的!

芸術的と言えば…2日間ともコース上に、強風でスコリアが飛んでできたと思われる横筋がついているのが面白かったです。

きっと先日の強風で、細かい溶岩の粒が飛んで地面を削って模様をつけたのでしょう。
荒れ狂う風を思い描いたら、ちょっとドキドキしました。

地面の横筋、うまく写真に撮れないのが残念です。

風が刻んだ縞模様って感じで、素敵だったのですけれど。

目の前の風景いっぱいのキラキラから、足もとの小さな模様まで…楽しい2日間でした!

(カナ)






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まひわふぃーばー

2012年10月20日 | 
水曜日に続いて今日もマヒワです。
たくさんいてうれしいのです。

まずは一昨日の撮影から。
空き地で数十羽の群を見つけました。

オオマツヨイグサの種を食べていました。
マヒワが生っています!(笑)


ここには6羽も。






オスのレモンイエローは本当に綺麗です。

私(車の中)とマヒワたちとの距離は一番近いところで3メートルほどでした。
突然群れから少し離れたところで1羽でいたマヒワに何かがぶつかり姿を消したと思ったら、

モズに襲われていました。
モズが小鳥を狩ったところを初めて見ました。


同日、場所を変えて撮影です。



飛翔する姿を捉えることができました。






ここでもオオマツヨイグサの種を食べていました。

時々近くのオオシマザクラで休みます。


モズ登場。

このモズはマヒワを狩るつもりはないようでした。












マヒワの群れは統率が取れているようでそうでもなくて、見ていると面白いです。
飛び方に特徴があるので遠くからでもわかります。












また降りてきました。
やっぱり綺麗なオスに目が行ってしまいます。


そして今日の撮影です。
一昨日の空き地に水溜りができていたので待っていると、やっぱり水を飲みにやって来ました。








かわいいマヒワたち。
この冬の間中たくさんいてくれるといいです。

                       がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うるう年のアオウミガメ

2012年10月19日 | 哺乳類、爬虫類、他
見出し写真は、今年の夏、
私たちの観察している浜で産卵をしたアオウミガメです。

夜中の暗い浜辺で、産卵後に海へ戻ろうと這って行く母ガメを撮影したので、
こんな具合にしか撮れませんでした。
右側が頭です(汗)

大きさの比較になりそうな1メートルほどの雨傘を置きました。
影響を少なくするために赤いライトを使っているので、
甲羅が赤っぽくなっていますが、実際の甲羅はみどり色。
英名はグリーンタートル。

この母ガメが産んだ卵の孵化予測日が近付く頃、台風が接近しました。
産卵場所に波がかぶったり、浜が削られて卵が流失する危険があったので、
卵を安全な場所へ移動するため掘ってみたところ、
ほとんどの卵が・・・・

未孵化卵で生きていませんでした。

専門家に写真を見て頂いたところ、
卵黄の表面の白っぽいものは、胚盤が分解したもののようだ、とのこと。

調べてみると、卵108個の内、生きている卵は3個だけ。
仕方なく調査員の家で卵を温めて、3匹が孵化しました。

これ↑は、まだ孵化直後で、静養中。みどり色でしょ?

東京都下の一部の島では、昔からの伝統でウミガメを捕って食べる食文化が残っています。
そのため、漁業調整委員会の規則でアオウミガメの捕獲量が制限され、
その卵の採取も原則禁止です。今回は特別に許可を頂きました。

実は、7月末のアオウミガメの産卵巣が全滅していたので、
この巣も心配をしていたのですが、まさかここまでとは・・・。
ウミガメの卵は高温に弱いのです。

それで今週、気になったニュースは、
この9月の世界気温が史上最高だったという気象庁の発表です。
世界の平均気温の統計を始めた1891年以来とのこと!

北日本でも9月の平均気温が統計を開始した1946年以降、
最も高い記録的な高温となって、7月から9月の熱中症搬送者が4万4千人弱。
死者は73人も・・・。

そんな猛暑の中、奇跡的に生き残った子ガメたち。

卵黄をしっかり吸収して、へそが閉じたら、
海へ出発の頃合です!

2004年、2008年に続いてアオウミガメの産卵がありました。
北太平洋でのアオウミガメ繁殖の北限記録更新になると思います。

孵卵温度が高かったので、この子たちはみんなメスのはず。
大きくなって生まれた浜へ帰れるように、浜の自然をみんなで残していきましょう!

3匹が出発する日。
小雨の降る中、30名ほどの方々が見送りに集まってくれました。

大きな海へ、砂浜を行く子ガメたち。元気で!!

(なるせ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊豆大島ジオパークパンフレット外周編(最終回)

2012年10月18日 | 火山・ジオパーク
外周編パンフレットについての最終回です。
今回は、様々な「変更部分」についてです。

まず、地層大切断面の年代についてですが、今まで約1万5000年分の地層、と言われてきたものは、実は約2万年分の地層と言った方が、より正確だということになりました。

「伊豆大島火山地質図」の作者、川辺禎久氏によると、年代が測られているのは1万5000年前の厚いスコリア層までだけれど、実際にはそれよりもっと古い地層まで見えていて、噴火の周期から計算すると「約2万年前」ということなのだそうです。

最下部のあたりには、海底に誕生した大島火山がだんだん成長し、海面に出て水と接触する激しい噴火をしていた時代に積もった層も見られるようです。

その層は「噴火で降り積もったスコリア層と違って粒の大きさが揃っておらず、岩片も多く、おそらく水面からそう遠くない場所で噴火していた時に積もったもの」のようです。

なるほど、地層は語るんですね~。(これに関して詳しい情報を知りたい方は、以下までメールをいただければ、資料をお送りします。gon-kana @amber.plala.or.jp)

しかし1万5000年分と覚えていたものを、2万年に切り替える時には少し戸惑いました。火山の時間で考えたら5000年はわずかでしょうが、人間の時間で考えると結構膨大ですよね。

さて、次に筆島です。

ここには最初「筆のような形から“書き初め”にちなんで何か新しいことを始める時に訪れる場所と言われている」という説明を入れていました。

以前大島を取材した本で読んだり、島に住む高校生が書いた文章で読んで「面白いなぁ。」と思っていたのです。でも念のため、樋口氏や数人の地元の人に確認したら、みなさん「聞いたことが無い」とのことでした。

どうやら、最近、一部の人の間で言い伝えられるようになったものだったようです。で、その部分はカットし「昔から神の宿る場所として崇められて来た。」という文章に落ち着きました。

次に筆島をどう説明するかを議論しました。専門的には「古い火山の火道を埋めていた凝灰角礫岩」という表現になるようなのですが「火道」も「凝灰角礫岩」も使わずに、どう一行で表現するか…?

「古い筆島火山の固い中心部」「マグマの通り道」「地上を目指す途中で固まったマグマ」などなど、様々な表現をみんなで考え、結局「古い火山の中心部にあった硬い岩が、周りを波に削られて尖った形になりました」という文章に落ち着きました。

ふうっ…。
(大なり小なり、各項目こんな感じでした・笑)

ところで今回の外周編に伴って、1年前のパンフレットを「三原山編」として、一部内容を書き換えました。


書き直したのは、主に最終ページ「ジオパークってなんでしょうか?」の部分です。
1年前の文章は…

なんだか、理屈っぽい…。

1年前は「ジオパーク」という「言葉」を読み手に「理解してもらおう」としていたのですね。
(まあ、それが普通のパンフレットなのかもしれませんが・笑)

で、一部の人と議論しながら、つくり直したのがこの文章です。

1年間「火山」を肌で感じながら島を歩くうちに、いつも伊豆大島を通して「地球」を見ているのでは?と思うようになりました。

噴火も、島独特の強い風も、


岩を削る波も


雨も、


美しい夕焼けも、


小さな生き物たちの生命も、


人の暮らしも、

みんな地球の物語の一つのように感じるのです。

「ジオパーク」という言葉を正確に理解してもらうことよりも、パンフレットを見て大島を歩いた人が「あ、この感覚、少しわかる」と共感してくれる方が、ずっと良いような気がしています。

みなさんは、どう思われますか~?

(カナ)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マヒワ

2012年10月17日 | 

前の冬が記録的に少なかった(確か私は見ていない・・・)のに反してこの秋は多いです。

今季の初確認は10月11日でした。
それから毎日見かけています。

昨日は三原山まで登って撮影してきました。


手前にススキが被ってますが(汗)メス2羽です。


こちらもメス。










おっと、これは今年生まれの若いオスかな?

たーくさんあるオオバヤシャブシの実をつついて中の種を食べています。
そりゃもう夢中で。
オオバヤシャブシは台風の影響をあまり受けずに実を付けたようです。
よかった~。


こちらはオス成鳥です。
メスよりも一段と鮮やかな色合いです。



こうして木の葉に紛れているとどこにいるのかなかなか見つかりません。
耳を澄ませると「チュクチュク」「ジュンジュン」というような独特の声が聴こえてきます。
飛んでいるときもよく鳴くのでいることがわかります。



最後はかわいいお尻!
小鳥のこういう仕草ってたまりません。
もちろん彼らは生きるのに必死なんだろうけど。



本日のオマケ。



伊豆大島にもクロハラアジサシが来ました。
12日の撮影です。
ちゃんと仲間と合流できたかな。

                        がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊豆ジオパーク外周編パンフレット(火山災害)

2012年10月16日 | 火山・ジオパーク
伊豆大島ジオパーク外周編の印刷ができあがり、町役場、元町港、岡田港、竹芝桟橋、観光協会などに配られました。

このパンフレットを作る行程で、今まで知らなかった様々なことを知ることができました。
そしてそれとともに自分の知識の無さを痛感しました。

特にそれを感じたのが火山災害や防災に関わる部分です。
例えば、元町溶岩流「町に迫った溶岩の川」

ツアーでたびたび訪れる場所ですが、ここの文章は以下のようになっています。

「1986年、山腹の割れ目から沢を流れ下った溶岩が元町に迫りました。消防関係者は流れを止めようと、海水をミキサー車で運んで水槽にため、ポンプ車で先端部分に放水しました。」

この文章を作るまで私は「溶岩に海水をかけて止めようとした」ということぐらいしか知りませんでした。なので最初は何人かの人から聞いた「海からパイプラインを引いて水をかけた」という内容をそのまま使って文章を作っていました。

ところが「溶岩流国際シンポジウム2004」という文献には「6トンのコンクリートミキサー車5台で海水を運び、簡易水槽に貯めて、ポンプ車で放水した。」ということが詳しく書かれていました。
http://www.yies.pref.yamanashi.jp/kazan/report/h16shinpo.pdf

で、この文献をもとに樋口氏(「伊豆諸島を知る辞典」著者)に、当時実際に作業に携わっていた東京消防庁の人に確認をしていただきパンフレットの文章に落ち着きました。

時間と共に人の記憶は曖昧になってしまうから、できる限りきちんとした文献を探すようにしなければいけないのですね。文章を正確なものにしていくために「裏付け」の必要性を感じました。

そして「溶岩の流れを変える」溶岩導流堤

パンフレットの文章は以下のようです。

「大規模噴火の際、外輪山から流れ出した溶岩から集落を守るために、日本初の「溶岩導流堤」が作られています。有珠山には泥流対策の、雲仙普賢岳には土石流対策の導流堤があります。」

「導流堤」とは流れてくるものの方向を変えるための誘導路のようなものですが、実はこの文章の「日本初」の部分、最初は「世界初」だったのです。

ところが、その文章を読まれた火山防災の専門家から「溶岩流の導流堤は、世界初ではありません。イタリアのシシリー島で大規模な溶岩導流堤が造られています。」というメールが届いたのです。

既に印刷所にデータがまわっていた時でした。いろいろ調べたのですが、時間もなくて詳しい文献を見つけることができず、ドタバタで「日本初の溶岩導流堤」に変更しました。

その後さらに時間をかけて調べたら、「噴火をしている時に町を守るために短期間で溶岩導流堤を掘ることは過去に行われている。ただし、噴火をする前に噴火を想定して造られた溶岩導流堤は世界初。」ということだとわかりました。(先に紹介した「溶岩流国際シンポジウム2004」の17ページから、村を守るためにイタリア、シシリー島で、人々が何を考えどのような試みをしてきたかが書かれています)

で、「大規模噴火を想定して~」の書き出しで「世界初」に戻してもらおうとしたのですが、ちょうど3連休でに入ってしまい、変更はできませんでした…。

私が世界の火山災害や、その時の人々の行動などの歴史を知っていれば、最初からちゃんとした文章が書けたはずなのですが…知識不足でした。次回の再印刷の時はちゃんと直したいです。

ところで、今回のパンフレット作りに関わってから、火山がつくった島の景色の中に人の歴史が刻まれていることを、より意識するようになりました。

「知る」ということは、とても面白いです。
あまりにも知らないことの多さに呆然としますけれど(笑)


(カナ)


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花を求めて山歩き

2012年10月15日 | 今日の大島
2~3週間出歩かなかったのでその間すっかり秋になってしまいました。
今年は花を見つける決心はすっかり忘れてしまった様でしたがここで思い出して南部に捜しに出かけました。

ヤクシソウ

ツリガネニンジン

これ!な~んだ
恥ずかしがり屋の蜘蛛

何度もシャッターを切るもうまく取れずに
拉致して道路に   撮影後は又元の処に帰しました

イヌホウズキ

実も付いています

ツルソバ

ムカシヒメヨモギ

イヌタデ(アカマンマ)

形が可愛かったススキ

隣に出ていたススキ

オオバコの上に止まっていたヤマトシジミ

アザミに夢中な蜂

ノコンギクにも蜂

ミズヒキ

ホトトギスも咲いていました


お友達の家に寄ったら
こんな顔に逢いました
誰でしょう?

でもね本当は
目が3つ有るの!
ココスヤシの種でした。この種、割って中が見たいとペンチで頑張ったのですが割れませんでした。芽は何処からでるのでしょう?

帰りは遠くに夕焼けが…

秋は沢山の物が見つかりますね。みんな大島ではおなじみの物ばかりですが(しま)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海のふるさと村主催のジオツアー

2012年10月14日 | 火山・ジオパーク
今月の27日(土)に、海のふるさと村主催ジオツアーが行われることになり、先日その打ち合わせに行ってきました。

ふるさと村の敷地内には、このような標識の散策路があって…


一歩森に踏み込むと、このような景色が広がっています。

以前も報告したことがある、溶岩の森。
カルデラの中に広がるハチジョウイヌツゲとヒサカキが優先する森よりも、樹高が高い木が多いです。

この森を歩きながら、ふるさと村のスタッフの人に1986年の噴火当時の様子を教えてもらいました。

空から大きな溶岩が飛んで来てオープンしてまだ半年だった建物の屋根を焦がし、修理が必要になったこと。職員の人のゴルフバックが燃えてしまったこと。噴石が飛んでくる方角に向かって帰るしかなく(他に道がなかったため)大変な思いをしたこと、などなど…。

最初は「火口から4km近く離れた場所に、屋根を壊すほどの噴石?」と不思議に思いましたが、すぐに「ああ、そうか、割れ目噴火からの噴石か~。」と思いつきました。割れ目噴火から噴き出した溶岩は中央火口からのものよりかなり高く吹き上がったようだし、その分遠くまで飛んだのではないかと…。

このことについて、伊豆大島火山地質図の作者、川辺禎久氏に質問してみました。
いただいた回答を私一人で知っているのはもったいないので、以下にメールを全文コピーします。

「1986年噴火でふるさと村周辺に積もったのは、割れ目噴火のスコリアですが、厚さは10cm程度、直径は数cmのものが大半で、ごく一部に10cm程度のやや密度の大きな噴石がありました。おそらく煙を出すくらい熱かったのはそれではないかとおもいます。
高さ10kmの噴煙柱からは、10cm程度の噴石が数km先におちてくることはままあって、火災を起こすことがあります。たとえば、浅間山の天明噴火では軽井沢で軽石が落ちてきて火災が起きています。
伊豆大島の1986年噴火では、A火口から三原山のふもとくらいまで四畳半を越えるくらいの大きさの溶岩の座布団が降っています。B火口でも火口近く数百mくらいまで数mくらいの火山弾が飛んでいます。(Aは中央火口、Bはカルデラ内の割れ目火口です。)
ただ4km先に直径1m近い噴石を飛ばすのは、ブルカノ式噴火やマグマ水蒸気爆発などのかなり爆発的な噴火でないと難しいです。波浮港の噴火では、直径30cmが700mくらい、5cmなら1km超えるくらい飛んでます。」

なるほど…。
噴火、すごい…。

ところで、ふるさと村周辺の森の地面には、黒い穴だらけの溶岩の粒(スコリア)が積もっています。

今がまさに旬のスダジイの実と同じぐらいのツブツブ具合で地面を覆っていますが、このスコリアは森を焼かなかったのでしょうか?

で、このことも川辺氏に質問してみました。
いただいた回答、コピーします。

「規模にもよりますが、噴煙柱が高く上がる噴火では、径数cm程度の小さなスコリアは、火口から数~10km以上の高さに吹き上げられて、風に流されて落ちてくるので、落ちてくる頃にはほとんど熱くありません。森を焼くよりは、石が降ってきて葉や枝が折れる、地表が覆われて地表近くに棲む生物が被害を受けることのほうが大きいかと。
案外細かい火山灰の方が、森林へのダメージが大きい印象を持ってます。」

なるほど~。毎回思うのですが、こうやってある場所の景色から感じた疑問に対して回答をいただくたびに、火山が身近になって行くような気がします。

噴火のダメージの中、無事生き抜いた巨木が茂る森。
その森には、散歩コースが作られていて、溶岩の石垣が積まれていました。


そして森には、10cm以上ありそうな大きなキノコが生えていました。
ちょっと幽霊っぽい(?)ものや…


こんなプリプリのもの。

黒いスコリアを押しのけて、にょきにょき生える真っ白なキノコを見ていたら、火山の島で生きる生物達のたくましさを感じました。

27日には、噴火当時にふるさと村で働いていた人たちの体験談と川辺氏に教えていただいたことをあわせて、普段あまり行かない、島の東側のジオ物語を楽しみたいと思います。

たぶんツアー前にもう1回下見に行くので、また報告したいと思います。

(ツアー参加希望の方は、海のふるさと村にお問い合わせください。)
http://oshimakoen.jp/uminohurusatomura/index.html


(カナ)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカゲラ

2012年10月13日 | 

毎年少数が本土から渡ってくるようで、伊豆大島でもキツツキの仲間のアカゲラが見られます。
秋から春先までの期間限定です。
数が少ないので出会える機会は滅多にありません。

一昨日は幸運でした。
昼休みに滑走路南端の広場に車を停めて本を読んでいると、すぐ近くのオオバヤシャブシにやって来たのです。
「キョッ」という一声で気付きました。
午前中まで強く吹いていたナライが治まって風音がなくなったのがよかったのです。






飛んで来るなりしきりに幹をつついています。
キツツキの真髄ここに見たり!(笑)
後頭部に赤い部分がないのでメスだとわかります。







幹にクチバシが当たったときの衝撃は凄そうです。
目をつぶっているのがなんとも可愛らしい。



突然翼を広げたと思ったらモズが飛んできたのです。
白黒のコントラストが美しいですね!

オオバヤシャブシの中から一体どんな虫をほじくり出すのかぜひ見てみたかったのですが、時間がありませんでした(涙)
この場所ではアカゲラを毎年のように目撃しているのでまだチャンスがあると思います。
地道に通います。


                           がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大島への航路

2012年10月12日 | その他

東京から伊豆諸島への海上のスタート地点が竹芝桟橋。

昔は、船の座席指定がなかったので、座る場所を確保するために、
出帆時間のかなり前に港へ行って並んだりしましたが、
現在は完全予約指定席制なので、
港へ着いたら周辺をゆっくり散策したり出来ます。


待合所の上の送迎デッキ(正式名称?)から東側の方を見ると、
隅田川に勝鬨橋や築地市場などの向こうにスカイツリーが立っています。

以前、ビルの最上階に展望ロビーが無料開放されていましたが、
今は、どうなったでしょう? 眺めが良かったですよー!

見出し写真の超高速ジェット船で、大島へは1時間45分程で到着します。
280トン位の水中翼船で、250人程乗って、時速約80キロで飛ぶように走ります。

運良く窓から景色が見える座席でしたら、

海の科学館とか、

レインボーブリッジなどが、すぐ間近に見えます。

これは、進行方向左側の風景ですね。
大型客船に乗って、ゆっくり夜景を楽しむのも良いです。
羽田空港の離発着を沖合いから眺めたり、
金曜と土曜日には、横浜経由の便もある(あることもある)ので、
横浜ベイブリッジや大桟橋の夜景を見るなど、
夜の船旅を満喫したい方には、打って付けだと思います。


レインボーブリッジの橋桁ですー!(笑)

お台場とか、某テレビ局とか・・・


最近、両岸にたくさん増えたのは、

このキリンのようなクレーン。

こうして首を上げている時は、

大型貨物船のコンテナの上げ下ろしは休止中でしょうか?

東京湾アクアラインは、この辺り。

「風の塔」と呼ばれる喚起施設です。
直径100メートルの人工島。

パーキングの「海ほたる」もこの辺りに見えるはずなんですが…
視界に入りませんでした(汗)

ずっと、東京湾口に近い所には、
明治時代に砲台として造られた人工島の「第2海ほ」も
すぐ近くに見えますが・・・

居眠りしてたのか(汗)
右側に見えるので遠くて撮れなかったということでご勘弁を。

旅は道中も楽しまないとですね。

(なるせ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする