グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

残った樹皮からの再生

2020年01月12日 | 植物
昨年12月裏砂漠に「三稜石」を調べに言った時からずっと、気になっていたことがありました。(三稜石探しをした時のブログはこちら
昨年9月の台風の爆風の後に生き残った、裏砂漠の木々のことです。

12月に行った時に確認した数本の木は、全てハチジョウイボタ (以下イボタと略します)でした。

普通、噴火後の荒地に一番乗りする樹木は、オオバヤシャブシかニオイウツギです。
イボタは噴火には弱いけれど、爆風には強いのでしょうか??
そして裏砂漠に残っている木は、イボタだけなのでしょうか?

これらの疑問を解決するべく、1月4日(土)にリサーチしてきました!

この景色の中に生えている木を、できるだけ調べることにしました。

標高540mほどの「裏砂漠・風の丘」周辺には木がなくて、少し下った標高500m付近から白い木が見立ち始めます。


最初に調べた木は…


イボタではなくニオイウツギでした!


樹皮がむけていて痛々しいです。


次に調べた、この何とも迫力のある姿の木もニオイウツギでした!

(なんだ…前回はたまたまイボタ に出会っただけだったのですね)

調べ始めて3本目にやっと、イボタが出てきました。


次も、イボタ !


…とこのように、目に見える範囲の木を片っ端から調べたところ…


ニオイウツギが7本で…


ハチジョウイボタ は15本でした。

パッと見渡した限りでは、下草が多い所はイボタが、あまり草が生えていないところはニオイウツギが多い気がしました。(もっときちんと調べないと正確なことは言えませんが…)

「それにしても何だか白っぽい木が多いなぁ」と思って観察を続けていて、急に「あること」に気づきました。

それは…

「木が白く見えるのは風上側(山側)の樹皮が(たぶん小石混じりの爆風で)剥ぎ取られているからだ!」ということでした。


風下だった側には樹皮が残り、そこから再生が始まっていました!

(写真の向きが逆で、わかりにくくてスミマセン^^;)

全ての木で、残った樹皮からだけ若葉が伸びていました。


ダメージが大きくて全然葉が伸びていないように見える木も、よく観察すると…


小さな芽生えがありました!

すごい!
本当にすごいです!!

爆風で皮を剥がれても、残ったところから再生する植物たち…

そのたくましさを尊敬します!

1時間半ほど歩き回っていたら、植物たちの「生きるぞ〜!」という声が、聞こえてきたような気がしました。

裏砂漠に生きるみんな、心を揺さぶられるような感動をありがとう!😀

(かな)

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