グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

火事から3週間後の植物たち

2024年05月26日 | 植物
ちょうど3週間前の5月5日、火事でダメージを受けた裏砂漠(奥山砂漠)の植物たち。
今日、嶋田と一緒に、どの程度変化しているか見に行ってきました。


道(?)を挟んで、右と左で全く様相のことなる植物たち。

左(南側)を見ると元気な緑色の葉が茂っているのに

同じ場所で右側(北側)を見ると、多くの木がダメージを受け、緑の葉は目立ちません。

でも、近づいてよく目を凝らすと…

ススキの若葉があちらこちらで、地面から顔を出していました!!

37年前の噴火後の植生調査では、一番乗りで芽生えたとされるハチジョウイタドリは、数カ所だけでしたが、赤い若葉が確認できました。


台風の時、爆風で茎ごと無くなった時は、アシタバが一番乗りでしたが、一株もありません。
アシタバは茎をカットされるだけだとすぐに再生できますが、熱には弱いのかもしれません。

噴火だと、溶岩が流れてきたりマグマの飛沫が厚く積もったりして、“熱い状態”が長く続きますが、火災は一過性。
ススキは一過性の熱には強く、いち早く再生するのですね!
(ススキの草原を保つために野焼きをすることの意味に、おおいに納得しました)

ツル植物のサルトリイバラも、ほとんどが黒くなって枯れていましたが、一株だけ元気な若葉を出しているのを見つけました。

葉の落ちた茎の途中から、新たな茎を延ばしていました。

この逞しい姿の理由は何なのでしょう?
運なのか? 個体の強さなのか?

樹木は、ほとんどのものが枯れたまま。

特に、クロマツの大木が、燃えて倒れていたのは衝撃的でした。

中は綺麗でしたが、樹皮は完全に剥がれていました。

😢

でも、荒地にいち早く生え始めるニオイウツギが、葉も半分枯れているのに花を咲かせていたので、感動しました。

この姿、すごくありませんか?

別個体も、私の目線より高い場所で花を咲かせていました。

弱った個体にとって、花を咲かせるって、相当エネルギーがいるはずなんです。
でも生きものは、どんな悪条件でも子孫を残そうと頑張るのですよね。

37年前の噴火後の植生調査をしたという方に、偶然フィールドで出会ってお話を聞く機会があり、「焼け野原の中で、サクユリ(ニオイウツギだったかも?)が花を咲かせ、枯れていったのを見て感動した」とおっしゃっていたことを、思い出しました。

生命は逞しくて、ひたむきで、美しいです。
今日は、いつもにもまして、そのことを感じました。


(かな)
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