Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 379 ドラフト展望 ③

2015年06月17日 | 1983 年 
【近鉄バファローズ】:再建は投手陣から。岡本新監督は水野を希望…水野(池田)の1位指名を山崎球団代表が早々に打ち出している。当初は即戦力左腕投手に狙いを定めて西村(新日鉄広畑)、中村(拓銀)、小野(創価)、仲田(興南)らの調査を続けていたが依田投手をテストで獲得して状況が変わった。今季、南海が畠山を獲得し予告先発で観客動員数を増やした例を見倣って実力と人気を兼ね備えた水野が1位指名候補に一気にのし上がった。櫟コーチが池田高の蔦監督と同志社大の先輩・後輩の間柄で、その関係を生かし積極的なアプローチを続けている。

岡本新監督も「チーム再建は投手陣の立て直しが第一。ドラフトも投手中心にお願いしたい」と要望している。梶本スカウト部長は「今年は1位指名入札で競合を恐れる必要はない。仮に抽選に外れても順番的に入札と同レベルの選手を獲れる」と見ている。粒揃いと前評判が高い今年のドラフトの恩恵に与ろうという訳だ。一昨年、対外試合禁止処分を受けて1年間公式戦に出場出来ず他球団が指名を躊躇していた小山(天理)を獲得したように今年も同じ境遇の加藤(倉吉北)に目をつけている。「球のキレは一級品。実戦から遠ざかっているだけで素晴らしい素材(河西スカウト)」と高評価の加藤が隠し玉か。



【南海ホークス】:左腕不足で小野。ポスト門田で小早川・銚子…1位入札はズバリ、小野(創価)か。左腕投手不在解消が長年のチーム課題。そこで全スカウト・スコアラーがビデオを参考に検討した結果、小野の名前が急浮上してきた。勿論、仲田幸(興南)や西村(新日鉄広畑)も候補だったが仲田は甲子園で評価を下げ西村は伸びシロの点で消えた。ただ流動的な面が残っているのも確かでポスト門田の主軸を打てる野手を求める声も根強く候補は共に法大の小早川と銚子。特に銚子は名門・法大の主将を務める程のリーダーシップの持ち主で将来の幹部候補生にと球団は考えている。

一方で水野(池田)を推す声も球団フロント陣の中で少なくない。昨年、池田高の先輩・畠山を指名したが当初は畠山サイドが大学進学を打ち出して入団交渉は暗礁に乗り上げたが粘り強い交渉の末に獲得に成功した。その際に開拓した交渉窓口を水野にも使えるという訳だ。ただ畠山自身にある種の " 池田アレルギー " がある事が露呈した。それは今夏の甲子園大会中に母校の池田高の戦いぶりの感想を記者から求められると畠山は露骨に嫌な表情で「池田高時代の話はしたくない」と頑なにコメントを拒否した。記者達は「高校時代に何かあったのか?」と訝しがったが畠山は現在に至るまで無言を貫いている。なので池田高出身の水野との共闘は無さそうだ。



【ロッテオリオンズ】:人気・実力に長けた高野にチームの浮沈を賭ける…ロッテの来季は今年のドラフトにかかっている。8日のスカウト会議では「とにかく即戦力投手」を再確認した。それは剛腕・高野(東海大)の1位指名入札を意味している。三宅スカウト部長は一応「川端・青木(共に東芝)、池田(日産)も候補」としているが本命は高野一本だ。幸いな事に高野も「大学の先輩である井辺さんがいるので心強い」とロッテに対して悪い印象は持っていない。

しかし高野に最大5球団が入札すると予想されるだけに抽選に外れた場合の次善策が大事となる。当然、即戦力の川端・青木、池田が候補となるが競合を嫌って高野を回避し彼らに入札する球団があれば最悪だれも残っていないケースも考えられる。その場合は藤王(享栄)や小早川(法大)など好打者も揃っているが野手は見送って渡辺(前橋工)や小野(創価)とあくまでも投手に固執する腹づもりでいる。昨年はドラフト外も含めて10人が入団したが「来年は丙午で高校生が少なくなるのでその分今年も昨年並みの人数を獲得するつもり(三宅スカウト部長)」と今年もロッテは意欲的だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« # 378 ドラフト展望 ② | トップ | # 380 ドラフト展望 ④ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

1983 年 」カテゴリの最新記事