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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 839 週間リポート・ヤクルトスワローズ

2024年04月10日 | 1977 年 



このツキと自信はデカイぞ
「シゲ(長嶋監督)に感謝状でも贈らにゃいかんな」とクールさが売りの広岡監督が珍しく冗談を飛ばした。安田・鈴木・梶間投手、大杉・若松選手を送り込んだ今年のオールスター戦。地元・神宮球場での第3戦に先発して3イニング・1失点と可もなし不可もなしだった安田投手以外は第1戦の平和台球場で若松選手が殊勲賞、大杉選手がホームラン競争で両リーグトップの6本を記録するなど大活躍してヤクルト勢の存在を高めたからだった。夢の球宴に勝った負けたは意味はないが、競り合いや勝負どころでまだ弱いと評されることが多いヤクルトの選手が後半戦に向けて自信をつけてくれたのは大きかった。

中でも広岡監督が一番喜んだのが鈴木投手と梶間投手の活躍ぶり。第3戦で優秀投手賞を獲得した鈴木投手は2試合・5イニング・自責点0。「自分が優秀投手賞に選ばれるなんて思っていなかったので夢みたいです」と球宴終了後も気分はウキウキだった。前半戦の鈴木投手は9勝5敗で安田投手と並ぶチームトップの勝ち星。これがフロックでなかったことが証明された。また梶間投手は球宴ルーキー史上初の2勝をあげた。しかも第1戦が12球、第2戦は僅か5球で計17球を投げただけで2勝を手にした。

「ツキがないと泣きごとを言うやつは結局自分に力がないんだ。力があればツキの方から転がり込んで来るもんさ。オレは彼(梶間)を実力で選んだ。オレの目に狂いはなかった」と長嶋監督。力をつけ粘りが出てきたナインに「はっきり言って巨人との差はある。だがバラバラだったチームプレーが纏まりつつある。後半戦は巨人と互角に戦えるようになる」と広岡監督は確かな手応えを感じている。ヤクルトに欠けているのは巨人の王や張本といったチームの牽引者だ。松岡・安田投手、若松・大杉・大矢選手に球宴で自信をつけた鈴木・梶間投手が加われば決して巨人に引けはとらない。


規定打席
「いつ頃、新聞のリーダーズに名前が出るかな」とマニエル選手が指折り数えてその日を待っている。相棒のロジャー選手が規定打席に到達しているのに比べてマニエル選手は規定打席にあと「13打席」足りていない。打点こそ大杉選手の「59」及ばないがチーム2位。21本塁打はリーグ6位。そして打率は3割を超えているが打撃ベスト10 に名前を連ねていない。「体の状態はすごく良い。でもリーダーズに名前が出るのと出ないとでは気持ちの張りが全く違う」

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