Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#121 有名選手を掻き集めても浮上せず

2010年06月09日 | 1980 年 





プロ野球に参入した西武ライオンズ以上に期待されたプリンスホテル野球部でしたが、1年目は
ライオンズ同様に苦戦しました。プロ球団からやっかみの声が聞かれるほど有力アマ選手を獲り
船出しましたが、チームとして機能せず都市対抗戦や日本選手権では予選敗退しました。石毛・
中尾・堀場など各大学リーグの主力選手を集めたチーム編成は、かつてFAで他球団から選手を
漁っていた巨人のようにチーム構成が、いびつなチームでした。

2年目を迎えて "今年こそ" と期待されるプリンスでしたが早くもギクシャクした雰囲気がチームを
覆い始めていました。大リーグ W・ソックスのドラフト指名を蹴って入社したタツノ投手でしたが、
12月に来日した際、「日本は寒すぎて練習できない」と言い残して早々に帰国。年が明けて全体
練習が始まってもナシのつぶて。「あいつは元々、我が儘なんだよ(中尾)」 「この時期に一緒に
練習しないなんて寂しいですよ。まぁ上の人が決めた事ですから…(石毛)」とチームメイトの反応も
冷ややかでした。タツノが再来日したのは2月25日、しかし翌日には再び帰国してしまいました。

不協和音はこれだけではありませんでした。入社の際に支給を約束されていた2000万円以上とも
言われていた「支度金」を受け取れてない選手が何人かいて選手間に微妙な雰囲気が漂い始めて
いました。有力選手以外にも多くの大学・高校から入社しましたが、彼らは有力選手らの練習台に
過ぎず特に高卒選手は日常生活の雑用に至るまで、付き人の様な待遇だったそうです。このような
話はすぐにアマチュア球界に広がり、2年目以降の高卒選手の獲得は難しくなったそうです。













コメント
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