面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「もしも昨日が選べたら」

2006年09月30日 | 映画
家族の幸せのため、裕福な生活を手に入れるためと、家族との団欒など省みずいつも時間に追われながら働き続ける建築士のマイケル(アダム・サンドラー)。
リビングにある数々のリモコンも、どれが何の操作に使うものかも分からない。
テレビも満足につけられないことに苛立った彼は、電化製品を共用できるリモコンを買うためにホームセンターを向かう。

寝室と浴室用品(生活の中で一番ないがしろにしている部分でもある)の専門店に入った彼は、片隅に奇妙な部屋を見つける。
「beyond(その他)」と看板が掲げられたドアを入っていくと、不気味な従業員モーティ(クリストファー・ウォーケン)がいた。
彼が差し出したのは“最新機能”のリモコン。
「何でも操作でき、人生まで変えてしまう」
というリモコンは、なんと無料!
(タダより怖いものはない、とも)

家に帰って使ってみてびっくり!
吠えるペットの声を消し、妻との口論を早送り。
電化製品だけではなく、なんと身の回りのものは何でも操作できる、万能のリモコンだったのだ。
まずは仕事の邪魔になる家族とのコミュニケーションを早送りし、仕事も早送りし、契約のかかった接待では相手方のヒソヒソ話をボリュームを上げて盗聴して成約し、昇進までの時間を早送りし…。
マイケルは万能リモコンをフル活用して、自分の人生を思うままに操作した…はずだった。
気がつけばマイケルは醜く不健康に歳をとっていて。。

原題は「CLICK」。
リモコンのボタンを「クリック」して人生を思うままに操作する。
猛烈に仕事をこなして昇進に向けて邁進すれば、裕福で幸せな生活が待っている。
だからその結果までのプロセスを、ちょいと早送りすることで、簡単に幸せが手に入るではないか♪
なんて素敵なリモコンなんだ!

てなワケないやろ!
とお約束通りにツッコめるストーリー展開と、最高に分かりやすいオチ。
嗚呼、なんてベタな映画だろう!
しかし、過去と未来を行ったり来たりするタイムトラベリングのシーンでの、実に自然な年齢感を与える特殊メイクはすばらしい。

「CLICK」とは言ってもマウスではなく、電化製品のリモコンであるところがアナログチック。
また、これまたベタなシモネタギャグがくだらなくて面白く、劇中に流れる80年代POPSが心地よい、我々世代(元タイガースの八木やヤクルトの古田が同期というヒントだけを)が息抜きに観るにはちょうどイイ按配の快作。

「もしも昨日が選べたら」
2006年/アメリカ 監督:フランク・コラチ
出演:アダム・サンドラー、ケイト・ベッキンセイル、クリストファー・ウォーケン、デヴィッド・ハッセルホフ、ヘンリー・ウィンクラー


最新の画像もっと見る

コメントを投稿