面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「恋は足手まとい」

2006年10月08日 | 映画
19世紀のパリ社交界を舞台に繰り広げられる軽快な恋愛ゲームを描いた、フランス映画らし~い一本。

社交界で大人気の歌手・リュセット(エマニュエル・ベアール)は、一文無しのプレイボーイ・エドワール(シャルル・ベルリング)に夢中だった。
ところがエドワールは、持参金と上流階級の仲間入りを目当てに、リュセットには隠したまま、男爵令嬢のヴィヴィアヌと婚約を決めた。
リュセットに真実を言い出せないまま婚約式が近づくが、エドワールが知らぬ間に、男爵夫人はリュセットに、婚約式での歌の披露を依頼しにやって来た。
エドワールは、自分が花婿であることをリュセットに知られまいと奔走するが…。

いきなりリュセットが泣いているシーンから始まる。
しばらくエドワールに会っていない寂しさから泣きじゃくっているところへ彼がやって来るところから、一気に映画のテンションが上がる。
エドワールは男爵令嬢との婚約が決まったことから別れを告げに来たのだが、リュセットの魅力についつい愛を育んでいると、元夫が養育費をせびりに来て、彼女を慕う口臭のキツイ新聞記者がやって来て、男爵夫人が婚約式の歌を頼みに訪れ、歌を売り込みに作曲家が押しかけて、超セレブ・ハンサムがとんでもなく高価なプレゼントを贈った後を追ってやってきて…。

次々と切り替わる場面、あれよあれよと話が進む。
オートクチュールのドレス、まばゆいカルティエのサファイアリング、何十何百本ものバラの花束。
19世紀のパリのブルジョア達が享受した最高級品の数々が画面を彩る。
物語の舞台となるのは豪華で洗練された家具が並ぶ邸宅、ルイ18世の居城を模した見事な庭園の広がる屋敷。
社交界のゴージャスな世界に引き込まれ、エスプリの効いた恋の駆け引きのリズムに乗せられ、ジェットコースターはゴールへと連れていかれる。

女性のしたたかさと小憎らしいような可愛さが溢れ、男のマヌケぶりがこれでもかと描かれる、賑やかなラストシーン。
華やかな女性たちとみすぼらしい野郎ドモという、フランス映画ならではの映像は実に楽しい。

恋は足手まとい
2005年/フランス  監督:ミシェル・ドヴィル
出演:エマニュエル・ベアール、シャルル・ベルリング、スタニスラス・メラール、ドミニク・ブラン、サラ・フォレスティエ


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