面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「日本沈没」

2006年07月17日 | 映画
今を遡ること33年前。
小松左京の原作本は大ベストセラーとなり、これに注目した東宝が当時としては破格の5億円を投入して映画化、正月映画として公開したところこれが大当たり。
10ヶ月後にはテレビドラマ化もされ、足掛け2年にわたる“沈没ブーム”を巻き起こしたのは、記憶には新しくないが、うっすらと覚えている。
映画はテレビで観たように思うが、テレビで放映されたドラマは家族中で見ていたので、このテレビドラマと映画の両方の記憶が混ざった状態で記憶されている。

で、2006年版「日本沈没」。
オチにビックリ!
「カンフー・ハッスル」ではないが、「ありえねーっ!」とツッコんでしまった。
それにあのオチが地球規模で与える影響を考えたら、日本の沈没は食い止めなければいけないが、東南アジア諸国やミクロネシアの島々が津波に飲み込まれて沈むのはイイのか!?
などと憤ってしまうのは、偽善的に過ぎるのだろうか?

映画作品としては、高度な技術のCGを駆使した映像は見ごたえがある。
しかし、あまりにもリアルな災害シーンに、過日の阪神大震災を思い起こし、こみ上げるものがあった。
実際に震災に遭った方には耐えられないシーンなんじゃないかと心配したが、当時神戸に住んでいて震災に遭った友人は、本作を見てもそんな思いはしなかったとのことだったので、杞憂であったようである。
これも偽善的に過ぎる見方だろうか。

にしても、日本のCG技術も格段に進歩している。
監督の樋口真嗣は「ローレライ」でもCGを駆使した映像を楽しませてくれたが、本作はそれをはるかに上回る出来栄え。
予算的な制約にもよるだろうが、ニュージーランドで撮影する必要は無いのでは!?

キーとなる登場人物である潜水艇の操縦士二人が、「愛する人を守りたい」と言いながら死んでいったが、まるで戦争映画である。
旧作とは大きく設定を変更し、アンハッピーエンドだった物語が一応のハッピーエンドを見る筋立てとなっている本作。
旧作を知る人も知らない人も、一見の価値はある大作。

日本沈没
2006年/日本  監督:樋口真嗣
出演:草剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、石坂浩二、及川光博


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