面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

一矢報いて…

2006年09月18日 | 野球
憲伸、山本昌と、2日続けて零封されて迎えたナゴヤドーム最終戦。
今シーズン、ナゴヤで10戦全敗て、プロとして恥かしすぎる。
まあこんなことでは“連覇”を叫ぶことは、おこがましすぎると言うものだ。
さすがにディフェンディング・チャンピオンらしく(?)最後の最後にようやく一矢報いることはでき、息の根が止まりかけたチームも、かすかに呼吸音が聞こえてきた。

しかし今日の試合は、安藤の気迫と、それに応えたアニキの意地に尽きる。
試合後のインタビューで、安藤の投球を見ていて、これに応えなければ男じゃないと意気に感じ、しっかりとプレーにつなげたアニキの意地。

また、アニキのツーランの呼び水となった、シーツの“戦う姿勢”も評価したい。
顔面近くに来たボールにのけぞって四球を選んだシーツは、いつもの紳士的な姿勢が嘘のような怒りの表情を見せ、マウンドに突進するのではないかと思うほどの迫力で、投手の朝倉を罵りながら一塁へと向かった。
(声は聞こえなかったが多分罵ってるのだろう)
これに気圧されたか、外角にやや甘く入ったところをアニキがキッチリとらえて、レフトスタンドへと叩き込んだのである。

この3人の気迫を、他の選手はどう感じたのだろう。
今日も赤星は、セーフティバントの素振りはほとんど見られなかった…。

所用でここまでしかテレビ中継を見ていなかったのだが、最終回の藤川は、中日の5番打者森野に対して、頭付近へクソボールを投げ込んだとのこと。
いいことである。
当ててもいいから、インコースへ投げ込んでおかなければ、相手打者に対して威圧感を保てない。
この投球がすっぽ抜けではなく、矢野のリードならいいのだが。

矢野のリードは、とにかく外角低めへの要求が多い。
少なくとも、当ててもいいからインコースへどんどん攻めろ!というリードは見られない。
とくにピンチや弱気になったとき、チーム状況が悪くなったときほど、その傾向が強くなる。
また、ちょっとレベルの低い投手のときもそうだ。
打たれても一番害の無いコースであり、矢野の心理も理解できる。

しかしそれは、結局は「言い訳のリード」ではないか?
打たれてもいい当たりのでる確率が一番低い外角低めを要求していれば、そこをねらったのに甘く入ったボールを打たれたなら、それは投手の責任として認識されるのだから。
そんなことを考えてのリードとは思いたくないが、そういう風に取れるリードというのが不満である。
矢野は球界でも屈指の好捕手であるだけに、その点だけが物足りなく、残念である。

翻って、その「言い訳のリード」が、讀賣戦での井川のイ・スンヨプへの投球につながっている気がしてならない。
いつも判で押したように外角から真ん中よりの低めの球をすくい上げられて一発を食らっている。
イはかつてインコースの膝元がからっきし打てなかったが、日本に来て3年経ち、讀賣に来た今年はその弱点も克服している。
従って、インコースに甘い球を放れば、スタンドまで持っていかれる可能性は高い。
しかしイが怖いのは、この一発があるという点である。
ランナーで出しても怖くはない。
だったら、ぶつけてもいいからインコースの厳しいところを攻めたうえで、アウトコースへ投じることは、イ攻略の王道ではないか。
顔面のあたりに1、2球放ってのけぞらせておけば、アウトコースへの踏み込みが甘くなるというのは人間のサガである。
それが、インコースへの厳しい投球が来ないので、イはいつも思い切って踏み込んで外角球をしっかり弾き返すことができる。
一人の打者に年に5発もくらうなど、エースの投球ではない。

井川のコントロールミスも多いが、矢野にもっと内角をエグるリードがあれば、今期の讀賣に負け越すなどという恥辱的な展開には、ならなかったはず。
来年に向けての課題であり、この点を反面教師として、浅井には学んでもらいたいものである。
浅井はちゃんと勉強しているのだろうか。


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