面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「時をかける少女」

2010年04月20日 | 映画
母・芳山和子(安田成美)が、薬学者として研究にとりくんでいる昭徳大学に合格した芳山あかり(仲里依紗)。
新しい生活への期待に胸を膨らませていたある日、和子が交通事故で昏睡状態に陥ってしまう。
一瞬、意識を取り戻した和子から、中学時代の初恋の人・深町一夫にメッセージを伝えたいという思いを聞いたあかりは、その思いを叶えるために、母が研究していたタイム・リープで、母に代わって時を駆けた!
が、あかりがたどり着いたのは、和子が言っていた「1972年4月」ではなく、「1974年2月」だった!
なんとしても和子の願いを叶えたいあかりは、誤ったタイム・リープによって降り立った上慶大学で出会った、溝呂木涼太(中尾明慶)の協力を得ながら、行動を開始する…

テレビに映画に、実写だけでなくアニメでも映像化され、何度もドラマ化されてきた筒井康隆原作の「時をかける少女」。
高校時代に友人達と共に劇場で観て、原田知世の瑞々しい演技に鮮烈な印象を受けた自分としては、1983年公開の実写映画版こそが「時かけ」だった。

…ただし、本作を観るまでは!

大林宣彦監督による「尾道三部作」のひとつだった旧作は、“昭和の香り”漂う青春小説の名作。
本作は原作小説の“その後”という設定で、旧作の主人公である芳山和子の娘・あかりが今回の主人公。
そして、イマドキ感たっぷりに“現代の女のコ”あかりを演じる仲里依紗が素晴らしい♪
その昔、原田知世に感じた瑞々しさとは質の異なる、溌剌とした瑞々しさで、スクリーンいっぱいにはじける。
21世紀版における、正真正銘の「時をかける少女」だ。

涼太の下宿に居候し、涼太の助けを得ながら日々を送り、いよいよ目的を達せられる日が迫った夜。
ひとつのコタツに、それぞれ逆の方向から足を突っ込んで寝転んでいる二人。
お互いに好意を抱きながらも、すぐそこに別れが迫っているなかで、素直に思いが伝えられないもどかしい会話が交わされる。
「神田川」に代表される“四畳半フォーク”全盛の世界に、2000年代に生きるあかりが一気に溶け込む場面が秀逸。
涼太の顔の横に、ちょこんと出ているあかりの素足が可愛い♪
下宿していた学生時代を思い出し、ノスタルジーに浸って、心の琴線をわしづかみされてしまった。

仲里依紗の疾走する姿も美しい、21世紀を代表するジュブナイルの逸品。


時をかける少女
2010年/日本  監督:谷口正晃
出演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美、勝村政信、石丸幹二


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1 コメント

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仲里依紗 (仲里依紗の画像)
2010-04-23 16:19:10
今夜から新ドラマ始まりますね♪
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