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面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ジュリー&ジュリア」

2010年01月19日 | 映画
1949年、ジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)は、外交官の夫ポール(スタンリー・トゥッチ)の任地パリで、フランス料理の美味しさに触れて料理に開眼。
もともと好奇心旺盛で食べることが大好きなジュリアは、名門料理学校コルドン・ブルーのプロ養成クラスに飛び込んだ。
満足に玉ネギも切れなかったジュリアに、専業主婦のヒマ潰しと冷ややかに見ていた周囲だったが、負けん気の強い彼女は自宅で猛特訓に励み、短期間でめきめき腕を上げて見直される。
料理の勉強に励む妻を優しく見守る夫・ポールの温かい愛情と、大好きな料理に囲まれて幸せに過ごしながら、ジュリアは友人達と力を合わせて、料理本の出版へと突き進む…

50年後のニューヨーク。
ジュリー・パウエル(エイミー・アダムス)は、仕事で成功を収めていく友人達に置いてきぼりをくっているようで、ブルーな日々を送っていた。
小説家になる夢を果たせず、公共機関のテレホンセンターで、9.11事件の事後処理対応に追われる冴えない毎日。
しかも住まいは、トラックが走ればガタガタと揺れるピザ屋の2階。
このままではダメになる!
一念発起したジュリーは、子供の頃から憧れていたジュリア・チャイルドの料理本に載っている524ものレシピを365日で全て作り、それを自分で開設したブログにアップする、という目標を立てた。
無謀にも近い目標だったが、考古学誌の編集者である夫・エリックに支えられ、毎日新しい料理にチャレンジしていく。
そして47日間で65のレシピ再現を達成した頃、ジュリーのブログには徐々に書き込みが届くようになってきて…

アメリカの食卓に、パリ仕込みのフランス料理を紹介することで革命をもたらしたと言われるジュリア・チャイルドは、料理本の出版と共に一躍脚光を浴び、TVにも進出した実在の人気料理研究家である。
185cmの長身と甲高い声で、一度会ったら忘れられないような強烈な個性を持つ彼女の決まり文句は「ボナペティ!」。
そんなジュリアを、メリル・ストリープが熱演。
ジュリア・チャイルドに馴染みの薄い我々が本作のメリル・ストリープを見ると、いつもの彼女ではなく奇妙な演技に見えてしまうのだが、彼女のジュリアは、まるで本人の生き写しのようにソックリと評判をとったそうな。

一方、ジュリアのレシピを再現しきったジュリー・パウエルも、実在する本作の原作者。
夢を断念したものの心に引っかかりをもったまま日々を過ごし、何をやっても中途半端に思える自分に苛立つ姿は、葛藤を抱えて満たされない思いを抱えるイマドキな女性。

食べることが大好きで負けず嫌いな頑張り屋の2人の女性が、50年という時間を超えて結びついた、心がほわっと温かくなる物語。
しかし、この物語がしっかりハート・ウォーミングなものになっているのは、妻たる彼女達を支えるそれぞれの夫の、理解と温かい支援によるところも大きい。
二人は、妻の才能を認め、妻の行動をサポートし、応援し続ける。
最近、頼りないような、“子供っ気”の抜けないような男が出てくる話が多いが、本作の旦那二人は、ちょっとイイかも!?

カップルで観に行かれたなら、その後は美味しいお食事を♪
「Bon Appetit!」


ジュリー&ジュリア
2009年/アメリカ  監督・脚本・製作:ノーラ・エフロン
出演:メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ、クリス・メッシーナ、リンダ・エモンド