青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

ユリ科の分類について

2024-04-09 21:48:12 | その他



大谷君、今日は2塁打2本に本塁打。全開モード突入ですね。



大体分かってきました。

大谷は、人間としては最低、野球選手(個人成績)としては完璧。

後者は今まで通りの評価ですが、前者については180度反転したわけです。

僕の中では、ホッとした気持ちです。なぜって、僕は悪人大好き人間なわけですから(今までのモヤモヤが無くなりました)。

大谷崇拝日本人(無意識的依存症の成れの果て)は勝手に盲目的崇拝を続ければ良いです。僕の方は単純に成績で一喜一憂できるので。



残り財産400円(整理中フィルムの山の中から100円玉が出てきた)。今夜の風呂代100円、野良猫の餌代100円、まあ200円あれば半額弁当ゲットできるので楽勝でしょう。問題は、明日売上金1万円余が入るかどうか(ここんところ2~3日遅れてるので)。



蝶のほう(「中国~」「近所の~」)は一段落ついたので、植物関連の作品作りに取り掛かります。

とにかく、ひたすらポジフィルムの整理(セレクト⇒デジタルスキャン)を行っています。

ブログの記事は、大谷君一平さん(白鵬とかも)は様子見。

東京都への告訴(前置きだけ書いた)は気が重いので後回し。



野生アジサイの資料(を収納したHDD)はあと8万円支払わないと戻ってこない(毎月5000円として、あと1年半)ので、とりあえず完成済みの「ハマウツボ科(シオガマギク属)」「ユリ科(狭義)」「キンポウゲ科」「ケシ科」と、ほぼ完成に近づいている「リンドウ科」「サクラソウ科」「ツツジ科(主にシャクナゲ類)」を再編します。



再編、というのは、東京から膨大な数のポジフィルムを福岡に送り、スキャン機材を入手し、日本産の種を追加紹介していくことが可能になったからです。とりあえず完成している「シオガマギク」と「ユリ」を、追加再編していきます。



ユリ科(狭義)については、このブログでも何度か紹介してきました。それに基づいて新知見や写真を追加紹介していこうと考えたのですが、しかし過去記事が探し出せません。旧いのは消えてしまっているみたいなので仕方がないけれど、比較的最近に紹介したはずの記事も見当たらない。ということで、改めて一から書いていきます。



APG分類による現在の位置付けは、結構早い時期から一般大衆に浸透していたはずです。しかし他の多くの科が新しい分類群にスムーズに移行しているのに対し、ユリ科は未だ旧い分類体系が併用されています(古い方が基準になっている)。



全植物中一二を競う大メジャーな科から、一気にマイナーな弱小科に移行してしまったわけで、その落差の大きさに戸惑っている、一般常識としては(ユリ科を狭義に捉えるのは)困る、と言うところなんでしょう。

しかしAPG分類以前(旧来の形質に拠る分類)から、ちゃんと見ている人は見ているわけで、ユリ科の定義も現在の少数の属から成るという見解は既にほぼ確立されていたのです。博物学的に為されていた先行見解に、科学的手法が追いついた。



ユリ科は、4亜科5連(ユリ亜科2連/カルコタルス亜科1連/タケシマラン亜科1連/ホトトギス亜科1連)から成り、どの連もごく少数の属と種で構成されています。旧ユリ科の大半はクサスギカズラ(アスパラガス)目などに移転し、(ユリ科を含む)一部がユリ目に残ります。その中でユリ科に最も近い類縁を持つのが、外観が特異なシオデ(サルトリイバラ)科(写真⑳)で、ユリ科の姉妹科となります。





自主刊行済みの「中国の野生植物:ユリ科」のあとがきに、このような要旨を記しました(もしかすると初出はこのブログだったかも知れません)。

【あとがきに替えての蛇足】

先に記述した通り、葉緑体DNA解析に基づく分子生物学的系統分類(APG分類)において単系統のユリ科として位置づけられる植物には、従来から予測されていた“典型的ユリ属類”(ユリ属、カタクリ属、チューリップ属など)”のほかにも、ごく少数の(予想外とも言える)異質の属が加えられることになった。その中で最も特異な存在が、ホトトギス属である。

ホトトギス属は、狭義の(真正)ユリ科の中では、最も古い時代に他の各属との共通祖先から分化した植物で、正統的ユリ科の一員であると同時に、ユリ科としての異端児でもあるわけだ。

従来、ユリ科として一括されていた植物の大多数は、他の被子植物、ことに“双子葉植物”の分類システムに準じれば、明らかに異質の群の寄せ集めであると言って良い。現在、それら(旧ユリ科植物)の大半は、「目」の単位でユリ目から別の群(主にアスパラガス目)に移動せしめている。それらの多くは、外観がいかにも「ユリ」的であり、これまでの“常識”的一般概念と相まって今でも「ユリ科」は旧来のカテゴリーのまま認識されているのが現状といえる。

それはともかく、学術的な視点からは、旧来の「ユリ科植物」の多くが、「科」を飛び越えて「目」のレベルで移動することになったわけだが、一部については、(科のレベルではユリ科から別科に移動したとはいえ)目のレベルではユリ目にとどまっている。その(ユリ科以外のユリ目植物の)中で、ユリ科に最も深い関連を持つと思われる(従って範囲の取り方次第ではより広義のユリ科に含まれると考えても良いかも知れない)のが、サルトリイバラ科(シオデ科)である。外観は、さらに特異である。

【典型ユリ属類(ユリ属、カタクリ属、チューリップ属など)】【極めて特異なホトトギス属】【まるっきり外観が異なるサルトリイバラ属】この(外観的には)それぞれ対極にある3グループの植物が、大雑把に生物学上視点から捉えた「ユリの仲間」、ということができる。

APG分類が確立される以前は、誰もそんなことは予想だにしていなかった。「誰も」、、、否、そうではない。蝶の愛好家たちは、その(互いに異質の)3つの植物群が、近い関係にあるだろうことを、漠然と知っていた。典型ユリ類+ホトトトギス属+サルトリイバラ属は、ルリタテハの食草である。ルリタテハ自身は、これらの植物が明確に近縁な関係にあることを、結果として知っていた。

他にも同様の例(「蝶は知っていた」)が幾つもある。例えば、ウマノスズクサ科からカンアオイ類が一時別科に移されていたことがあるが、最近は改めて同一科に戻されている。これなどは、ギフチョウ属(やその周辺属)の食草について鑑みれば、当然のことである。あるいはクス科とモクレン科の近縁性を、アオスジアゲハ属との関連で考えても良いだろう。

ところで、ルリタテハだが、一属一種とされている。しかし、外観(色彩斑紋)、食草、分布域が著しく異なることを除けば、シータテハやヒオドシチョウの仲間(Polygonia-Nymphalis)とほとんど差異はない(同一属に含めても良いと著者は考えている)。

シータテハ(それを含む典型タテハ=ヒオドシチョウ亜科)の基本食草は、イラクサ科やクワ科である。系統的にはユリ科とは全く異なる植物群だ。

しかし(系統とは別の次元から)何らかの“関連性”(例えば祖先形質の共有など)があるのではないか?

、、、、、そんな気がしてならない、という蛇足で、本編を結んでおくことにする。



・・・・・・・



まずは、ユリ属に絞って紹介していくことにします。

最新のDNA解析結果(「Phylogeny and classification of Lilium」 Watanabe & al. 2021)では、次の様な系統構築が示されています。全面的に信用して良いのかどうかはともかく、意外な組み合わせも幾つか見てとれます(リーガルリリーとテッポウユリの類縁が遠く離れていること、ヤマユリ群内での各種の組み合わせなど、なるほどと思わせる結果も)。



ここでは、10のグレードを便宜上6群4亜群の計10上位分類群に再編(下位分類群については「中国植物志」を参照)、僕の「中国の野生植物:ユリ科」の掲載順に従って大理百合(L.taliense)を冒頭に置くべく並べ直しました。



ユリ科

ユリ亜科

>ユリ連

>>ユリ属

>>>1a 【分布中心:中国西南部】 大理百合(写真①)、麗江百合など。

>>>1b 【分布中心:日本海周縁地域、中国西南部】 川百合(写真③)、コオニユリ、エゾスカシユリなど。

>>>1c 【分布中心:南西諸島-台湾-中国南部】 野百合(写真②)、タカサゴユリ、テッポウユリ。

>>>1d 【分布中心:ユーラシア大陸寒冷地】 クルマユリ(写真④)、マルタゴンリリーなど。

>>>2 【分布中心:日本列島】 ヤマユリ(写真⑤)、ヒメサユリ、ササユリ、ウケユリ、カノコユリ、タモトユリ。

>>>3 【分布中心:北米大陸】 アメリカユリ類(省略)。

>>>4 【分布中心:中国西南部】 リーガルリリー、通江百合(写真⑥)など。

>>>5a 【分布中心:中国西南部~ヒマラヤ地方】 ユンナンベニユリ(写真⑦)など、旧Nomocharis属)。

>>>5b 【分布中心:ヨーロッパ】 マドンナリリーなど(省略)。

>>>6 【分布中心:中国西南部~ヒマラヤ地方】 尖弁百合(写真⑧)、小百合(写真⑨)など。

>>バイモ(クロユリ)属(写真⑩)

>>ウバユリ属(写真⑪)

>>ギボウシモドキ属(写真⑫)

>>カタクリ属(写真⑬)

>>チューリップ属(省略、分布中心:ユーラシア大陸西部)

>>アマナ属(写真⑭)

>>チシマアマナ属(=キバナノアマナ属:写真⑮)

>ツバメオモト連

>>ツバメオモト属(写真⑯)

>>メデオラ属(写真⑰)

カロコルタス亜科(省略、1連1属北米産)

タケシマラン亜科(写真⑱、1連3属うち2属は北米産)

ホトトギス亜科(写真⑲、1連1属)



次回以降、各群のそれぞれの種について(中国産と日本産を)紹介していきます。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



写真① 大理百合 Lilium taliense 雲南省翁水村 Jul.16,2014


写真② 川百合Lilium davidii 雲南省梅里雪山 Jul.25,2014


写真③ 野百合(ハカタユリ) Lilium burounie 四川省青城山 Aug.4,1989


写真④ クルマユリ Lilium burounie 岩手県早池峰 Aug.13,1993


写真⑤ ヤマユリ Lilium auratum 東京都青梅市 Jul.10,2022


写真⑥ 通江百合 Lilium sargentiae 四川省宝興県 Jul.17,2010


写真⑦ 滇蜀豹子花(ユンナンベニユリ) Lilium aperta 雲南省香格里拉 Jun.19,2005


写真⑧ 尖弁百合 Lilium lophophorum 雲南省白馬雪山 Jun.14,2009


写真⑨ 小百合 Lilium nanum 雲南省白馬雪山 Jun.16,2009


写真⑩ 暗紫贝母 Fritillaria unibracteata 四川省雪宝頂 Jul.4,2005


写真⑪ 大百合Cardiocrinum giganteum 四川省宝興県 Jul.4,2009


写真⑫ 仮百合 Notholilion campanulatum 四川省塔公 Jul.24,2010


写真⑬ カタクリErythronium japonicum 長野県白馬村 May 4,2005


写真⑭ アマナ属の一種 Amana kuocangshanica 浙江省杭州市 Mar.27,1989


写真⑮ チシマアマナ属の一種 Loydia tibetica 四川省夹金山 Jul.19,2010


写真⑯ ツバメオモト属の一種 Clintonia alpine 四川省黄龍 Jun.22,1989


写真⑰ Medeola virginiana アメリカ・テネシー州 May 18,2005


写真⑱ タケシマラン属の一種 Streptopus parviflorus 四川省ミニャコンカ Jul.2,2009


写真⑲ ホトトギス属の一種 Tricyrtis viridula 広西壮族自治区花坪 Aug.7,2015


写真⑳ サルトリイバラ Smilax china 浙江省舟山島Apr.7,2009



・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・



冒頭の話題の追記。

*面白いことに気付きました。大谷君が“人間として最低(必ずしもネガティブな評価ではありません)”な理由は、「自分のやりたいことだけをやる」から。そのことに対してほとんどの日本人は敬服・熱狂支持し、アメリカ人の多くは冷めた目で見ているのです。そりゃそうでしょう。日本では「自分のやりたいようにする」ことは現実問題として許されない、それが出来る特別な立場にある大谷に自己投影し全肯定・崇拝する。アメリカでは、誰もが自分のやりたい様に生きているわけで、今更、、、、。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



**某県知事の県庁入庁式典での職員に対しての祝辞。

「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」

とスピーチ。

近年稀にみる、見事な本音暴言ですね。

実際にそのような人たちが、日本という国を動かしているのですから( ;∀;)。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大谷選手の今後 | トップ | ユリ科 附記 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

その他」カテゴリの最新記事