青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第53回)

2011-07-06 13:04:15 | 野生アジサイ



BⅠ①タマアジサイ亜群(→アジサイ属アジサイ節タマアジサイ亜節Subsect.Asperaeの一部)

真のアジサイ類(コアジサイ群)と類縁的にごく遠い間柄にあることは、開花前の花序が大型の苞で球状にすっぽりと覆われてしまう(●1)ことからも、察しがつく。ヤハズアジサイやオオアジサイ(アスペラ)類と共にタマアジサイ節を形成。子房は下位、基半部は丸みを帯び、背縁はやや盛り上がる程度、花柱は基部から2分岐し(変種トカラタマアジサイは3~4分岐)、強く外側に湾曲、花柱の基部が膨張してその間に深い溝を生じ、子房本体が2分しているような印象をうける(●2)。蕾の花序を包み込んでいた基部の苞葉は開花後に脱落、花序柄(枝の最上部に相当?)は太く淡色で柔らか、花序の基部には葉を生じない(●3/4)。葉は極めて大型で、ざらざらとした質感を持ち、葉縁に細鋸歯が整然と並ぶ(●5)。

タマアジサイ、ナガバノタマアジサイとも開花盛期は8月中~下旬。






本州中部にタマアジサイ、伊豆七島にラセイタタマアジサイ、トカラ火山列島(三島列島黒島・トカラ列島口之島)にトカラタマアジサイ(後で述べる真のアジサイ類に近縁のトカラアジサイとは別種)の、3変種が隔離分布するほか、台湾の山地帯(合歓山東面では標高700~1200m付近で確認撮影)に、葉が細長くてより分厚いナガバノタマアジサイが分布する。中国大陸長江中流域(湖北省西部)産のH.sargentianaも同亜群に含められる可能性があるが、詳細は不明(後述)。






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朝と夜のはざまで My Sentimental Journey (第52回)

2011-07-06 12:58:59 | 野生アジサイ


★『手違いついでに、どうせなら「コンパクト版」で続けていくことにしました』



Bタマアジサイ上群

種子の周囲や両端に翼がある(●1/2)。子房下位、花柱は基部から2分し外側へ強く湾曲する(●3)。タマアジサイ群・ツルアジサイ群・テリハタマアジサイ群・バイカアマチャ群の4群を「上群」に纏めた。この4グループの単系統性の証明については保留しておく。ノリウツギ上群~コアジサイ上群と対応するが、ノリウツギのグループをこの一群に含める見解もある。日本では少数派だが、熱帯アジアおよび新大陸産のアジサイ族の大多数の種は、この上群か次のノリウツギ上群に含まれる。





BⅠタマアジサイ群 (→アジサイ属アジサイ節タマアジサイ亜節Subsect.Asperae)
花序または小花序の基部に早落性の苞を持つ(●1/2)。子房は半下位~下位、雌蕊の柱頭は基部から明瞭に分離して左右に大きく開く(●3)。正常花の花弁は早落性(●4)、稀に先端が接着したまま帽子状に脱げ落ちることもある(●5)。種子は両端が翼状に広がり、本体との付け根が括れる(●6)。雄蕊は10~20本(●7)。装飾花や正常花が鮮かな色彩を持つ種が多い。







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