フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

雨の懐古園

2010-04-12 | 日記

 昨夜から雨が降っている。薄暗いが起床し、朝風呂に入る。湯の花が咲いた硫黄臭の温泉に浸かると、体がほぐれ、ほかほかしてきた。入浴後は、本当はビールをぐいっと飲りたいところだが、今日は運転するので、我慢する。朝食は、ボリューム満点で食べきれない、ほどだった。

 宿から、このあたりは「あんずの里」で有名なので見に行ってはいかが、とパンフレットをくれたが、残念ながら雨なので行くのをあきらめる。清里へ戻る道すがら、妻が懐古園に行ったことがないというので、寄っていくことにする。丁度、「桜祭り」が始まっていて、城内一帯にぼんぼりがつるされ、雰囲気はできあがっていた。が、肝心の桜はこのところの寒さのために、開花一歩手前で止まっている。藤村記念館、「千曲川旅情の歌の碑」などを見る。小高い丘のようなところに立つと眼下に屈曲した千曲川がみえる。若い頃口ずさんだ「初恋」の一節が思い出された

 

    まだあげ初めし前髪の

    林檎のもとに見えしとき

    前にさしたる花櫛の

    花あるきみと思ひけり

 

 雨が激しくなってきて、一段と寒くなってきたところで、懐古園を出ることにする。前のみやげ物屋に入ると「KURA」があったので、「花」「調理人」の号を買う。

今日は、特にする予定もないが、寒いので清里へ帰ることにする。

 

 途中、佐久にある「一番亭」というラーメン屋に入り、坦々麺を食べる。店員の女の子が「餃子はどうですか」と勧めるので注文したが、味、焼き方とも今一つだった。

 R141は、視界10メートルぐらいの深い霧に覆われてきて、前の車がほとんど見えなくなった。スピードを落として走り、ようやく清里に着く。まだ早いので、久しぶりに、大泉の八ヶ岳建築工房へ立ち寄る。いつものように2匹のマルチーズが「ワンワン」と猛烈に吠えながら大歓迎だ。退職し清里へ住むことになったことを報告する。八ヶ岳の建築業の状況、土留めの仕方などを話す。建築工房さんからは「顔つきが穏やかになりましたね」といわれて、思わず笑ってしまった。自分では気づかない変化があるのかな。

 アダージョの森へ帰り、夕食までに時間があったので、フルートの練習をする。まず、「タファネル=ゴーベルの毎日の練習」をテンポ96で。高音のところがなかなか上手く行かないので、テンポを落とす。次にケーラーの「ロマンティック・エチュードNO10」。この曲はかなりやってきて、十分ではないが、八ヶ岳に来たこともあり、今日で仕上げとする。続いて、NO11「The Tortures of Tantalus」。訳すと「与える振りをして与えない」というような意味だ。道理で、しきりに転調して落ち着かない。まあ、これが面白いか。課題は、16分音符のスラーを如何に滑らかに吹くか、ということのようだ。