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功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ジャッキー・チェンのヤング・タイガー』

2007-08-19 22:50:05 | 成龍(ジャッキー・チェン)
「ジャッキー・チェンのヤング・タイガー」
「ドラゴン・ファイター」
女警察/師哥出馬/日可出馬
Police Woman/Rumble in Hong Kong
The Young Tiger/Here Come Big Brother
1971

●ジャッキーが駆け出しの頃に出演した作品で、主演は同じ七小福の元秋…そう、『カンフーハッスル』で元華の奥さんを演じていたあの人である。彼女は甘家鳳(フェニックス・キム)の別名を持ち、本作以外では何故か巨龍(ドラゴン・リー)作品などにも出演している。
本作はタイトルにあるようなジャッキー主演作ではなく、実際の主役は『五福星』でおなじみの秦祥林(チャールス・チン)である。脇には李文秦(リー・マンチン)や張午郎なども顔を覗かせており、話は麻薬組織の事件に巻き込まれたタクシードライバーの秦祥林が、刑事の元秋と共に組織をブッ潰すというありがちな話だ。肝心のジャッキーは比較的登場頻度が高い敵のチンピラ役で、最後に秦祥林と一騎打ちを演じて見せている(ナゼか頬に巨大なほくろがついている)。
武術指導は袁祥仁(ユエン・チョンヤン)とジャッキーだが、製作プロダクションの大地影業がめちゃ極小の貧乏会社だった為か、たった2カットのみで続くアクションシーンなど、予算の関係で出来ませんでしたと言いたいような場面が連発していて、かなり物悲しい(爆)。なお、これがジャッキーの初武術指導作品でもある。
大地影業はこれともう一つ日本でソフト化されている『ファイティングモンキー昇龍拳』(同じくジャッキー端役出演作だが、主演っぽく売っている反日映画)を製作し、続いて『死党』なる作品で再び秦祥林を呼んで製作している。その時ジャッキーもそれに端役出演しているらしいが、その出演のきっかけは当時京劇学院から出たばかりで一人つっぱっていた彼に、秦祥林が「もう一回出てみない?」と誘ってきてくれた事が始まりだったという。ジャッキーは彼から「映画館で客の反応を見ることが大切だ」とか俳優として大切な話をしてくれて、今も感謝しているとか。
この情報は芳賀書店発行の「ジャッキー・チェン」という書籍の中で触れられていた話で、秦祥林の人柄が偲ばれる面白いエピソードである。ということは、この2人がのちに『五福星』で再開するのは必然だったのかもしれない。運命とは面白いものですねぇ。

…と、ここでレビューが終わりそうなものなんですが、この逸話にはちょっとした謎が残っています。それは『死党』という作品の事です。『死党』は大地影業制作、秦祥林主演でジャッキーは端役と先の本にもあったんですが、ネットで探してみてもそんな作品は無いのです。
ものの話によると大地影業は上記の『順天立地』と本作を作った後すぐに潰れたという話ですし、秦祥林のフィルモグラフィーを調べてみてもそのような作品は見当たりません。一体『死党』とはいかなる作品だったのか、そもそも存在する作品であるのか否か…まだまだ謎は尽きません。

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