功夫電影専科

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『十七人の忍者』(1990年版)

2011-01-09 22:12:06 | 千葉真一とJAC
「十七人の忍者」
製作:1990年

▼(※…画像は本作の元になった作品のものです)
今月は「映画じゃない作品」をテーマにお送りしていますが、今回はフジテレビの時代劇スペシャルにて放送された本作の登場です。この作品は1963年に製作された同名時代劇のリメイク作で、千葉真一らJACによる忍者活劇となっています。ただし、本作に出てくる忍者はかなり現実的に描かれていて、かつてJACが手掛けた『影の軍団』『忍者武芸帖 百地三太夫』のような派手さは抑えられています(ちなみに私は時代劇専門チャンネルにて視聴)。

■時は徳川三代将軍家光の時代。駿河藩の国家老・神山繁は、家光から将軍の座を奪おうと秘密裏に計画を進めていた。
それに気付いた老中の西村晃は、伊賀忍者の千葉真一を召還。駿河の城に謀反の証拠となる連番状があり、これを奪取せよとの命令を下した。かくして千葉ら17人の忍者は駿河城攻略に挑む事となるのだが、敵も夏八木勲を首領とする根来忍者を有しており、任務の前に千葉が捕縛されてしまう。
 リーダー不在にどよめく忍者たちだが、既に千葉は自分の後任として青年忍者・真矢武を指名していた。長門勇ら忍者たちは彼を支持し、同行できないくノ一・伊藤かずえを残留させると、危険な潜入工作へと向かった。ある者は城壁からの侵入を試み、またある者は変装して正面から乗り込んだ。しかし強固な防備に阻まれ、彼らは仲間のために自ら犠牲となっていく。途中、追ってきた伊藤も参加するが彼女も捕まり、気付けば真矢だけが残された。
ところが、夏八木は「もう16人捕まった!お前らの負けだ!」と千葉に告げる。そう、彼らは事前に17人の忍者が潜入してくることまでは察知していたが、伊藤を数に入れたため潜伏している真矢の存在に気付いていなかったのだ。誤解したままの夏八木を前に、内心ニヤニヤが止まらない千葉(笑)。一方、真矢は敵の中枢までなんとか潜り込めたが、果たして任務を全うする事が出来るのだろうか?

▲…という話なのですが、先述したとおり本作の忍者アクションはリアル志向となっていて、それこそ1人の忍者が一騎当千に敵を切り捨てるような展開はありません(チャンバラはありますが多勢に無勢で大抵死にます)。
ですが、城壁を実際に登りながらの危険なシーンや(ロケ地は彦根城)、根来忍者の槍さばきなどはJACアクションの近隣が垣間見えますし、ラストにはもちろん千葉VS夏八木によるタイマン勝負もあったりします。主演の真矢はJACメンバーの1人で、『将軍家光の乱心/激突』では僅かながら激しい殺陣を披露。本作ではスタントなどに奮闘していますが、どちらかというと牢屋に篭りっぱなしの千葉に迫力で食われているような気がチラホラ…(汗
 ちなみに本作はその『激突』の直後に製作されたせいか、少なからず『激突』から役者や装備が流用されています。特に根来忍者は戦闘スタイルが『激突』に登場した敵兵そのまんまで、現実的な演出の伊賀忍者とは対照的に荒唐無稽さが際立っていました。このへんは作品の雰囲気を徹底し、根来忍者も地味めにして欲しかったのですが…。
一応、リアルに忍者を描いた作品としてはイイ線をいってますが、従来のJAC作品を期待していると肩透かしを食らうので御注意を。ところで、千葉と夏八木は『影の軍団Ⅳ』でも共演していて、こちらでは敵対しつつも好敵手のような関係を熱演。終盤には千葉VS夏八木の最終決戦があり、単純な悪役だった本作よりも印象深い演技を見せているので、こちらも本作と合わせて必見です!

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
新作格闘映画を見つけたのでお知らせします。 (葬流者)
2011-01-10 00:38:16
http://www.youtube.com/watch?v=Twbp5F2NR_w&feature=player_embedded
「格闘技とバスケットボールを融合させた、まったく新しい戦いを描くタイの映画」だそうです。
日本版のDVDももう出ているので如何でしょうか?
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忘れていた事です (葬流者)
2011-01-10 00:47:59
日本版タイトルはそのまま「ファイアボール」なので宜しく。
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返信! (龍争こ門)
2011-01-13 22:43:35
葬流者さんこんばんは!

 『ファイアボール』は既に視聴済みですが、なかなかシリアスな作品でした。男の友情やハードな展開、痛みがこちらまで伝わってくるような格闘アクションはなかなか面白かったです。特にラストのガチンコ勝負×3は見応え十分でしたね。
ただ全体的に暴力的すぎる事と、試合のシーンで敵味方が判別しづらい事、助けようとしている弟が実はアレな奴だったというオチなど、少々不満に思う所もありました(作品そのものは嫌いじゃないのですが…)。
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