功夫電影専科

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『拳師 ~The Next Dragon~』

2012-07-06 21:33:35 | 洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
「拳師 ~The Next Dragon~」
原題:武術/武術之少年行
英題:Wushu/WuShu The Young Generation
製作:2008年

●母を亡くし、祖母のもとに預けられていた2人の兄弟がいた。彼らは父・洪金寶(サモ・ハン・キンポー)に伴われて武術学校へと入学。3人の仲間と苦楽を共にしながら、武術の腕を磨いていった。
それから10年後、2人の兄弟は王文杰と汪亞朝に成長。兄の王文杰は友人の劉峰超・王菲と一緒に演舞を、弟の汪亞朝は同じく友人の劉泳辰と共に散打の道を選んだ。テコンドー娘の毛俊傑を仲間に加えた5人は、来るべき省代表を決める選抜大会に備え、鍛練を続けていた。
 時にライバルとの戦いに挑み、時に将来の進路に悩む6人の少年少女たち。だが、その平穏な時間は武術学校OBである鐵南によって乱されることとなる。鐵南は武術の道を捨て、子供の人身売買を行っている外道であった。彼は同じく学校OBの張晉(『テラコッタ・ソルジャー』にも出演)を利用し、武術学校の生徒を誘拐しようと企んだのだ。
一緒に誘拐された張晉は腕を折られ、劉峰超も鐵南の拳に敗北を喫した。異変を察知した王文杰と汪亞朝は、サモハンと共に人身売買組織の本拠地へと向かう。果たして彼らは無事に帰ってこれるのか、そして選抜大会の結果は…?

 本作はジャッキーがプロデュースし、サモハンが助演を務めたことで知られる青春スポ根映画です。サモハンと武術学校…とくれば『七小福』を思い出すところですが、本作では厳しい修行などの描写はほとんど無く、あくまで青春群像劇として描かれています。
コテコテの功夫アクションを期待していた人はガッカリしたかもしれませんが、主役となる6人は実際に武術の達人であり、演舞やスパーリングだけでもなかなか見応えのある動きをしていました。ドラマに関しても抜かりはなく、ちゃんと6人全員にきちんとスポットが当てられています。
 師匠として父として貫禄を見せるサモハンの姿など、その他の見どころも多い本作。しかし、後半の人身売買組織との対決は青春ドラマとのギャップが激しく、サモハンが目立ちまくる点も含めて往年のサモハン映画に近い雰囲気を醸しだしていました(笑
ここでのバトルは迫力満点で、サモハンVS鐵南&麥偉章(『ドラゴン危機一発97』でドニーと戦った人!)の一戦も見事でしたが、そのせいで後に控える選抜大会が蛇足に見えてしまうという逆転現象が発生しています。全体的に完成度の高い作品だっただけに、この一点だけは惜しい気がしました。
それにしても、本作の監督がまさか『キックボクサー』でヴァンダムを鍛えていた陳國新(デニス・チャン)なのにはビックリしました(監督はアンソニー・シトと共同)。彼は王菲がカメラテストを受けるシーンにカメオ出演しているので、こちらも要チェック…かもしれませんね。

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