功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『鉄の顔を持つ男』

2013-11-28 22:13:37 | マーシャルアーツ映画:中(2)
「鉄の顔を持つ男」
「レスリー・ニールセン 鉄の顔を持つ男」
原題:SURF NINJAS
製作:1993年

●カリフォルニアで気ままに暮らしていたアーニー・レイズJrニコラス・コーワンの兄弟は、ある日突然ニンジャ軍団の襲撃を受けた。彼らはアーニー・レイズSr(ややこしいので以下Srと表記)に助けられたが、義父が敵に捕まってしまう。
実は、アーニーとニコラスの2人はパトゥ・サン王国(『カンフー・ボーイ/最後の騎士』にも同名の国が登場しているが、関係は不明)の王子で、ニンジャ軍団は王国を乗っ取ったレスリー・ニールセンの刺客だとSrに告げられた。
 最初は信じなかったアーニーたちだが、やがて彼らは王家の力に目覚め、戦いに身を投じていく事となる。悪友のロブ・シュナイダー、アーニーの婚約者、そして事件を追っていた刑事とともに、一行は南シナ海のパトゥ・サン王国へと向かった。
宝剣を手にしたアーニーは国民を解放し、趣味のサーフィンを駆使してレスリーの根城へと侵攻。かくしてアーニー率いる国民たちと反乱軍の一大決戦が始まった。彼は戦いの中で義父を救い出すが、そこに半身を鉄と化した異形のレスリーが立ちふさがる!

 『裸の銃を持つ男』シリーズが日本で公開された際、似たようなタイトルのレスリー出演作(もちろん本家シリーズとは無関係)が多数リリースされました。本作もその1つですが、あのアーニー・レイズJrが堂々の主演を務めています。
アーニーは幼いころからテコンドーを習っていた生粋の格闘スターで、子役時代から『ラスト・ドラゴン』などに出演。本作は、そんな彼が父のSrとともに主役を張ったキッズ向けのコメディ映画なのです。
 しかしコメディとしての完成度はかなりユルく、『裸の銃を持つ男』みたいなのを想像していると壮絶な肩透かしを食らうことになります。脚本もかなり適当で、コメディであることを差し引いても不可解な点が目に付きました。
例えば、本作におけるアーニーはごく普通の青年で、途中から覚醒して格闘能力を身に付けますが、なんと戦闘中に何の脈絡もなく覚醒してしまいます。この他にも出自不明のゲームで預言者の力に目覚めるニコラスなど、説明&描写不足なシーンが大量にあるため、こちらで脳内補完しないと見ていられません。
 そんなわけでストーリーは限りなく単調なのですが、格闘シーンではアーニー親子の本領が発揮され、キレのいいキックがこれでもかと炸裂しています。ややSrの動きが堅いですが、アクション演出は全体的に良好でした。
キッズ向けにしては激しい立ち回りですが、マーシャルアーツ・コーディネーターを『ブラッド・スポーツ2』のフィリップ・タン(作中にも端役で登場)、同コレオグラファーをSr自身が担当しているので、この出来には納得です(他にもスタントで山下タダシが参加している模様)。
 ただ、ラスボスがレスリーなので当然ガチンコ対決は無し。この直前にアーニーが宙を舞い、Srが三節棍を振るって大暴れを展開しているので、そちらで我慢するしか無いでしょう。
タイやハワイでロケを行い、ゲームメーカーのSEGAが協力していたりする本作ですが、コメディとしてはイマイチ。格闘アクションはそれなりのレベルなので、こっちはそこそこ楽しめると思います。ところで、タイトルにあるニンジャ要素が後半から消滅したのは何故?(爆

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