「ビリー'S GUN & FIGHT!」
原題:TOUGH AND DEADLY
製作:1995年
●『エクスペンダブルズ』の登場によって、古き良き時代のアクションスターを再評価する機運が高まり、多くの格闘俳優たちが再起を果たしました。ドルフ・ラングレンやゲイリー・ダニエルズは、その恩恵を受けた代表例と言えるでしょう。
90年代に活躍したブラックドラゴンたちもその例に漏れず、最新作の『The Recall』が公開間近となったウェズリー・スナイプス、スコット・アドキンスとの共演作に期待が高まるマイケル・ジェイ・ホワイトなどは、今も元気に活躍しています。
しかし、彼らと同世代のブラックドラゴンだったビリー・ブランクスは、その潮流に思いっきり乗り遅れてしまいました。エクササイズで一世を風靡し、日本のバラエティ番組に出演したのも遠い昔…ブームが去った今では誰も覚えていません。
今でも母国で俳優活動は続けていますが、最近の出演作はドラマやホラーが中心となっており、アクション映画への出演は実質ゼロ。インストラクターの仕事が忙しいのでしょうが、かつての勇姿を知る身としては一抹の寂しさを感じてしまいます。
さて本作は、まだビリーの人気が日本でギリギリ保たれていた頃、『ビリー'S KARATE MAN』と共にリリースされた作品です。格闘押しだった『KARATE MAN』に対し、こちらはサスペンス仕立てのアクション映画となっていました。
物語は今回もB級感丸出しで、記憶喪失となった謎の男(ビリー)がロディ・パイパーを巻き込み、ギャングと組んだCIAの裏切り者と戦う!というもの。敵の1人にはリチャード・ノートンが扮しており、なかなか豪華な顔ぶれが揃っています。
しかしストーリーはゴチャゴチャしていて散漫だし、軍の武器庫の警備が手薄すぎたりとツッコミどころが満載。小杉十郎太氏のムチャクチャな日本語吹替えも、今となっては別の意味で笑えました(爆
一方、アクションはそれなりに勢いがあり、主演のビリーとロディは方々で立ち回りを見せています。注目はやはりビリーVSロディ、そしてVSノートンといったマッチメイクですが、こちらはあまり納得のいく内容ではありません。
VSロディでは演出がコミカル寄りで、対決というよりもドタバタ感が強めでした。VSノートンでは激しい殴り合いが繰り広げられるものの、肝心のノートンはクライマックス前に退場してしまいます。
おかげでラストバトルは強敵不在のまま進行し、どうにも締まりの悪い印象を残してました。ここは中盤で消化してしまったジェームズ・リューか、ノートンを温存してラスボスにして欲しかったなぁ…。
そんなわけで格闘アクションを沢山見たいなら『KARATE MAN』、ビリーと格闘俳優たちとの絡みを楽しむなら本作がオススメ。ただし、2本一緒に見るとどっちがどっちだか解らなくなるので、一気見は禁物です(笑
原題:TOUGH AND DEADLY
製作:1995年
●『エクスペンダブルズ』の登場によって、古き良き時代のアクションスターを再評価する機運が高まり、多くの格闘俳優たちが再起を果たしました。ドルフ・ラングレンやゲイリー・ダニエルズは、その恩恵を受けた代表例と言えるでしょう。
90年代に活躍したブラックドラゴンたちもその例に漏れず、最新作の『The Recall』が公開間近となったウェズリー・スナイプス、スコット・アドキンスとの共演作に期待が高まるマイケル・ジェイ・ホワイトなどは、今も元気に活躍しています。
しかし、彼らと同世代のブラックドラゴンだったビリー・ブランクスは、その潮流に思いっきり乗り遅れてしまいました。エクササイズで一世を風靡し、日本のバラエティ番組に出演したのも遠い昔…ブームが去った今では誰も覚えていません。
今でも母国で俳優活動は続けていますが、最近の出演作はドラマやホラーが中心となっており、アクション映画への出演は実質ゼロ。インストラクターの仕事が忙しいのでしょうが、かつての勇姿を知る身としては一抹の寂しさを感じてしまいます。
さて本作は、まだビリーの人気が日本でギリギリ保たれていた頃、『ビリー'S KARATE MAN』と共にリリースされた作品です。格闘押しだった『KARATE MAN』に対し、こちらはサスペンス仕立てのアクション映画となっていました。
物語は今回もB級感丸出しで、記憶喪失となった謎の男(ビリー)がロディ・パイパーを巻き込み、ギャングと組んだCIAの裏切り者と戦う!というもの。敵の1人にはリチャード・ノートンが扮しており、なかなか豪華な顔ぶれが揃っています。
しかしストーリーはゴチャゴチャしていて散漫だし、軍の武器庫の警備が手薄すぎたりとツッコミどころが満載。小杉十郎太氏のムチャクチャな日本語吹替えも、今となっては別の意味で笑えました(爆
一方、アクションはそれなりに勢いがあり、主演のビリーとロディは方々で立ち回りを見せています。注目はやはりビリーVSロディ、そしてVSノートンといったマッチメイクですが、こちらはあまり納得のいく内容ではありません。
VSロディでは演出がコミカル寄りで、対決というよりもドタバタ感が強めでした。VSノートンでは激しい殴り合いが繰り広げられるものの、肝心のノートンはクライマックス前に退場してしまいます。
おかげでラストバトルは強敵不在のまま進行し、どうにも締まりの悪い印象を残してました。ここは中盤で消化してしまったジェームズ・リューか、ノートンを温存してラスボスにして欲しかったなぁ…。
そんなわけで格闘アクションを沢山見たいなら『KARATE MAN』、ビリーと格闘俳優たちとの絡みを楽しむなら本作がオススメ。ただし、2本一緒に見るとどっちがどっちだか解らなくなるので、一気見は禁物です(笑
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